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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

散歩道

実家周辺(c)

夜12時就寝、朝4時起床。
南米から帰国した初日はいつもこんな感じで始まる。溜まった郵便物を整理し、久々の新聞に一通り目を通した。
空は、雲が薄いながらも確実に染まり、朝焼けの時間。里山の頂付近から太陽が顔を出すと、僕は玄関を開けた。
時差ボケ。
南米から帰ると、体を今の時間帯に戻さねばならない。一番確実で手っ取り早いのが朝日を浴びること。そして歩くこと。
僕は、実家近くの田んぼの中を、テクテクと散歩した。あぜにはスミレの花が咲き、用水の水が勢いよく流れてゆく。目をつむると、柔らかな絹のような朝日が、肌のじんわりと当たり、体中を包み込んでくれた。
散歩道(c)

この道を、愛犬チャコがいたときは、何回歩いただろう。出来の良い犬だったので、首輪をはずして、朝と夕、好きに散歩させた。休耕田からは、あの時と同じようりにケリがけたたましい声をたてて鳴いている。チャコは一度彼らたちの巣へ近づきすぎて、上空から頭を突かれていたっけ。
そんな昔の光景を思い出していると、田んぼ脇に枯れたオナモミを発見。ぼくたちはこれら服にひっつくもの全般を“へっつきぼぼ”と呼んだ。
オナモミ(c)

桜のシーズンが終わり、山々は新緑に覆われていた。
目を見張るのが、この濃淡だ。
淡い緑から、濃緑まで、多様に色が混ざり合い、まるで緑のスープのよう。
新緑(c)

風が僕の背中を押してくる。
「戻ってきたよ」と声をかけると、今度は前から、横からと吹いてくる。
僕を育ててくれた、故郷の風に身を任せた。
パステルカラーの大きな空、日本昔話に出てくるような里山、小さな団地、そして田圃故郷には、それらがあった。
ぐるりと一時間ほど歩き、最後は氏神さまへ祈りにゆく。
鎮守の森の中の諏訪神社。
ここで子供の頃、秘密基地を作ったり、ゴルフのドライバーを作るため、木々の根っこを掘ってきたっけ。神社の境内へ入り、社に手を合わせた。
「いつも見守ってくれて、有難うございます。貴社のますますのご発展をお祈り申し上げます」
神社は希望を言うところではないと思う。今まで生かさせてもらった感謝と、社の発展を祈る場所なのだろう。僕は頭を下げ、諏訪神社を後にした。
お昼は、旬の料理をおかあが作っているらしい。
新緑で旬と言えば・・・・、やっぱりアレかな?
                               ノムラテツヤ拝
氏神さま(c)
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テーマ:スナップ写真 - ジャンル:写真

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