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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

祝福の雲

森に落ちている木々で遊んでみる。
「ムンクの叫び・・・・・」。なんちゃって。
ムンクの叫び(c)

ポインセノットキャンプ場には、冬と違い、何組かのキャンパーがいた。静寂の雪中キャンプも趣があるけれど、人影の濃い秋のキャンプ場もまた美しかった。
斜光に輝く紅葉を撮影しに出かける。南極ブナが深紅に紅葉し、天然のリースのよう。
紅葉のリース(c)

空気は少し苦くて、鮮烈。僕はいつもこの空気感に心を打たれてしまう。そして全力で深呼吸してしまう。日常の中で全力で深呼吸することなんて、一体どれくらいあるのだろう?
1年半のパタゴニア滞在で、僕はその大切さを身をもって知った。『体と心、そして魂は、常に深呼吸を求めている』ということを。
森の入口に、今にも倒れそうな巨木があった。根は土からむき出し、まるでウニの棘のようにさえ見える。が、葉を見ると、健やかそのもの。綺麗にバランスよく紅葉していた。僕は樹木の生命力に驚き、そして自分の生命を委ねる強さを知った。
樹の生命力(c)

フィッツロイを見上げると、何と頂きから雲が湧きあがっている。最初は非対称だったけれど、どんどん対称に。フィッツロイからハート型の雲が作られる瞬間だった。
僕は慌てて超広角レンズにかえて、ハートになってゆく一部始終を撮らせてもらう。まるでフィッツロイがこの十数年間通ったことを祝福してくれているような雲だった。
ハート型の雲(c)

「フィッツのハートは大きいわ」横でアキコさんが呟いた。
ほんと、空一面に広がるおっきなおっきなハートだった。
フィッツロイの向こうに陽が落ち、夕闇が夜を連れてくると、僕はしばらく立ち尽くす。この時間帯の色が、無性に好きなのだ。
日の入り後(c)

太陽が光り輝く時は、世界は七色に輝いている。その時に網膜に届く波長を僕たちが感知しているだけで、光そのものはプリズム。七色の時間だった。
対して薄闇の中の色はどうだろう。色そのものが発光しているように見えるのは、僕だけだろうか?
深く、そして恐ろしいほど濃い。
日の入り後2(c)

本来の自然の色が、そこに留まっているような気がした。
太陽は七色。
月夜はモノトーン。
そして薄闇は発光色。
それは僕にとって、新たな発見だった。
                                    ノムラテツヤ拝
日の入り後3(c)
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テーマ:自然の写真 - ジャンル:写真

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