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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

奇跡の一枚

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3年前から狙い続けている光景があった。
暦を綿密に計算し、一年のうち2日だけしか現れない天の川のアーチ。180度以上にわたるその巨大な橋をどうやって撮るのか? 最初は苦心させられたが、一つのテクニックを使うことで撮れる目途がついた。でも、机上の理論と現実は違う。眼には見えないウユニ村の小さな光や天候、気温、風の加減などに苦しめられることになる。
僕たち写真家は絵描きのようなもの。カメラという純白のキャンバスに、レンズという最善の筆で内面のイメージを爆発させていく。そしてプロとは、自然が完璧に微笑む瞬間に、その場に立ち続ける人のことを言う。
「そんな写真、あそこに行けば、誰でも撮れるよ」
そんな風に言うカメラマンは問題外。口ではなく写真で勝負をするのが、写真家の使命なのだから。
僕が狙い続けたイメージは、「“初日の出”に“天の川”が橋を架ける一瞬」。
2年前に撮影したものは、写真としては悪くないが、危うさが目立った。去年は流れ星が天頂に流れたことで、天の川自体は満足いくものとなった。
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でも日の出が醸し出す色合いと天の川の融合が、どうしても納得できなかった。理由は気温(色温度)。この問題を踏まえて、今年は一人だけで夜中の塩湖に立ち、温度の管理をした。一枚、また一枚。自分も風景の一部として入る。そして30分後。ようやく僕が3年前にイメージした光景が液晶に浮かび上がった。黄金の朝日の上に、巨大な天の川が奇跡の橋を架けた。
               ノムラテツヤ拝
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幸福の緑光

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太陽がふたつに輝く時間、我らはやっぱりワイン会。
ほろ酔いになった頭で、自分の外面と内面を見つめてみる。
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外、内、外、内。思想は行ったり来たりしながら、一つにまとまっていくもの。
「てっちゃん、今日も出すか?」
顔を夕陽色に染めた阪根ひろちゃんが呟いた。
「もちろん。宜しくお願いします」
ひろちゃんが手を合わせて呪文を唱える間、僕は三脚を立てて、超望遠レンズを装着した。
夕陽が少しずつ大地キスをし始める。レンズの向こうの太陽に焦点を合わせ、明るさを微調整する。太陽が大地から隠れる瞬間、端が緑色に染まった。
「来ますよ、グリーンフラッシュ」
見た者は生涯の幸せが約束されるという幸福の光。
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太陽光の屈折率によって緑色に見える現象だ。
「1秒もなかったですが、緑になりましたね」
「てっちゃん、大切なのは時間じゃないんだよ。起こったという現実だ。出ます、出します、出させます」
みんなが幸福になるために、いかに動くことができるか?
そう、僕は初めてひろちゃんと出逢った27歳から、この人にそれを教え続けられている。
             ノムラテツヤ拝
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ダンシャリアン

