隠れた名店2009-05-28 Thu 06:00
![]() 京都に隠れた名店がある。 友人に「あそこはてっちゃん好みだから」と連れて行かれたお店。 まず一軒目は京都駅から30キロ北、高雄方面にあるTという店だ。 かやぶき屋根が立ち並ぶ一角に、ぽつんと店がある。 中へ入ると、まるでおばあちゃんの家に帰ってきたような懐かしさ。 ![]() 主人のケイタくんが出迎えてくれる。先代がこの店を築き、味を極め、それをケイタ君が伝承した。 「あちらへどうぞ」 簡易コンロが置かれた机には、今日のメインの具がどっさりと山盛りされていた。 ![]() 野菜は畑で、キジも猟師から、こだわりぬかれたまばゆい生命だった。 厨房には焼酎から日本酒、ワイン、ウィスキーまで何でもそろい、日本酒も普通に義侠や飛呂喜なんかが置いてある。もちろん14代も完備。 「じゃぁ、まずこの鍋を」 簡易コンロに火がつけられ、グツグツと泡をたてる。 鍋からは山椒の香りがたちのぼり、口に含むと、肉の甘みとナッツ系、山椒や無数の香辛料の味がした。 「これは、やばいかも」 口に含めば、含むほど、飲みたくなる味だ。 そこに九条ネギや京ネギ、ミョウガ、ワラビ、シイタケ、エノキ、ヒラタケ、ミツバ、水菜が入れられ、しなるまで煮込む。 「これって、中火にしないんですか?」 「強火のままでお願いします」 なんでも、弱火にすると、スープが濁り、味も一段落ちてしまうという。 グツグツ、グツグツ。 ![]() キジは野性味満天、野菜たちはスープにまさに絶妙に絡み合い、麻薬のような味だ。 脳からは一気に快楽物質が溢れ、ドーパミンだらけ。 ぼぉ~っとして、お酒も飲んでいないのに、足腰が立たなくなる。 先代は京都の高級料亭の社長からこの味を1億で売ってくれと懇願され、断ったという。 それを断る心も凄いけれど、見事にケイタくんに伝承していることが素晴らしかった。 ケイタくんは今、ワインにはまっているけれど、その前には日本酒にどっぷりと浸かっていた。 「ぶっちぎり美味いのは?」 「島根県 王禄の丈径(たけみち)ですね」 笑ってしまったけれど、味はシンナー系だという。またはセメダイン系。 日本酒を極め、行きつく先には、シンナーが待っているのかもしれない。 あまりの極めぶりに、以下に列挙する。 2位 凱陣 亀の尾 または赤岩小町 3位 天の戸 亀の尾仕込み 4位 琵琶のさざ波 無ろ過手詰め吟醸(黒ラベル) 5位 大次郎(滋賀) 無ろ過純米吟醸うす濁り 飲んだことの無いお酒ばかりだった。 今度はこのT店で、日本酒会を開催することをケイタくんと約束し、僕は京都市内へ戻った。 ノムラテツヤ拝 ![]() ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタンをクリックお願い致します! ↓ ココをクリック! ![]() |
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