写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

伝説の旅

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伝説の旅だった。
どうして3人で出かけることになったのか、実はあまり覚えていない。
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でも、僕とひろちゃん、そして敏腕編集長のEさんで、ただひたすらペルーの広大な砂漠を走った。
ひろちゃんが思うままに砂漠を奥へ奥へ走らせると、突然目の前にエメラルドグリーン色の湾が現れた。砂漠と海のコントラストに、僕たちはしばし呆然とし、掘立小屋が並ぶ湾内に近づいていった。
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湾では、今帰ってきたばかりの漁師が、マテ貝をどっさり運んでいた。
「これ、いくら?」
聞いてみると、結構な値段。そうこの頃から少しずつマテ貝はペルー国内でも高級になっていった。現在は、もうこの時の3倍の値段だ。
「てっちゃん、マテ貝のセビーチェって食ったことあるか?」
「ないない」
「オレ、一回だけ食ったことあるんだけれど、めっちゃ美味かったんだよな」
セビーチェとは、ペルーの代表料理で、レモンのマリネのようなもの。
白身の魚が基本だが、ウニ、コンチャネグラ(貝)、カニ、エビなんて悶絶するような逸品まである。
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さっきの漁師たちと交渉して、500グラムほど分けてもらう。振り返ると、ひろちゃんが水揚げを手伝っている女性にお金を渡していた。
キョトンとする僕を見て、「近くの村までレモンと玉ねぎとビールを買いに行かせた」。
20分くらいで女性は戻り、ビールが10本以上並んだ。
そこからが凄い。
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女性たちにセビーチェを作ってもらっている間に、ひろちゃんが、周りの漁師たちを呼び大宴会。みんなビールが入って陽気になると、さっきまで仕事人モードだった漁師たちが、「おい、これも食え」って、マテ貝をどんどん差し入れてくれる。軽く5キロはあっただろう。
青い空、黄金色の砂漠、乾いた空気に、鮮烈な潮風が混じった。
「今まで食べたセビーチェで一番は?」と誰かに聞かれたら、僕は間違いなくこの時のマテ貝セビーチェと答える。それは味もさることながら、あの時の雰囲気が最高のスパイスになっているから。
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その後、砂漠を抜けてナスカへ。
管理局に許可を貰って、翌朝ナスカの地上絵の中へ。キツネの遠吠えを横に、闇の中をどんどん入っていく。
やがて有名な地上絵「宇宙人」の前に。
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歩くことで、全身で感じる事で、僕はナスカの地上絵がどうして描かれたのかを理解した。
ナスカの地上絵(ナスカライン)は、一筆書き。それらは、大いなる神への祈り道であり、氣を通すためのエネルギーの管でもあった。
もう一度、あんな旅がしたいな。
果てしなく自由で、圧倒的な面白さ。そして現地民たちの優しさと穏やかさに包まれて。
                  ノムラテツヤ拝
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としさん

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また一人、この世から巨大な星が逝った。
小西利郎さん、通称としさん。
阪根ひろちゃんの親友であり、世界的な有名シェフでもあった。
今朝、阪根ひろちゃんから一通のLINEメールが。
「先程トシは旅立ちました」
詳しくは書かないが、病気のために命は短いことを、ひろちゃんから聞いていた。
「天界に逝かれるのですね。無事を祈ります。とても悲しいです」
「あいつの事だから、未だここら辺で、うろうろしていると思う」
「ですね、あれっ、お前らどうしたんだよ?って」
「そんなとこだね、早くもここの新聞記事に載っています。盛大な葬儀になりそうです」
「葬儀は明日ですか? としさんは、僕に人間のデカさ、一本筋の通った男の行き方を教えてくれました。そして愛の奥深さも。あー、涙が止まりません」
「月曜日から水曜日まで会館でお別れ会です。なかなか終わりませんよ」
「としさんも寄り添う葬儀。としさんの派手な人生のように、尺玉花火のような盛大さになるのでしょうね」
「ハデな性格なのでね。ハデー小西は」
性格が派手なとしさんはハデー小西、地味なひろちゃんはジミー阪根という別名を持っている。
「ハデー小西の葬儀、駆けつけたいな、一緒にとしさんを送りたいです」
「無理せず、日本で見送ってやって下さい。そしてお世話になったYさんにお礼を言って報告をお願いします」
「Yさんに伝えました。ご冥福をお祈りしますとのことでした」
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はぁ、涙がとめどなく溢れ、止まらない。
人間は生まれてくる代わりに、死を引き受けなければならない。当事者も周りの人たちも。
そんなことは頭では分かっている。そして何度もそれらを反芻してみる。
でも、でも、やっぱり大好きな人が、もうこの世にいないと思うと、嗚咽するように涙が噴出する。
としさん、あなたのような大きな人は、なかなか世に出てこないと思います。としさん、ひろちゃんのように大きな人になる理由も教えて下さって有難うございます。としさんと同じく大きな先輩方が、としさんを、ひろちゃんを若い時から沢山可愛がってくれたのですよね。
どうせ生きるなら今を全力投球。時に刹那的、時に生き急いでいるようにも見えました。でもとしさんは、きっと自分の持ち時間を知っていたのでしょうね。
としさん、明日からあなたの葬儀が始まり、ペルー国内、世界各国から友人知人たち、多くの著名人たちが参列されるのでしょう。
皆から愛される稀有なキャラクター、底知れぬ胆力、誰にも負けない頭脳明晰さ、そして一流の料理人だけが持ち得る特級の腕。そしてそんなとしさんだからこそ、ペルーを訪れる若者たちを愛し、沢山の愛を分け与えてくれました。
みんな、としさんを尊敬し、心の底から敬愛していました。
悲しいです。やっぱり、泣き叫びたいほど悲しいです。
これから、大阪のヨドバシカメラでセミナーですが、自分に出来るかな?
あっ、でもそんなこと言ったら、としさん怒りますね。
「自分に与えられた仕事を、それが最後だと想って、命を賭けてやり切れ!」
そう、いつも叱咤激励してくれましたものね。
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としさん、あなたから貰った沢山の深い愛、爆発的な笑い、人生の貫き方を大切にして頑張ります。
空を見上げていないと、涙がこぼれて困ります。
                     ノムラテツヤ拝
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