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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

黄油蟹の味

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僕の大好物は、昔から変わらない。
納豆、鰻、蟹だ。
世界中で、様々な蟹を食べてきたが、目の前にある黄油蟹は世界一のひとつだ。
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香港、それも北へ1時間行った流浮山周辺でしか取れない幻の蟹。真夏の浜は熱せられたフライパン状態。そこに卵を抱えた雌の蟹がやって来ると、あまりの熱さのために、卵自体が溶け始め、膨張し、体中から泡としてあふれ出す。その時を狙って漁師たちは捕獲し、それらを食べるというわけ。なので、黄油蟹の雄は食べず、卵を持つ雌だけが食卓に上がるのだ。
今年は時期もずれて、蟹の数も少ないと言われていたが、何としても食べたいと現地の友に頼んで、奇跡の6杯を揃えてもらった。20分後、蒸されて出てくると、美味そうな純白の湯気が立ち昇り、ほのかな甘みが含まれた。
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味はまず最初に清流の藻のような青さが押し寄せ、口内が肉の旨みで溢れ、最後にほんのりと苦みが続いた。
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爪の先まで卵が詰まり、蟹味噌みたいにしっとりとマットな食感。DSC02404.jpg

油っぽさは無く、それらが旨みをコーティングしている。そう、まるでマニキュアみたいに。ずっと舐めていたい、無言でしゃぶり続けたい圧倒的な味。冷えてからは、マットな肉が発酵した旨みを纏うように深みが増した。
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どこまで美味いんだ。技ありの香港夏蟹。全身蟹卵の黄油蟹。流浮山の蟹味は、無限の奥深さだった。
食べ終えた後の手の香りも最高。あぁ、匂いよ、消えないで~!
             ノムラテツヤ拝
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味蕾

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「若い時に美味しいものを腹いっぱい喰っとけ!」
僕が27歳の頃に聞いた敬愛する阪根ひろちゃんの言葉だ。その後、ペルー中の美味しいものをご馳走になったことは言うまでもない。
「若い内に美味しいものを食べ過ぎると不幸になるって言うヤツがいるだろ?そんなのは聞かなくて良いんだ。そういうヤツに限って本物を食べてないんだから。俺を見ろ、美味しいものを腹いっぱい食べた先にしか見えない世界があるんだ」
日々、食事と共に人生訓を聞かせてもらっていたあの頃が懐かしい。
ひろちゃんの言葉の理由は明快で単純だ。若人の味覚と、老人の味覚は、確実に後者の方が劣っていく。味蕾そのものが鈍く、退化していくという。
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「年取ってから美味いもの食べたって、今度は糖尿病だ、あらコレステロールだ、中性脂肪だって言って、気持ちよく食べられないしな」とよく笑っていたっけ。
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そして、ひろちゃんを見て学んだこと。それは前歯がどれだけ味覚に関係あるかということ。差し歯になると、一気に味わえなくなるというのだ。
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そんなわけで、僕はひろちゃんの言葉通り、若い時から美味しいものをお腹いっぱい食べることを心がけてきた。
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今回の香港旅も、流浮山で海鮮三昧。目の前のテーブルには4番バッターがずらりと並んだ。黄油蟹、マテ貝、
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小海老のから揚げ、
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伊勢海老、
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アワビ、
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空心菜、
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そしてハミュウ(蒼白魚)チャーハン・・・。
それらを、大好きな仲間たちと笑い合いながら味わい尽くす。
「大人って良いもんだね」と安藤さんが目を細め、それを聞いた加藤さんがニヤリ。こんなやりとりも含め、ほんと年を重ねるって素敵なこと。一瞬一瞬、一食一食、大切に日々を過ごしたいと願う。
              ノムラテツヤ拝
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香港へ

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自由とは、選択肢が多いこと、そして責任を自身で取れること。そう定義すると、子供から大人になる楽しみが見えてくる。年齢を重ねるに従い、「好きなときに、好きな場所で、好きなことをする」選択肢を増やせるのだ。
話はちょうど、1年前にさかのぼる。
名古屋の仲間、加藤さん、安藤さんと食事をしているとき、蟹の話になった。僕は香港で食べた黄油蟹のマットな味が忘れられないと言ったら、加藤さんが「良いなぁ、食べたいなぁ」とポツリ。
「それなら、来年の旬に出かけましょうよ」
黄油蟹は、香港界隈では世界一の蟹と謳われ、出回る時期もたった2週間と短い。
「もちろん、僕も行くから」と安藤さん。
サガリバナの咲く石垣島から羽田へ戻り、皆で香港へ飛んだ。
1年ぶりの香港は、100%の湿度に包まれていた。
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ホテルに荷を下ろし、まずは愛する海天堂で、温かな亀ゼリーを頂く。
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苦くて、味わい深く、しみじみと美味いなあ。
             ノムラテツヤ拝
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黄油蟹

