写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

夢の夜

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チリの秘境プエルト・エデンで忘れられない夜を過ごしたことがある。
先住民リンチェとの体験を、僕はこう書いている。
家の前にくくりつけていた紐を外し、2人乗りのカヌーで闇の中へ漕ぎ出してみる。
オールで水面を弾くと、カヌーはゆっくりと海へ押し出された。プエルト・エデンの海は、鏡のように凪いでいる。星々が海へ映り、僕は銀河船に乗った。天の川をまたぎ、南十字星をくぐり、流れ星を仰ぎ見た。
オールを置き、しばらく流れに身を任せた。
静かだ。風も殆どなく、聞こえるのはリンチェと僕の呼吸音だけ。空へ手を伸ばせば、星が墜ちてきそうな近さ。海に手を入れると、星は輝きごと揺れた。

もう二度とこんな夢のような夜を体験することが無いだろう。それほど海におびただしいほどの星が完璧に海面に写り込み、まるで宇宙へ飛び出したようだった。

ニュージーランドのワイトモ。漆黒の洞窟で無数の土ボタル(Glow-worm)が壁を照らしていた。和名はヒカリキノコバエ。その幼虫がお尻から粘性の糸を垂らして、蜘蛛の巣のように獲物を狙う。幼虫も糸も青く光る。そこへゆっくりとボートで流れると、あのプエルト・エデンの体験を彷彿とさせた。
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僕は知らぬ間に泣いていた。
「地球は美しい」。
こんなに尊い地球に、生を頂けて、本当に有難くて仕方ない。
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僕は青い星、無数の地球が光る洞窟の中を、奥へ奥へ更に突き進んだ。
                   ノムラテツヤ拝
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マヌカ

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ニュージーランドでグレートレイクと形容されるタウポ湖。
森へ続く湖畔を散歩すると、サイダー色の滝が流れ落ち、マヌカの花が咲き誇っていた。
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「マヌカ」
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日本でも大人気だというが、僕は初めて聞いた。
意味はマオリの言葉で「癒しの木」。キャプテンクックがこの地を訪れた時に「ティーツリー」と名付け、花の蜜は恐るべき抗菌力作用を持つという。
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健康食品・マヌカ―ハニーとググると、恐ろしい数がヒットする(笑)。
花の大きさは1センチほど、でもそれらが寄り集まり、風に揺られると、ひとつの大きな命がうねっていくのが見える。
目の前を一匹の蜂が、花粉を抱きかかえて飛んでいった。
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蜂蜜のビジターセンターでクローバーやマヌカの味の違いを知った。
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どちらも濃密で美味しいですね。珍しくお土産に買ってしまいました。
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自然が作り出すものを、ちょっと分けてもらい、感謝して頂く。
僕たちは、今日も地球に生かされていますね。
               ノムラテツヤ拝
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聖地の教え

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9体のマオリ彫刻をひとつ一つ、撮影させてもらう。
舌を出して威嚇するもの、モビルスーツを着ているようなもの、そして女性特有の顎下に入れ墨があるものなど。
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どこか懐かしいその雰囲気に、全身の力は抜けていった。
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中心地からまるで螺旋をかいて天へ昇って行くエネルギー。
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真ん中にいると、まさに天へ吸い上げられていくような感覚だ。
現地のマオリ族から、この聖地の説明を聞かせてもらった。
中央に立つのは「M」。
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まだ本に書くために伏せるが、このMは誰が聞いてもエッと驚く名前。
そうか・・・・・、今回の本の舞台はポリネシア。そして僕は最終地としてMに行かねばならないのだ。
きっとそこに本を締めくくる何かヒントが隠されている。
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この世は、宝物で満ち溢れている。
そして自然はいつもそのヒントを与えてくれる。
大切なのは俯瞰する視線。マクロまでよる視点。
それらをバランスよく交互に使い世界を見る。
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するとまるでパズルのピースがはまるように、解けていくことがある。
一度その快感を知ってしまうと、もう人には任せられない(笑)。
だって、こんな面白いことってないもの。
本のピースが大分はまってきた。
あとの残りを見せてくれるために、自然はどんな劇的な光景を用意してくれているのかしら?
机上の理論は嫌い。どうせなら、分からなくても、その場に立ち感じたい。
そうすれば、きっと森の精霊たちが囁きかけてくれる。
マオリの聖地は、まさにMという地に繋がっていた。
                ノムラテツヤ拝
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ありがとう。

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お誕生日おめでとう。
今年は13日の金曜日じゃなく、火曜日ですね。
哲也がもう42歳、感慨深いです。
私も、もう少し楽しみましょう。
明日、待っていますね。
と母からのLINEが飛び込んできた。

おかあ、この世に産んでくれて感謝しています。
僕が、おとうとおかあを選びました。
ここまで世界一の溢れんばかりの愛情をかけてくれ、体験至上主義の教育を有難う。
お陰で美しい地球を楽しめます。

700人を越える方々から、お誕生日おめでとうのメッセージ、メールを有難うございます。
この場を借りて、お礼申し上げ、叫びます。
「みんな、本当にありがとう~!」
僕は周りの皆さんのお蔭で立たせて貰っているんだなぁ、としみじみ幸せを実感しました。
ある方からのメッセージで、本厄とは数え年の42歳なので、野村さんは終わっていますよ、と書かれていて苦笑。勉強不足ですみません(笑)
今年は後厄。本厄も過去に例をみない素晴らしい年だったので、今年は更に楽しみたいと思います。
ひとつ、ひとつ、丁寧に気持ちを込めて、仕事も遊びも向き合っていければと思います。
今はオークランド空港のラウンジ。朝のシャンパン、ニュージーランド産のIPAビールを飲んでから、愛する日本へ帰ります。
           ノムラテツヤ拝
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42歳

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パンパカパーン。
有難いことに、明日12月13日で、野村哲也42歳の誕生日を迎えます。
ようやく本厄までやって参りました(笑)
今まで自分と御縁を繋いでもらい、どうも有難うございます。
誕生日は周囲の生命(いのち)に感謝する一日。
愛すべき人たちのお蔭で、楽しく生かさせて貰っています。
これからもどうぞ宜しくお願い致しますね。
そして大自然からも、洞窟に輝く無数の蒼い光をプレゼントしてもらいました。
地球をもっと大きく、もっと迫力をもって生涯遊び切ります!
本厄の今年も、過去最高の一年にします。
そのために、毎日、毎日、丁寧に積み重ねていかないと。
             ノムラテツヤ拝
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