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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

黄油蟹

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「今の時期だけ出回る幻の蟹はご存じですか?」
駐在員タイチくんの同僚の町田さんが聞いてきた。
「えっ、上海蟹くらいしか知りません。でも秋ですよね?」
「一年で最も熱い7月~8月だけに黄油蟹が出回るんです」
僕の大好物は、昔から変わらない。納豆、鰻、蟹だ。世界中で、様々な蟹を食べてきたが、そんな黄色い油の蟹なんて聞いたことがなかった。
「とても希少で現地でしか食べることが出来ないなので」
調べてみると、香港から1時間ほど北に行った流浮山で獲られるという。
真夏の熱さで浜も熱せられたフライパン状態。そこに卵を抱えた雌の蟹がやって来ると、あまりの熱さのために、卵自体が溶け始め、膨張し、体中から泡としてあふれ出す。その時を狙って漁師たちは捕獲し、それらを食べるというわけ。なので、黄油蟹の雄は食べず、卵を持つ雌だけが食卓に上がるのだ。
前もって、蟹の有名店で黄油蟹があるかを確認し、予約。一杯、12000円か1万6000円かどちらにすると言われ、1万2000円の方をお願いする。うぅぅ、そんな高いんだ・・・。
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15分後、蒸されて出てくると、美味そうな純白の湯気がたっていた。匂いは、ほのかな甘みが香る。味は、清流の藻のような青さ、肉の旨みが溢れ、最後にほんのりと苦みを感じた。
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足の先まで卵が詰まり、蟹味噌みたいにしっとりとマットな食感。油っぽさは無く、それらが旨みをコーティングしている。そう、まるでマニキュアみたいに。ずっと舐めていたい、無言でしゃぶり続けていたい圧倒的な味。冷えてからは、マットな肉が発酵した旨みを纏うように深みが増す。
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どこまで美味いんだ。この蟹は生涯忘れられない味になりそうだ。技ありの夏蟹。全身蟹卵の黄油蟹。香港の味はどこまでも奥深かった。
食べ終えた後の手の香りが最高。匂いよ、消えないで~
            ノムラテツヤ拝
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究極のゼリー

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折角香港に来たのであれば、お隣のマカオにも顔を出さないと。
1835年に火事で焼失した聖パウロ天主堂、唯一残った見事なファザードの前で、この港町の過去の栄華を想った。まるで清水寺の参道を思わせる細道を下ると、目の前に世界一のカジノ「グランド・リスボア」が聳えたつ。まさに巨大な黄金色のチューリップだ。
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それにしても、世界一人口が密集している地と形容されるマカオは伊達じゃない。人ごみに押され、クラクラしてきたところで尻尾を巻いて、香港へ戻った。
実を言うと、香港に来た最大の理由は、特別な亀ゼリーを食べること。中国南部の香港、広東省などで食べられる中国医学に基づいたデザートだが、15年前に上海で食べて以来、その味の虜になった。その本場では、通常の冷たいゼリーではなく、温かい生の亀ゼリーが店先で売られているというのだ。
土砂降りの中、香港屈指の亀屋「海天堂」へ入った。
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おばちゃんが、「亀か?」と言うので、もちろん亀、暖かいので、と注文。10秒後に出てきたのは、白い陶器に入れられた黒いゼリー。見た目はコーヒーゼリーとなんら変わらないが、うっすらと白い湯気がたちのぼっていた。
レンゲを入れると、プルンと弾力に跳ね返される。
さすが本場、さすが生。
味は、まるで漢方薬。それも超苦い漢方薬でゼリーが作られた感じ。亀の腹甲、土茯苓(ドブクリョウ)などの生薬で作るデザートだけのことはある。
僕は五味(甘味、酸味、塩味、苦味、旨味)の中で、最も好きなのが苦み。だからなのか、このあったか亀ゼリーが麻薬のように美味く感じる。そして体がもっと入れろ、もっと入れろと食欲を増進させる。
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亀ゼリーのメニューに効能も書かれていた。
デトックス、便秘、解熱、夏ばて、喉の痛み、痔、美顔効果。
ふふふ、体の内面も外面も、少しは綺麗になったかしら(笑)
              ノムラテツヤ拝
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超密集住宅

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1枚の写真は、断片しか伝えることが出来ない。
だからこそ、その地に自身が立ち、フレームの外側に何かあるのかを探る楽しみがある。
羽田から香港へ飛んだ。経由地として何度も利用しているが、降り立つのは初めて。まず向かったのが、映画「トランスフォーマー」の舞台にされ、一躍世界に知れ渡った超密集した住宅のビル群。
香港島太古駅近くの巨大なイオンモールに驚きながら、そのビルを目指した。少し曲線がかった大きな高層住宅。一つ一つにはエアコンの室外機が付けられ、ぽたぽたと水滴が落ちてくる。これが現地では香港水と呼ばれているらしい(笑)。
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セブンイレブンの脇から中へ入ると、ガラス張りの警備員室があり、そこを越えると衝撃の風景が真上に広がった。
「わぁぁ」。
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それ以上、言葉が繋がらない。
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三面に連なるカラフルな集合住宅と、近代的な高層ビルのコラボレーション。超広角レンズを付けて、一歩、一歩、それらが収まる場所を探した。
ここだ。
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一階には、床屋、マッサージ屋、金魚屋さんなどがたち並ぶ。フレームの外側に広がる世界は、庶民の香りがぷんぷんと漂った。
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小雨降る中、部屋の窓から下がる洗濯物と赤い傘。そこまでして乾かせたい大切な服なんだな、と一人でクックと笑ってしまった。
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さぁ、アジアの雄「香港」を歩きまわるぞ!
ノムラテツヤ拝
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