エロティック・ギャラリー2009-03-06 Fri 03:47
![]() 今から46億年前、ビックバンによって地球は誕生した。 38億年前に最初の生命が誕生し、それから28億年前まで生物の性は単一で、全てはメスだった。分かりやすく言えば、人間の歴史の中で、3分の2はメスの時代だったのだ。 メスだけで、どうやって子孫繁栄をするのか? その答えは両性具有によるものだった。人間の歴史のたった3分の1だけ、オスは生きているのだ。 旧約聖書にこうある。 「ついに これこそ わたしの骨の骨 わたしの肉の肉 これをこそ、女(イシャー)と呼ぼう まさに、男(イシュ)から取られたものだから。(創世記2:21‐23)」 が、本来は、女が男を作り上げたのだ。女性の方が3倍も長く生きているのだから。 常々、なぜトラブルや人生の転機になると、女性はどっしり構えているのだろう?と思っていた。 そしてなぜ、男性の方が世界中どこでも、寿命が短いのだろう?と。 今、その答えが、分子生物学や遺伝子工学でどんどん明らかになっている。ようは、簡単に言ってしまえば、やはり男性は精神的にも肉体的にも女性よりも弱いのだ。 それを自分の体で認めてしまうと、どうだろう、この爽快感は。 「男は人前で泣くものじゃない、男だったら、男らしさとは、武士道とは・・・・」 こんなものは、はなから、いらないのだ。 女性の方が強くて、男性は脆いものだから、男性は夢に向かって、ロマンを追う。 そんな事を考えながら、僕は一つの疑問を抱いた。 両性具有で良かった女性だけの世界が、どうして男性も存在させることになったのか? 今は男性と女性がいなければ、子供は出来ない時代に突入しているのだ。 「性教育」という難しい分野がある。 小学生の頃、体育館に高学年が集められ、女性だけがその後も残された時、僕は女性徒が羨ましかった。僕たち男には知られてはならぬ“秘密の授業”が開催されていると思ったのだ。 今から思えば、それは生理や避妊、セックスのことだったのだと推測できるが、無知で無垢(笑)な僕には、好奇心の炎が燃え盛るだけだった。 中学や高校時代の、体育の保健授業(性教育)もぎこちなかった。普段は威勢の良い体育教師が、急に小さな声で、ペニスやら女性器などと話すのだから。 僕は、どうしても女性の体を知りたかった。たぶん殆どの男子生徒はそうだったと思う。 あのときに、家の近くの産婦人科に恥ずかしながらも突撃しに行った自分を、今でも誇りに思う。 名をK産婦人科としようか? モジモジしながら、玄関の自動扉をあけ、受付のお姉さんに言った。 「どうしても、あの、あの、院長先生に逢いたいんですけれど」 どうしてかは、分らない。でもお姉さんは何も言わずに、院長先生のところへ僕を連れていってくれた。 「どうしても女性の体の事を知りたいです。どうして子どもが生まれるのか、どこからどうやって生まれるのか?」 その問いに院長先生は、丁寧に答えてくれた。 あの時に確信したことがある。 性教育とは、教える側に恥ずかしさがあると、受けるほうもその恥ずかしさが伝染するということを。院長先生は、セックスのこと、出産のこと、避妊のこと、などを模型を使って分かりやすく伝えてくれた。女性の基礎体温、つまり“おぎの式”のグラフも、僕はその時初めて知った。 女性って凄い。こんなメカニズム、誰が作ったんだろ? おぼろげに、そんな事を想ったのを、今も昨日のことのように覚えている。 世界がメスだけだった、女性だけだった時代のことは、また別の機会に書くとして、やはり性教育って大切なんだと思う。避妊とかは特に。何も知らずにセックスして、子どもが出来てしまう。そこに良い、悪いの判断は出来ないのだろう。けれど、知っていて出来るのと、知らなくて出来るのでは、何か違うような気がする。男性と女性が重なり合い、男性器のペニスを女性器ヴァキナに入れて、ピストン運動させることで、精子が出る。精子は膣の中を泳ぎ、我先にと卵巣へ到達する。それが1か月の間の運命の5日間の出来事なら、運が良ければ受精し、子どもが出来る。 野村家では、「親の仲が良いと子どもが生まれるんだよ」と教わった。 でもそのお陰で、僕は子供のいない家庭は、みんな仲が悪いと思いこんでしまっていた。 「仲の良い、悪いは関係ない。そういう行為をした結果、子どもは生まれる可能性が出てくるのだよ」 子どもたちに聞かれたら、こう伝えるようにしている。 ちょうど産婦人科の院長先生が教えてくれたように。 