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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

事件発生

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旅の最終日。
事件は突然起こった。
R島から2組に別れてカラカスに飛ぶ予定だったけれど、ひろちゃんを乗せての別隊がどれだけ待っても来ない。
1時間半ほど待ったところで、ようやく搭乗口から隊員の姿が。ホッとする間もなく、一人が言った。
「ひろちゃんを含めた3人が乗れなかった」と。
午後、カラカス周辺に大雨が降り、空港が一時閉鎖。それによってR島へ往復する飛行機が飛べなかったというのだ。たまたま通ってきた別の飛行機に乗れるだけ乗せたけれど、ひろちゃんと犬飼夫妻の3名は、未だ島に滞在している。
いろいろと手を尽くした結果、僕はカラカスでの滞在を決めた。その決定打は、翌日のエアーカナダのフライトが無かったから。夫妻だけでは、明日カラカスに入ってきて、ここで一泊し、翌日の夜にここから飛び立つことは少し困難に思えた。
エンジェル隊の面々を、空港で見送り、僕は切符の変更手配や、ホテルの手配をし、寝たのは夜中の3時くらい。
翌朝、朝一番で空港へ行き、9時過ぎ、ひろちゃんと犬飼夫妻と合流した時は全身の力が抜けていくようだった。
そのまま3人で、自分の泊まったホテルへ移動し、よもやま話。
そして午後からは、ひろちゃんと別れて、カラカス市内へ向かった。
ちょうどセールをしていて、カラカス市内のホテルが、格安になっていたので、2部屋取ったのだ。
「どうせ残るんだったら、みんなの分まで思いっきり楽しみましょう」
そう、今回の旅では、カラカス市内へは寄れなかった。
空港から、大雨のため土砂崩れした道を、大渋滞のすえ2時間半かけてカラカス市内へ。途中、オーバーヒートの車を30台以上見た。
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カラカスは高層ビルが立ち並ぶ都。
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オイル国だけあって、ベネズエラは6年前と変わらず、今も1リットル、たったの5円の国だ。ここより安い国を、僕は見たことがない。
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モスクのような不思議な建物の脇を過ぎて、ユーロビルディングホテルへ。
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入ってみて驚いたけれど、ここは5つ星ホテルだった。
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部屋内は、んもう、素敵なつくり。真っ赤な枕が、仲良く並んでいた。
                         ノムラテツヤ拝
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地球の美

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R島を離れる日がやってきた。
午後、やわらかい光の下、セスナで飛び立つと眼下にサンゴの美が広がった。
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下からでも十分きれいだったけれど、どうだろう、この宝石のような繋がりは。
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地球は美しい。こんな圧倒的な自然を見ると、いつも想ってしまう。
僕たちはただ、生かされているだけ。
僕たちは、この地球に少しだけいさせてもらうだけ。
細い砂州のような島がどこまでも続いている。
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地球の表面のような、青と島々。
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弓矢のような島。
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雲の向こうを、太陽が照らす。
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カラカスへ戻ってくると、空には虹がかかっていた。
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空港は、黄金色に染まっていた。
                 ノムラテツヤ拝
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ウミガメ

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モスキート島に立ち寄る。
ここはウミガメの研究所でもあり、生まれて三カ月の亀から海に放すくらい大きくなったものまでバラエティに富んでいる。
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ただ、名前の通り、蚊の襲撃がすごい。軽く20から30箇所は刺されてしまう。
亀は水中を悠々、僕たちは恐々、でも、風景はひたすら美しい。
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昼食は、これまた絶景のレストランで。
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まるで石垣島を彷彿させるような景色の中でいただく魚は、これまた最高でした。
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Nさんが一言。私、旅の中で一番美味しかったのは、ここで食べた白身魚でした。
                        ノムラテツヤ拝
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この世の楽園

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R島の中でも、カリブの海が割れるKという場所がある。
水位が高くて行けないと言われていたけれど、強気で行ってみることに。
よっし。
無事に接岸できそうだ。
海の色は、さらに鮮やかさを増し、世界屈指のレベルになってくる。
潮の潮位によって、一日に一時間ほど割れるカリブの道、そこをみんなで歩く。
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きめ細かい砂に、足裏が喜んでいる。
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陽光が出てくると、色は更に光り輝く。
モーリーをモデルに、シャッターをきる。
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カップルもカリブの道を歩き、まるで絵葉書のようだ。
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う~ん、美しい!
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白砂の砂浜に、カリビアンブルー。
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晴れてくると、この世のものとは思えない色に。
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ビーチパラソルとカリブ。
この世の楽園が、ここにあった。
                    ノムラテツヤ拝
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ロブスター

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やりたいことをやりたいだけ。
これが我が隊のモットーだ。
隊員のひとりが、「海老を食べたい」と話していたので、R島でロブスターを手配した。ここは海老の聖地でもある。
島一番のシェフに頼んで、一人半匹でお願いした。ベネズエラは、何度確認しても確認しすぎることはない。
7時半からの食事だったが、7時に料理の確認のため、出向く。
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そこには、ぴっちぴちの海老、ロブスターが跳ねていた。
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僕も持たしてもらい、パチリ。
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7時半になり、みんなで晩餐。
長テーブルに座り、まさに最後の晩餐だ。
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最初はカルパッチョ。
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そして、メインのロブスター。
隊員は絶叫し、そのあと、ほのかに甘い味を噛みしめながら、無言の時が流れた。
                   ノムラテツヤ拝
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