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「てっちゃん、南アフリカに連れて行って貰った時、喜望峰で断捨離が世界に広がるようにって宣言したわよね!」
旅が始まった時、そう語り始めたのは、断捨離の祖・やましたひでこさん。
「今回はどこかで、その想いを宇宙へ届けたいの!」
「はい、了解しました」
昨今、皆がよく使っている「断捨離」という言葉。これはやましたひでこさんの造語だとご存じの方が、どれだけいらっしゃるだろう? ヨガの行法哲学「断行・捨行・離行」の頭文字を取ったものだ。
ひでこさんは、空間と物を整理することで、自分自身の心が整って気持ち良くなることを、自己体験の中で発見した。これは誰にでも使えるメソッドだと、断捨離を立ち上げ、全国津々浦々を講演して回った。もしひでこさんが、断捨離を通して儲けようと動いていたら、きっとこれほど世界中に広まることは無かっただろう。こんなに素敵なことを教えてもらったのだから、ご縁のある皆も使って欲しい。ご機嫌になって欲しい、そのピュアな気持ちが、日本を世界を動かしていった。
僕がひでこさんと初めてお逢いしたのは、ある講演会でのこと。夕食時、目の前の席に座ったひでこさんに、世界中の絶景話をした。南アフリカの600キロ続く花園の写真を見るやいなや、「わたし、ここにいくわ。連れていって!」と即決。その竹を割ったような性格に、好感を持った。
「断捨離とは一体何ぞや?」
その時の僕は断捨離という言葉を知らず、ましてやそれがひでこさんの造語だと知らず、無知丸出しでひでこさんから教わった。
「断捨離とは、ただ、モノを捨てることにあらず」
人間の外面と内面は常に比例する。内面がいっぱいいっぱいの人は、外面も散らかっている。だから、まずはそこから始めようというのが断捨離の考え方。ときめかないモノを捨てることで、心に隙間を与え、そこに体験や経験など、ときめくものを入れていく。自分が少しずつ変わっていくことで、周りにご機嫌様な人たちが増えてくる。相手と自分を比較して愚痴っている時間があれば、過去の自分と比較することで、悪口や噂話の無益さを学び、自分自身でご機嫌を取れる人間になる。こうなると、人生を俯瞰して見られるようになり、自身でコントロールすることが出来る。「自適」、これこそが断捨離の最終目標であれ極意なのだ。
モノ→空間→体→集う人→心 この一連の流れが何を物語っているか? それは自分の周りは、すべて自身が作り上げているという現実。だからそれを逆から辿り一つひとつ整理してみたら如何ですか?という提言が「断捨離」なのだ。
ウユニ塩湖上で、断捨離組が「宇宙に届け、断捨離~!」と見事に言上げ(ことあげ)された。
http://bit.ly/2M58KX5
おめでとうございます。宇宙の神様も、笑っておられましたよ。
             ノムラテツヤ拝
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スターウォーズ・バー

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ウユニ塩湖には塩のホテルが3つある。
ルナ・サラーダ、パラシオ・デル・サル、クリスタル・サマーニャ。その中の一つが、実は「スターウォーズ・最後のジェダイ」のロケ現場で使われ、クランクアップした記念に、ホテル内に立派なスターウォーズ・バーが作られた。
塩で作られたのは、騎兵のトルーパー2体。
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折角だからグラスに赤ワインを注いで、仲間たちと乾杯した。バーのテーブルも椅子もすべて塩、部屋に戻るとベッドまでもが塩だった。
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今までウユニ塩湖ツアーをかれこれ8回やっているが、この塩ベッドで腰痛が治ってしまった人が6人もいる。やっぱり塩って、体にとって強く作用するのだ。自然界にあるすべてのものに無駄は一切ない。すべてが関わり合い、皆で地球を生きている。
                 ノムラテツヤ拝
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大自然の抱擁

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20代から世界中の氣持ち良いところで、すっぽんぽんになってきた。マチュピチュ、ナスカ、サハラ、敦煌、アラスカ、パタゴニアの森、世界四大花園など。
理由は、全身でこの素晴らしい大自然を直に感じたいため。服があっても勿論感じられる。でも、一度、裸を体感してしまうと、もう病みつきに。それを一言で言うなら、大自然との“まぐわい”だ。自分の存在が溶け、吸い込まれていく。
今回のメンバーもノリが良い。僕がウユニ塩湖で今まで4回裸で疾走した話をしたら、「野村さん、僕も感じたいです!」と、チーム一の若者が。そうそう、それが若さってもの。さすがトライアスロンが趣味というだけあって、体がよく絞れている。最初は塩の結晶で足を痛めたくないと長靴を履いていたが、気持ち良くなってきたのか、長靴を脱いで大ジャンプ。
これを見て「馬鹿だねぇ~」と思う人と、「やってみたい」と思う人、どちらの人生がより楽しめるだろう。 
「若者だけには行かせねぇ」と、今度はシニア代表が。ポーズを決めて、おりゃぁ~!
年代なんて、性別なんて、関係ない。大自然に抱かれた時は、無条件で心も体も開放する。すると、あら不思議。大自然が真綿のようなエネルギーで抱きしめてくれるのだ。
             ノムラテツヤ拝
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