ソウルフード2009-04-27 Mon 05:00
岐阜羽島駅。
新幹線を降りるとホームにおとうとおかあが待っていてくれた。 「お帰り」 「ただいま」 荷物を少し持ってもらい、おとうの車に積んだ。 長旅から帰ってきたとき、移住して戻ってきたとき、僕は真っ先に行く場所がある。 「いつものところで良いか?」 「うん」 羽島から北上し、岐阜駅の西側を通り、柳ヶ瀬へ。 駐車場へ入れて、暖簾をくぐった。暖簾には「山本屋」の文字が。そう、東海地方のソールフード、日本の至宝「味噌煮込みうどん」屋の老舗だ。 ![]() 幼い頃から、この味に慣れてしまっているので、このみそ味をどうしても求めてしまう自分がいる。 旅が長ければ、長いほど、味噌煮込みの味は鮮烈だった。 「いらっしゃいませ」 中から威勢の良い声があがる。座敷にあがり、いつもの一半鍋を頼む。 まず出てくるのが、適温のおしぼりと、漬物、それと紺色の前掛けだ。 漬物を醤油と一味で味付けし、食べる。 チリにはない味に、しびれてしまう。 そして味噌煮込みが出てくると、前掛けをして、蓋をあける。中央に卵がおとされているので、それらを混ぜて溶く。一味をふりかけて準備完了。 蓋を皿代りにして、うどんを入れる。 味が美味しいのは勿論、その深い味噌味は、いつも僕に想いを喚起させる。 「帰国した」 そのホッとするような、寂しいような気持ちが、味噌煮込みを味わうと共に湧き上がってくるのだ。 味で帰国を感じる。香りで故郷を想う。 誰もに、そんな食べ物が用意されているのかもしれない。 僕にとっては、それは味噌煮込みだった。 ノムラテツヤ拝 ![]() ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタンをクリックお願い致します! ↓ ココをクリック! ![]() |
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