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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

隠れた名店

厨房風景(c)

京都に隠れた名店がある。
友人に「あそこはてっちゃん好みだから」と連れて行かれたお店。
まず一軒目は京都駅から30キロ北、高雄方面にあるTという店だ。
かやぶき屋根が立ち並ぶ一角に、ぽつんと店がある。
中へ入ると、まるでおばあちゃんの家に帰ってきたような懐かしさ。
室内風景(c)

主人のケイタくんが出迎えてくれる。先代がこの店を築き、味を極め、それをケイタ君が伝承した。
「あちらへどうぞ」
簡易コンロが置かれた机には、今日のメインの具がどっさりと山盛りされていた。
キジ鍋の具(c)

野菜は畑で、キジも猟師から、こだわりぬかれたまばゆい生命だった。
厨房には焼酎から日本酒、ワイン、ウィスキーまで何でもそろい、日本酒も普通に義侠や飛呂喜なんかが置いてある。もちろん14代も完備。
「じゃぁ、まずこの鍋を」
簡易コンロに火がつけられ、グツグツと泡をたてる。
鍋からは山椒の香りがたちのぼり、口に含むと、肉の甘みとナッツ系、山椒や無数の香辛料の味がした。
「これは、やばいかも」
口に含めば、含むほど、飲みたくなる味だ。
そこに九条ネギや京ネギ、ミョウガ、ワラビ、シイタケ、エノキ、ヒラタケ、ミツバ、水菜が入れられ、しなるまで煮込む。
「これって、中火にしないんですか?」
「強火のままでお願いします」
なんでも、弱火にすると、スープが濁り、味も一段落ちてしまうという。
グツグツ、グツグツ。
麻薬スープ(c)

キジは野性味満天、野菜たちはスープにまさに絶妙に絡み合い、麻薬のような味だ。
脳からは一気に快楽物質が溢れ、ドーパミンだらけ。
ぼぉ~っとして、お酒も飲んでいないのに、足腰が立たなくなる。
先代は京都の高級料亭の社長からこの味を1億で売ってくれと懇願され、断ったという。
それを断る心も凄いけれど、見事にケイタくんに伝承していることが素晴らしかった。
ケイタくんは今、ワインにはまっているけれど、その前には日本酒にどっぷりと浸かっていた。
「ぶっちぎり美味いのは?」
「島根県 王禄の丈径(たけみち)ですね」
笑ってしまったけれど、味はシンナー系だという。またはセメダイン系。
日本酒を極め、行きつく先には、シンナーが待っているのかもしれない。
あまりの極めぶりに、以下に列挙する。
2位 凱陣  亀の尾 または赤岩小町
3位 天の戸 亀の尾仕込み
4位 琵琶のさざ波 無ろ過手詰め吟醸(黒ラベル)
5位 大次郎(滋賀) 無ろ過純米吟醸うす濁り
飲んだことの無いお酒ばかりだった。
今度はこのT店で、日本酒会を開催することをケイタくんと約束し、僕は京都市内へ戻った。
                              ノムラテツヤ拝
キジ鍋完成(c)
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テーマ:食べ物の写真 - ジャンル:写真

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