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「今の時期だけ出回る幻の蟹はご存じですか?」
駐在員タイチくんの同僚の町田さんが聞いてきた。
「えっ、上海蟹くらいしか知りません。でも秋ですよね?」
「一年で最も熱い7月~8月だけに黄油蟹が出回るんです」
僕の大好物は、昔から変わらない。納豆、鰻、蟹だ。世界中で、様々な蟹を食べてきたが、そんな黄色い油の蟹なんて聞いたことがなかった。
「とても希少で現地でしか食べることが出来ないなので」
調べてみると、香港から1時間ほど北に行った流浮山で獲られるという。
真夏の熱さで浜も熱せられたフライパン状態。そこに卵を抱えた雌の蟹がやって来ると、あまりの熱さのために、卵自体が溶け始め、膨張し、体中から泡としてあふれ出す。その時を狙って漁師たちは捕獲し、それらを食べるというわけ。なので、黄油蟹の雄は食べず、卵を持つ雌だけが食卓に上がるのだ。
前もって、蟹の有名店で黄油蟹があるかを確認し、予約。一杯、12000円か1万6000円かどちらにすると言われ、1万2000円の方をお願いする。うぅぅ、そんな高いんだ・・・。
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15分後、蒸されて出てくると、美味そうな純白の湯気がたっていた。匂いは、ほのかな甘みが香る。味は、清流の藻のような青さ、肉の旨みが溢れ、最後にほんのりと苦みを感じた。
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足の先まで卵が詰まり、蟹味噌みたいにしっとりとマットな食感。油っぽさは無く、それらが旨みをコーティングしている。そう、まるでマニキュアみたいに。ずっと舐めていたい、無言でしゃぶり続けていたい圧倒的な味。冷えてからは、マットな肉が発酵した旨みを纏うように深みが増す。
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どこまで美味いんだ。この蟹は生涯忘れられない味になりそうだ。技ありの夏蟹。全身蟹卵の黄油蟹。香港の味はどこまでも奥深かった。
食べ終えた後の手の香りが最高。匂いよ、消えないで~
            ノムラテツヤ拝
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究極のゼリー

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折角香港に来たのであれば、お隣のマカオにも顔を出さないと。
1835年に火事で焼失した聖パウロ天主堂、唯一残った見事なファザードの前で、この港町の過去の栄華を想った。まるで清水寺の参道を思わせる細道を下ると、目の前に世界一のカジノ「グランド・リスボア」が聳えたつ。まさに巨大な黄金色のチューリップだ。
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それにしても、世界一人口が密集している地と形容されるマカオは伊達じゃない。人ごみに押され、クラクラしてきたところで尻尾を巻いて、香港へ戻った。
実を言うと、香港に来た最大の理由は、特別な亀ゼリーを食べること。中国南部の香港、広東省などで食べられる中国医学に基づいたデザートだが、15年前に上海で食べて以来、その味の虜になった。その本場では、通常の冷たいゼリーではなく、温かい生の亀ゼリーが店先で売られているというのだ。
土砂降りの中、香港屈指の亀屋「海天堂」へ入った。
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おばちゃんが、「亀か?」と言うので、もちろん亀、暖かいので、と注文。10秒後に出てきたのは、白い陶器に入れられた黒いゼリー。見た目はコーヒーゼリーとなんら変わらないが、うっすらと白い湯気がたちのぼっていた。
レンゲを入れると、プルンと弾力に跳ね返される。
さすが本場、さすが生。
味は、まるで漢方薬。それも超苦い漢方薬でゼリーが作られた感じ。亀の腹甲、土茯苓(ドブクリョウ)などの生薬で作るデザートだけのことはある。
僕は五味(甘味、酸味、塩味、苦味、旨味)の中で、最も好きなのが苦み。だからなのか、このあったか亀ゼリーが麻薬のように美味く感じる。そして体がもっと入れろ、もっと入れろと食欲を増進させる。
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亀ゼリーのメニューに効能も書かれていた。
デトックス、便秘、解熱、夏ばて、喉の痛み、痔、美顔効果。
ふふふ、体の内面も外面も、少しは綺麗になったかしら(笑)
              ノムラテツヤ拝
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