皇居マラソン2009-05-01 Fri 08:13
![]() 千駄ヶ谷駅で下りて、今日も出版社で打ち合わせ。 パタゴニアのエッセーと写真絵本を作るので、それらの写真を編集者に見てもらった。 夕方、良い感じで打ち合わせは終わり、池袋から田園都市線であざみ野、地下鉄に乗り換えて中川駅で降りた。 ここに僕の大好きなAさん家族が住んでいる。天才木工職人のAさんとは、大分長いお付き合いをさせてもらっている。最初に出逢ったのは、もう10年くらい前になるだろうか? その時に書いた文章があるので、下記に記す。 1999年11月20日に記す 題名 「ノアの箱船」 「僕は伝統の箱船を作りたいんだよ、それも東京の皇居にね。天皇さまには情緒ある京都御所へ戻っていただいて」 横浜に住む巨星、A木工代表の爆弾発言におののいた。 『伝統のノアの箱船』。 僕はそんな夢の世界が出来ることを深く願っている。 今、日本の伝統工芸が瀕死の状態にある。どれだけ丁寧に作っても、売れない、儲からないため、継承する若者が減少している。 そこで考えられたのは「皇居を貸して頂いて、そこに伝統を学ぶ貧乏若者を集結させること。勿論一級の腕を持っていることが条件だけれど。作る物が違えど、伝統の世界に生きる人は全て一貫している。マゴコロを込めて丁寧に、使う人の立場を考えて仕上げていること。そんな伝統と伝統を皇居の日常で出逢わせ、互いに切磋琢磨させることにより新たな伝統を作り上げてゆく」僕はAさんから、こんな構想を聞かせてもらった。 「僕は繋げる役だからね」 風のようにさらりと言ってのける瞳には、希望の炎が燃えていた。(終) Aさんは現在66歳、奥さまのMさんはジャスト40歳。 そのお二人に、この度めでたく子供が出来た。同性としては、ひたすら、Aさんやるなぁ~と唸るしかなかった。「一人じゃやっぱり可哀そうだから、何人か作らなきゃな」との更なる言葉も。 Aさんの顔色は以前よりも良く、瞳もランランしている。やっぱり子供を授かるということは、何か見えないエネルギーが注がれるのだろうか? お二人を心から祝福させてもらい、何よりもこの夫婦を選んだ、これから生まれてくる生命に手を合わさずにはいられなかった。 Aさんと今は亡き奥様Fさんの間に生まれた長女Rさん、二女Nちゃんにはそれぞれ2人の子供たちがいる。A家にその夜は全員集合し、夜中まで酒盛りが続いた。 ![]() 翌朝5時起床。6時出発、7時前に皇居前に到着。 A木工会社は、毎年昭和天皇誕生日の4月29日と、平成天皇誕生日の12月23日に皇居の外周を社員全員でマラソンする。社員といっても、木工職人の金の卵たち。年齢は10代、20代が殆どだった。僕は旗を持って沿道で応援していれば良いかな?と軽い気持ちで考えていたけれど、いざ皇居前でみんなのやる気まんまんの顔を見ていたら、急に走りたくなった。 よーいどんっ。 皇居の外周はジャスト5キロ。 楽勝だと思っていた。それも、もしもA木工会社でトップになってしまったらどうしようなんて淡い妄想もあった。社員の中に中学部駅伝日本一がいるとも知らずに・・・・・。 最初の数百メートルは先頭集団に食いついたものの、すぐに脱落。 後ろから何人にも抜かれてしまう。 そう、あまりの速さに、僕は完全に自分のペースを失い、バテていた。走りながら呼吸を整えていると、後ろからまた社員が一人抜いてゆく。 「ここで、半分くらいかな?」 「う~ん、まだだと思います」 げぇ、5キロってこんなに長かったっけ? 僕の記憶は高校生のままだったことに気付いた。マラソン大会とかで5キロ走を走り、結構良いタイムでゴールをきったあの時期を。でも、現実は登山や散歩だけしかしていない体。体が軋み、泣いた。歯を食いしばって、何とか完走したときには、倒れそうだった。 やはり急に慣れない運動をするのは良くないなと自己確認し、用意してくれていた豚汁を啜っているとAさんがゴール。一度も歩くことなく完走された。 ![]() その後、A木工恒例の新人自己紹介をしてもらい、僕も初めて逢う彼らに挨拶させてもらう。これから4年間A木工できっちり技術を磨き、日本を背負う職人になってゆくのだろう。 その後、二女のNちゃん、旦那さんのKちゃん、息子のKIくんとKOくんと一緒に東京駅へ送ってもらう。ハグしてから手を振って別れ、構内を歩くと、何やら体に違和感が。足が痛いのだ。普段使わない筋肉を使ったからか、足がイタイ。 でも、走ってすぐに筋肉痛になるってことは、まだまだ若いって思って良いのかしら(笑) 僕は、足を少し引きずりながら、八重洲南口へ向かった。 ノムラテツヤ拝 PS,写真は全て二女の旦那さまKちゃんが撮影してくれました。有難うございます! ![]() ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタンをクリックお願い致します! ↓ ココをクリック! ![]() |
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