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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

奥飛騨

錫杖岳(c)

ロッククライマーたちの聖地「錫杖岳」が、僕を見降ろしていた。
奥飛騨の新穂高は新緑に包まれ、空気も少し甘かった。
新緑に桜、ヤマザクラが一斉に花咲き、芽吹き、バックに岐阜県最高峰(県境の山は除く)の笠ヶ岳(2897m)が聳えていた。
笠ヶ岳(c)

「美しい~」
チリの大自然を見慣れていた目にも、この淡い世界が特異に映る。これが日本の自然の奥深さなんだな、としみじみ痛感させられた。
山の中を散歩すると、タラの大木が。空高く、木の先端にタラの芽が見えた。
タラの芽(c)
心ない山菜取りの人だと、木ごと折ってしまう人もいるけれど、自分はタラの棘を触らぬように、少しずつウコギ科の木々をしならせ、曲げて引き寄せた。
「僕にあなたの生命を下さい」
手を包み込むようにして、しばらく触っていると、タラの芽のほうから掌へ落ちてくる。
これで、タラの芽のエネルギーが損なわれることなく、封じ込められた。
タラの芽収穫(c)

それにしてもさすが奥飛騨。タラの芽自体がなんとも立派だこと。
ここらへんにタラがあるということは・・・・・同じ生息地のコンテツ(コシアブラ)を見つけるまでに、そんなに時間はかからなかった。
コシアブラはお浸しにしても、天ぷらにしてもいいけれど、やはりお勧めはパスタ。春の山菜パスタとして、コシアブラを入れると、風味も香りも華やいだものになる。
あれ?
もしやと足を止め覗き込んでみると、出てきた幹の部分に白いうぶげのようなものが。
ウド(c)

ウド。
僕のおとうはウドに目がないので、これも頂戴することにした。
周りには黄色のエンゴサクが咲き乱れ、春らんまん。
エンゴサク(c)

福島に三春(桜、桃、梅が同時に咲くので)という地域があるけれど、新穂高も同様に三春、四春になっていた。
ウグイスが甲高い声を響かせ、木々の葉はカサカサと揺れていた。
帰ってからは、秘密ルートで手に入れたドブロクと共に、山菜を頂く。
どぶろく一本(c)

山の神に感謝し、そして発酵の神にも手を合わせる。
今日も、ジャパンを強く感じる一日だった。
                                  ノムラテツヤ拝
どぶろく(c)
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テーマ:草花の四季 - ジャンル:写真

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