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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

蝦夷国へ

フライト(c)

出発時間15時55分。
早めに行って、ラウンジで原稿書きか読書をしていようかと軽い気持ちで出かけた。
中部国際空港着、12時40分。
ANAのチェックインカウンターで聞いてみる。
「航空券はマイルで取得したんですけど、時間は変更出来ないですよね?」
田舎っぽいアテンダントのお姉さんが、えぇ~っと、と必死に調べてくれる。
「あっ、変更できますよ。 その前の便ですと、13時発ですね」
時計を見て、今度はアテンダントを目が合う。
「ちょっと無理ですよね?」
「いえ、やってみます」
周辺にいたアテンダントも手助けに入り、総勢4人で何とか13時発に変更成功。そのままアテンダントに手を引かれるように、僕は荷物検査場へ連れていかれた。
中部国際空港で、何かお土産を買っていきたかったのに。
9番ゲートに行くと、やっぱり最終搭乗アナウンスが流れ、僕も押し込まれるように乗った。
座席は2B。
なんでなんで?  
なぜか変更してもらって、ビジネスにアップグレードされている。
よく分からないけれど、手を合わせ、座席に着いた。
ANAの機内誌「翼の王国」を読んで、今、自分が書かせてもらっているJAL機内誌のスカイワードと読み比べる。
機体はすぐに飛びあがり、雲の中へ。今日は雲が多いためか、やたら揺れる。パイロット曰く、高度変更を管制に要請しているという。少し低く進路がとられ、確かに揺れは小さくなった。
青森上空。
下北半島の斧のような形が雲の切れ間から見えてくる。あの森に生息する猿たちは今も鳴いているだろうか?など想像の旅に出てみるのも飛行機旅の醍醐味だ。
北海道へ入ると、雲が少しずつ薄くなってきた。
千歳周辺に入ると、僕は額をぺっとり付けて、眼下の風景に見入ってしまう。
千歳上空(c)

水の張られた田んぼ。耕された畑の中に、米粒のような家々が建っている。
家の風景(c)

それは僕にとって眩しい風景だった。日本らしいパステルカラーの淡い自然。そして遠くに尖った恵庭岳や支笏湖が見えてくる。
恵庭岳(c)

それにしても田んぼと田んぼの間に森があるのは、一体なぜだろう?森の境界線(c)

飛行機は更に高度を下げると、原生林の新緑が見えてきた。
まぶしい。
カラマツはもう新緑から夏の姿に変わろうとしているけれど、白樺は芽吹いたばかり。
空気に溶けていきそうな、薄緑色だった。
まさに山菜のシーズンが、今盛りを迎えていた。
機体は逆噴射を決め、千歳空港へ吸い込まれてゆく。
外に出ると11度。結構寒いかなと思ったら、風がないので、大したことはない。でも、空気感は流石に凛としていた。
千歳空港内を少し散歩すると、あんなに熱狂的に売れていた生キャラメルが、もう普通に売られている。
ほんと、日本って、飽きやすいというか流行が早いというか・・・
それにしても、千歳空港のこのお菓子や魚、チーズなどの試食の数たるや、相当なものだと想う。もしこれ以上の試食がある国内空港を述べよと言われたら、僕は鹿児島空港しか思い当たらないだろう。
15時13分。
千歳空港から丸山公園行のバスへ向かう。
久しぶりの北海道、今週末の土日にかけて、T旅館で“ポセイドンの宴”が始まる。
日本各地から、ここ蝦夷の国へ、友が集結するのだ。
舞台は北海道。存分に走らせてもらおうと想う。
                                 ノムラテツヤ拝
恵庭遠望(c)
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テーマ:自然の写真 - ジャンル:写真

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