写真の不思議2020-04-16 Thu 16:56
![]() 相手に敬意を込め、感謝して写真を撮影する。気持ちは変わっていないのに、その中で妙に売れる写真と、全く売れない写真が出てくるのは何故だろう?。 僕たち写真家がベストショット、または自信のある写真というのは、大抵思い入れが強い写真だ。何年もかかってようやく撮れた写真、奇跡に成功したショットなど。でも、写真家という職業を長年させてもらっていると、その乖離に悩む時が訪れる。 「どうしてこの自信のある写真ではなく、こちらのカットを選ばれるのか?」と。 21歳の時の処女写真集出版を皮切りに、エッセーや写真絵本などを14冊編む中で、巻頭グラビアを担当する中で、様々なクライアントたちと共に仕事をする中で出た答えが、僕なりにある。 よく写真家志望の若者たちから受ける質問に、「良い写真はどうやったら撮れますか?」がある。断言する。良い写真、または悪い写真など無い。写真自体に優劣など1㎜も存在しないのだ。 ただし、撮影した人が、どうしても伝えたい、と強く想う写真はある。それが世に出る写真・・・という訳ではなく、後世に残っていく写真というのは、その一枚後に撮った写真になることが多い。 ここだ、と思った時には、きっと体に力が入っている。でもそのショットを押し込んだ瞬間、脳には快楽物質のエンドルフィンが溢れ、恍惚状態となる。その次、またその次と、押し込んだ写真は、大抵記憶がない。 その無意識で撮影した写真こそが、伝わる写真になるのだ。だって、自分という我が無くなり、透明人間になる。「風景」→「写真家」→「鑑賞者」の写真家という部分が消え、「風景」→「鑑賞者」となる。つまり、その風景の「氣」が誰にも邪魔されることなく、ダイレクトに相手の心へ振動していくのだ。 ベネズエラのギアナ高地を空撮していたこの写真もそうだった。カレンダー、高校の教科書、雑誌の表紙、テレビ番組、今まで使われた機会は数知れない。大切なのは、「力を抜くこと」、そして「無意識に繋がること」なのかもしれない。 ノムラテツヤ拝 ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |
カリビアンブルー2015-12-20 Sun 14:34
![]() 今までの渡航先は106ヶ国(日本込み)。 国連加盟国は現在196ヶ国(今年の五月にニウエが入った)なので、残りは90ヶ国。 60歳くらいまでに、何とか全てに足を踏み入れてみたいと思っている。 その中で、最も海が綺麗だった場所は、やはりベネズエラのロスロケス島だろうか。 首都のカラカスから小型セスナ機で飛び、唯一の村グランロケスへ。 そこから船で4時間揺られた場所に、愛すべきポイントがある。 一日に一度、たった1時間だけ海が割れるのだ。 まるで自分がモーゼになったかのよう。 緩い潮風が髪を揺らし、頬を撫でて、首筋へ抜けていく。 いつまで眺めていても、決して見飽きることのないカリビアンブルーの世界。 そこでボーッと佇む幸せを噛みしめる。 何だか、また行きたくなってきちゃった。 ノムラテツヤ拝 ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |
帰国!2010-12-22 Wed 07:00
|
ボリーバルの町2010-12-20 Mon 07:00
![]() 肉屋さんからホテルに戻ると、結婚式がおこなわれていた。 ベネズエラらしい、美人の新妻が、印象的だった。 翌日は、バスにのって、町へ出てみる。 ![]() 地下鉄の駅は、不思議なペイントが。こんな風に並ぶんだぁと、しみじみ感動した。 ![]() シモンボリーバルゆかりの広場へ行き、カフェをしてからぶらぶら歩いていると、何やら仮装した人たちが歩いていく。 ![]() 声をかけてみると、毎週日曜日だけ、プロの俳優たちが、独立運動の英雄、シモンボリーバルの劇をこの町で繰り広げるという。 ![]() さっそく、みっちゃん、まーちゃんもその中へ加わらせてもらった。 白壁にボリーバルのレリーフが。 ![]() 劇が始まると、まずはお婆ちゃんが歌い、呪術的なまじないを唱える。 ![]() そしてボリーバルの生家に入り、みんなでガイドの声に聞き入った。 カラカスの町を遊ぶ。 みっちゃん、まーちゃん夫妻の肩が踊っていた。 ノムラテツヤ拝 ![]() ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |
屈指の肉屋2010-12-19 Sun 07:00
![]() 「みっちゃん、夕飯は何が食べたいですか?」 「そうだなぁ~、この前の時のブエノスアイレスの肉が美味かったなぁ~」 みっちゃんは、今年の一月、パタゴニアの旅に参加してくれ、その時の肉の味、ワインの味が忘れられないと力説した。 ここ、ベネズエラもアルゼンチンと並ぶ、肉大国。 「なら、決まりですね。僕がおごりますので、カラカスで最も高級な肉料理屋さんに行きましょう」と、マウテグリルという店へタクシーを走らせた。 さすが、最高級だけあって、来ているお客さんたちも正装している。 牛の角で作ったオブジェも素敵だ。 ![]() 頼んだのはTボーンと、羊肉。 ここの羊肉が絶品と、ロンプラが書いていた。 みんなの代表として残ってくれた二人に、どうしても最高の夜をプレゼントしたかった。 乾杯~! ![]() テーブルには2種のアヒ(トウガラシ)があり、気持ちが乗ってくる。 ![]() 出たぁ~、二人ともご満悦そう。 ![]() みっちゃんは、肉をほおばり、最高だね、と連発。 見事な食べっぷりに、見ているこちらが幸せになる。 ![]() 焼き加減も完ぺきだ。 ![]() 対して羊も、これまた絶品だ。 ![]() 羊独特の臭みは一切なく、それでいて野生の味がする。 みっちゃんは気付くと、Tボーンをたいらげていた。 ![]() ベネズエラ屈指の肉屋、マウテグリル。 みんなで鼻歌を歌いながら、ホテルへ戻った。 夜はさっき買ったワインで宴会だ。 ノムラテツヤ拝 ![]() ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |