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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

ソウルフード

岐阜羽島駅。
新幹線を降りるとホームにおとうとおかあが待っていてくれた。
「お帰り」
「ただいま」
荷物を少し持ってもらい、おとうの車に積んだ。
長旅から帰ってきたとき、移住して戻ってきたとき、僕は真っ先に行く場所がある。
「いつものところで良いか?」
「うん」
羽島から北上し、岐阜駅の西側を通り、柳ヶ瀬へ。
駐車場へ入れて、暖簾をくぐった。暖簾には「山本屋」の文字が。そう、東海地方のソールフード、日本の至宝「味噌煮込みうどん」屋の老舗だ。
山本屋(c)

幼い頃から、この味に慣れてしまっているので、このみそ味をどうしても求めてしまう自分がいる。
旅が長ければ、長いほど、味噌煮込みの味は鮮烈だった。
「いらっしゃいませ」
中から威勢の良い声があがる。座敷にあがり、いつもの一半鍋を頼む。
まず出てくるのが、適温のおしぼりと、漬物、それと紺色の前掛けだ。
漬物を醤油と一味で味付けし、食べる。
チリにはない味に、しびれてしまう。
そして味噌煮込みが出てくると、前掛けをして、蓋をあける。中央に卵がおとされているので、それらを混ぜて溶く。一味をふりかけて準備完了。
蓋を皿代りにして、うどんを入れる。
味が美味しいのは勿論、その深い味噌味は、いつも僕に想いを喚起させる。
「帰国した」
そのホッとするような、寂しいような気持ちが、味噌煮込みを味わうと共に湧き上がってくるのだ。
味で帰国を感じる。香りで故郷を想う。
誰もに、そんな食べ物が用意されているのかもしれない。
僕にとっては、それは味噌煮込みだった。
                                 ノムラテツヤ拝
味噌煮込み(c)
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テーマ:食べ物の写真 - ジャンル:写真

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