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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

音楽を奏でる道

音符マーク

今から16年前、僕が車を取ったときにはもう、存在した。
長野県諏訪IC付近の緩やかな斜面。初体験はそこだった。
100キロくらいで飛ばしていると、規則正しい音が聞こえてくる。
耳を澄ませると、タイヤの下から三三七拍子が聞こえてくる。その後にワァ~ッと拍手もある。
あの時の感動をどうやって言葉に表せば良いのだろう?
誰も見ていないところを抽出し、それで人を幸せにする。
三三七拍子に気付いてくれる人には、笑いとちいさな幸福が心に灯った。
そして舞台は富士。
うちの近くに更に進化を遂げた道がある。
場所は富士山スバルラインの一角。有料の区間じゃなく、無料区間の河口湖寄りにある。
まず道を走っていると、アスファルトに書かれた音符マークが目に飛び込んでくる。何だろう?と注視していると今度はト音記号。そして道の色が一段濃くなり、世界は始まる。
トーン記号

「あたまを くもの 上にだし・・・・」・
タイヤの下から、何と音楽が聞こえてくるのだ。
「ふーじーは にっぽん いちの やまー」
文部省唱歌の“ふじの山”が、道を走ることで、奏でられるのだ。

あたまを雲の上に出し
四方(しほう)の山を見おろして
かみなりさまを下にきく
ふじは日本一の山

よく外国人が日本へやってきた時に、都市の電車の中にテレビが設置されていることに度肝を抜くというが、この道路なんて更に腰まで抜かしてしまうんじゃないか?
音を奏でる道。そんなメロディアスな道が、存在するのだ。
僕はドキドキしながら車を降りた。
そしてその仕組みを観察した。目の前を一台の車が走りぬける。
「ふーじーは、にっぽーん、いちの、やまー」
やっぱり、音楽が道から立ち上ってくる。
道に刻まれた溝を見ていて、大体仕組みが理解できた。
まず線と線の間隔でメロディーを、そして線の長さで音程を決めているのだろう。
道路の溝

線の端の長さが微妙に違うのはそのためだろう。
線が長ければ高く、短ければ低くなるのだろうか?
それともその反対だろうか?
今度、じっくり腰を据えて調べてみたい。
うちの近くに音楽を奏でる道がある。
一台、また一台と通るたびに、富士の詩が大空へ奏でられてゆく。
                               ノムラテツヤ拝
道路の溝2
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テーマ:自然の写真 - ジャンル:写真

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コメント

素敵~♪
そんな道があるなんて初めて知りました!
是非走ってみたい!いや、いつか必ず走る!
2009-08-01 Sat 15:55 | URL | yoshimi [ 編集 ]
はい、確かにメロディーロードはあります。ぜひ体験しに来て下さいね。  野村哲也拝
2009-08-02 Sun 12:54 | URL | Tetsuya nomura [ 編集 ]
確かmelody roadは、北海道にもありますよ。テレビで見ました。そこは、知床旅情だったような。
2009-08-03 Mon 08:43 | URL | 水谷 美紀子 [ 編集 ]
美紀子様へ
知床にもあるんですね。身近にひとつ、メロディーロードがあると、日々、楽しみがひとつ増えますね。どんどん広がってゆくことを願っています。  ノムラテツヤ拝
2009-08-03 Mon 09:55 | URL | Tetsuya nomura [ 編集 ]

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