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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

虹の約束

朝の風景(c)

今日は朝から午後まで、ずっとパタゴニア・エッセー本の原稿を書いていた。
この一年半の間で、感じたこと、教えてもらったこと、出逢い、別れなどを織り交ぜて、一枚の布を織るように、少しずつ書かせて貰っている。
そうそう、今朝、Mさんの夢を見た。それも僕がまだ大学生で、Mさんから特訓を受けている夢だった。目覚めると、涙が溢れ、枕を鼻水で濡らした。
外に目をやると、空に浮かぶ雲が、少しずつ赤くなりかけていた。ベットから出ると、冷気が体温を奪う。季節は秋、もうすっかり寒い。窓から雲を眺めた瞬間、僕は慌てて、服を着替えて三脚とカメラ片手にいつもの撮影ポイントへ走った。雲が綺麗に色づいていたのだ。
きっとMさんが「綺麗だぞぉ~」って起こしてくれたに違いない。
三脚にカメラをセットして、撮影を始めた。オソルノはてっぺんだけ姿を見せて、あとは雲に覆われている。上空の雲が、みるみるピンク色に染まり、オソルノ山頂にも初光が当たった。
山頂(c)

雲が東から西へ流れ、オソルノの中腹も、モルゲンロートに焼けた。
「有難うございます。いつも最高の光景を撮らせてもらい感謝しています」
雲が流れる(c)

数分後、雲は、またオソルノ山を覆い見えなくなった。
『自然はいつも見つめている』。あるとき、友人のハインがそう教えてくれたっけ。あとパタゴニアに伝わる虹の出し方の話も。
『美しい、綺麗、有難う』。
頭をからっぽにして、自然に対し深く感謝を込めて呟くと、かなりの確率で虹が出てくれると。虹も雲も、山も海も、人間までも、全ては同じなのかもしれない。
美しい、綺麗、有難う。感謝を込めて願えば、想えば、祈れば、伝えれば、最高の現実がやって来るのかもしれない。僕たちは虹の約束によって、絶えず守られ、期待されているのだから。
「文章の先生」をブログに書いたら、友人からこんな返信が送られてきた。

ご友人の突然の訃報、心中お察しいたします。
この間見せて頂いた本に出ていた、ネパールの女の子の話・・・
「大丈夫、心配要らない・・・」
Mさんは次元の違う世界に逝っただけで、これから逝く予定の私達もいずれその世界へ行くので、また会えますよ。その時に怒られないように、しっかり学んだ事を生かしていってくださいね。
ご友人の声も話も、あなた方の中でずっと生き続けるのですから。日本から遠く離れた森の中で、その人の気を感じた事でしょう。
その人もあなた方に会いたかったのでしょうね。そして旅立っていったんでしょう。

今朝、Mさんは天界へ旅立たれたのかもしれない。
ここに書かれていた「本」とは、友人の山元加津子姫の新刊「宇宙は今日も私を愛してくれる」に書かれていたネパールのギータちゃんのこと。
「心配いらない。みんなが繋がっているんだから」
ギータちゃんの言葉を想うと、心がホンワリした。
デッキに出ると、そよ風が吹いてきた。
僕は身を任せ、その中に含まれる風の言葉に耳を澄ませた。
                                    ノムラテツヤ拝
朝日終わり(c)
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テーマ:自然の写真 - ジャンル:写真

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