アンデス考古学を見渡した時、僕は以前から疑問に感じていたことがある。 なぜ、性の営みの土器や織物などが無いのだろう? とても神聖で、大切な行為なはずなのに。 アンデス文明では、一般の人と違った形状、病気の人の土器がよく出てくる。日本では一般的に障害者と呼ばれる人たちだ。しかし、アンデス文明はその人たちを神のごとく扱った。自分たちと違うんだから、きっと神の使者、または神に違いないと・・・・・。 そんな高度な心を持った人たちが、どうして性生活を残さなかったのか? 埋葬する土器から、普段使う土器、奉納する土器、いろいろな形態があったはずなのに。 機が熟したのか、その土器たちが、ついに僕の眼の前に現れる時がやって来たのだ。 ペルー北部に起こったモーチェ文化は、写実的だった。 あるものを克明に何のデフォルメもせずに、そのまま正確に細かく描く。 闘うことも、食べることも、寝ることも、セックスすることも。 性生活の土器ばかり集めた博物館が、ペルーの首都・リマのプエブロリブレの一角にあるというのだ。リマのミラフローレス地区からタクシーに乗り、その博物館に横づけした。 「ラルコ博物館」がそれだった。 入口の大きなゲートが開けられると、中庭には、まぶしいほどの芝生が敷き詰められていた。 建物の色は白で統一され、ピンクや赤、黄色のハイビスカスが壁いっぱいに咲き誇っていた。足もとのプルメリアを見ながら、入口で入場料を払う。なんと1000円もする。 まずは3000年前のチャビン時代からの土器が並び、どんどん歴史が新しくなる。シパンで見たような黄金や銀のネックレスなども陳列していた。が、肝心の性なる土器はどこに? 館内の人に聞いてみると、2階ではなく1階だと教えてくれる。 スロープ状の坂を下りて、1階にゆくと、最初のインパクトが凄い。 入口に大きな文字で「エロティック・ギャラリー」と書かれているのだ。 ![]() 中に入って、左手の土器からまず圧巻だった。男性の土器なのだけれど、男根のペニスが異様に発達し、体の半分くらいあるのだ。そそりたつとはまさにこんな感じだろう。 ![]() そして次は動物たちの交尾の土器、猿が向かい合って重なる姿、鹿が正常位(対面男性上位・英語ではmissionary position)でする姿があり、この時代の人たちの見ていたものが浮かび上がってくる。 ![]() そして僕は次の土器に、目を奪われてしまった。 布団をかぶって男性と女性がしているのだけれど、この時代からもう膣ではなく肛門に男根を挿入していたのだ。 ![]() そして一番見たかったコーナーへ。 モーチェ文化では骸骨同士が、骸骨と生身の人間がセックスしている土器があるという。 まずは両脇を女性骸骨に囲まれ、ペニスを触られて微笑んでいる男性骸骨の土器。 ![]() そして、完全に黄泉の国に行ったであろう骸骨が自分の男根を、大切そうに持っているもの。 ![]() そこには生と死の境はなく、その間の交流も盛んだったのか? と考えずにはいられなかった。 そして極めつけが、ペニスの裏に神様なのか、人なのか、顔が浮き上がっている土器。 ![]() 全てのものが生き物で、全てに尊い“いのち”がある。まさに僕には男根の神様に思えた。 その脇には、これまた写実的な女性器の土器が。匂いたつような存在感を放っていた。 ![]() 女性が男性のモノと口に含む行為や、性病に苦しむ男性土器など、怒涛のように続く。 ![]() ![]() そしてラストの方で、僕は1個の土器に惚れることになる。 カップルの土器なのだけれど、二人ともとても朗らか、性に感謝し、性を楽しんでいるような土器なのだ。上から横から、後ろから、様々な角度から観察したけれど、僕はやはり下から見上げた感じが一番素敵な感じがした。 アンデスのモーチェの時代、今から1500年~2000年前の性生活が、土器として残っているこの希少性に、僕は感謝して、手を合わせた。 『隠されているものは見たい、知りたい、感じたい』 これは、どの時代にも共通する、人間の本性なのだろう。 ノムラテツヤ拝 ![]() ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタンをクリックお願い致します! ↓ ココをクリック! ![]() |
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