写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

海老セビーチェ

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毎年催行するペルーツアーは、絶叫するほどの食が出てくる。
その中でも、僕が一番好きな料理が、あったか海老セビーチェ。
白身、蟹、ウニ、などセビーチェは多種多様だけれど、ある店の海老セビーチェは、蕁麻疹が出るほどに美味い。
最初に食べたのは、もう10年ほど前になるだろうか?
ひろちゃん、マヌエル兄さん、ぜんちゃんと僕、男4名で何故かナスカを旅することになり、その途上に寄った。
まだ主人は健在で、店ももっと分かりにくい場所にあった。
そこで出てきた海老味噌と身がふんだんに入った衝撃は生涯忘れない。
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「世の中にこんな美味いものがあるんだ」と身震いした。
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その時に撮影した写真が、今も店の軒先に飾られている。
親から子へと完全に味は伝承され、今年も安定感抜群。
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みんなの顔も、もちろんこの通り。
食って偉大ですね。
人の心を、こんなにも幸せにさせるのですから。
             ノムラテツヤ拝 
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混沌

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混沌。
僕はこの言葉が好きだ。
相反するものが、ごちゃ混ぜになっている世界。
すべてのものが、今のままで良いのだと教えてくれる。
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現在のネパールは、まさに混沌の時代を迎えていた。
地震の復旧が進む首都部と、全く進まない地方部。
恐ろしいほどの貧富の差と、観光地に潜む光と闇。
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自分の足で感じることの大切さを、今回もまた痛感した。
南風に乗ってインドから粉塵が飛んでくる。
それらがスモッグとなり、大気を汚染していく。
現地民たちもマスクをし、一日でそれらを真っ黒になる。
何が良いのか、悪いのか・・・
こんな場所に身を置くと、自分の心の奥底にある声が嗚咽のように浮かんでくる。
「僕は何を求め、何処へ向かうのか?」
その輪郭が、クッキリと目の前に浮かんだ。
             ノムラテツヤ拝
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心象風景

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祈る人、マニ車、手のアップ。
監督の姫が心に描く風景を写真に収めていく。
スワヤンブナート寺院は朝日に輝き、猿の親子が闊歩する。
道端には、真っ白い眉毛と髭を生やしたシブいお爺さん。
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寺院の中では、一心不乱にお経を唱える人々。
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そしてそれを支えてきた皺の刻まれた手。
日常は美しいと思う。
人々の暮らし、それは限りない美を内包している。
             ノムラテツヤ拝
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祈りの時間

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ネパールの日常は祈りと共に始まる。
三神一体(トリムルティ)の3大神は言わずと知れた、シヴァ、ヴィシュヌ、ブラフマーだが、その下に、更に3億3000万の八百万の神が存在する。
人々は、今現在の家族の病気の快方や、身内の不幸について祈りを捧げる一方、来世のためにも手を合わせる。
「今生よりも、良い来世を」
大人が手を合わせると、当然のように子供たちも手を合わせる。
祈りが祈りを呼び、やがて大きな渦を作っていく。
地震によって甚大な被害のあったボタナート寺院は、今日も時計回りにマニ車を回し、人々は回廊をひたすら巡っていた。
「人々は何のために祈るのか?」
人それぞれに理由はあるのだろう。
でも、やっぱり僕たちの体の奥底に、大いなる何者かを感じているからだと思う。それが自分の外側、内側にあろうとも、祈りを込めるのだ。
五郎丸のように、赤ちゃんが手を合わせる。
その純真な瞳の先には、青い大空が広がっていた。
                ノムラテツヤ拝
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輝くヒマラヤ

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ネパールから無事に帰国。
映画の方は、監督の姫の指示のもと、色々なカットを撮影させてもらった。
その中でも久しぶりに飛んだ、マウンテンフライトは心が揺さぶられた。
世界最高峰エベレスト(8848m)が悠然とヒマラヤ山脈を従え、周りのローツェや、アマダブラム、マナスルなどが脇を固める。
その荘厳さに、畏敬の念だけが浮かび上がる。
「いつかあの峰へ必ず登らせてもらう!」
天候不順のため、8日ぶりに飛んだという今日のフライト。
山々を見終わると、機内サービスでシャンパンが出された。
紺碧の空に浮かぶ、輝く峰々。
「ヒマラヤに乾杯!」
            ノムラテツヤ拝
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