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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

ラストキューバ

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カリブからハバナへ戻り、再び海辺からの撮影リベンジ。
夕日がビルの向こうに落ちてからが勝負だ。
雲が焼けて、そこにレトロな車たち。それらを10分の1秒で流して撮影する。赤いビートルで、ラストカット。憧れのキューバの旅が終わった。
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何をするにも、ひと手間、ふた手間がかかる国だったけれど、昔の旅を思い出しながら、幸せに浸った時間だった。
モヒート、葉巻、カリブの青、どれも素晴らしかったけれど、やはり最も印象に残ったのはキューバ人。彼らの笑顔や歌声、ノリノリの性格が僕を虜にした。
キューバを旅される方は、ぜひスペイン語をひとつでもふたつでも覚えていらして下さいね。英語は全く通じません。
さぁ、日本に戻って、すぐに今度はアジア最後の国へ。
2017年度中に、125ケ国目へ足を踏み入れます。
皆様、メリークリスマス。
どうぞ素敵な時間をお過ごしくださいね!
          ノムラテツヤ拝
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葉巻王国

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葉巻の歴史は、キューバの先住民タイノ族が吸っていた煙草から始まる。
キューバを植民地したスペイン人が自国へ持ち帰り、それが紳士のたしなみとなった。
友人から葉巻を頼まれていたので、シガーハウスへ。
さすが世界最強の葉巻国だけあって、王様のCohiba(コイーバ)から、ボリビアーノやモンテクリストなどが所狭しと並べられていた。
コイーバの葉巻の香りは、ラムレーズンのような力強い甘み。僕は煙草を吸わないので、分からなけれど、火をつけると、ガツンとスモーキーな香ばしさが迫ってくるという。
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タバコ葉の栽培に最も適した土地、それがキューバ。
現地民の吸う姿も、すこぶる格好良い。
         ノムラテツヤ拝
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水分

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赤ちゃんは70%、成人は60%、これは体内に含まれる水分の割合だ。
その水が寄せては返す波のように体内を動き、僕たちは生命を奇跡的に維持する。
そのバランスが少しでも欠ければ病となり、体調を崩す。
大切なのは、溜めずに流し続けること。地球が一日かけて一周廻るように、血液が滞らず流れ続けるように、入ったものを出して淀ばせないようにする。
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その透明感こそが、凛として生きる存在となっていく。
波を見て想うのは、いつも完璧な詩を奏でているということ。
地球に存在するすべてに賛歌を贈っている。
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だからかな、いつも海に足をつけた瞬間、涙が出そうになるのは。
体内の水と海水の境が消え、1つになる。僕たちが浮かんでいた羊水の記憶が、海へ入った瞬間知らず内に呼び起されているのかもしれない。
                 ノムラテツヤ拝
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老人と海

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実を言うと、文豪ヘミングウェイを一度も読んだことがなかった。折角キューバに行くんだからと、鞄に忍ばせたもの。それがノーベル文学賞にも繋がった「老人と海」だった。
古都トリニダードから、カリブ海へ向かい、パラソルの下で読み始めた。文庫にして130ページ、2万7000語の文章は、ぼぼ最初から最後まで一人称、自身の行動、そこから湧き上がる内面の心の軌跡だけが書かれていた。
はっきり言って、最初の60ページくらいは退屈だった。まさしくそれが緻密に計算されたプロットだと知ったのは、読み終えてからのこと。老人サンチャゴが海へ出て、3日3晩巨大なカジキと対峙し、最後はサメとの壮絶な戦い。それらが淡々と抑制の聞いた文体で語られていく。そして、前半部分の仕掛けが後半に次々と繋がり、衝撃のラストまで一気に疾走する。この最
後の言葉を書きたいがために、この本があったのでは?という見事な切れ味で締めくくられた。
ヘミングウェイの筆法を語る上で欠かせないものがある。
「氷山の理論」と呼ばれるそれは、ヘミングウェイ自らの言葉で説明される。
「もし書いている対象を十分に心得ているなら、知っていることを書かなくてもよい。もし作家が真実を込めて書いているなら、書かなかったことであっても、読者には書いたも同然に実感される。氷山は水面に出ている8分の1だけで堂々たる動きを見せている」
魂が打ち震えた。
そう、自分が20歳の時に感動した星野道夫の名著「アラスカ~光と風」には、死という言葉がまったく書かれずに、行間から死の匂いや掟が漂ってきた。
知っているからこそ、そこについての体験を書かずに、体験の先に出てきた普遍的な経験を淡々と記すことで、書いたも同然となるのだ。
23年間解けなかった疑問が、ヘミングウェイのお陰で融解した瞬間だった。
            ノムラテツヤ拝
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リアルキューバ

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古都トリニダードは、ポートレイトの宝庫。
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夕方になると、子供たちが石畳の路地で走り回り、じいちゃん、ばあちゃんも談笑しながら、ゆったりと過ごしていた。
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家の格子に女性がもたれかかり、一条の光が。まるでフェルメール作品のような光景が浮かび上がった。
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旅をするとき、実際来てみてイメージとは違いガッカリする、またはそのイメージに固執し過ぎていたことに恥じるときがある。でも、僕の思っていたキューバの心象風景は、まさにトリニダードだった。
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カラフルな街並みから細い路地へ入れば、雑多な世界が続き、まるで20年前の南米諸国が、鏡映しのように現れた。話しかけて撮らせてもらうと、老若男女、瞳はピカリと煌めき、笑顔が弾けた。
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夕方、地元民に誘われて展望台へ。緑の深いたおやかな山並みと、そこに続く一本道。懐かしさがこみ上げ、何故か泣きそうになった。
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ポクポクと夕闇に音が響きわたる。振り返ると、人も豚も仲良く荷台に乗っていた。
             ノムラテツヤ拝
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