幻の花2009-06-02 Tue 06:00
![]() 数年前に初めて、そんな話を聞いた。 「岐阜の山奥の根尾、その更に奥深くに、ニリンソウの群生地がある。そして群生地の端の方に世には珍しい青いニリンソウがある」と。 「青いニリンソウですか?」 「うん、青だ」 話を聞いてゆくと、青は青でも、緑の青だった。 でも、緑色のニリンソウなんて、見たことがない。 山の先生たちに聞いても、そんなの知らないと、みんな首を振った。 それが、こんな場所で出逢えるなんて。 夕日岳登山道をぐんぐん歩いてゆくと、ワスレナグサの間にシソ科のオドリコ草があった。 ![]() ヒラヒラの花弁が踊っているような、純白のオドリコ草に、見入ってしまう。 ![]() そして、ニリンソウの群生地に、風変りな花びらをみつけたのだ。白い花びらの筋は見えるけれど、まぎれもなく緑色に染まっているようなニリンソウ。 ![]() 周りは真っ白だけれど、それだけ遺伝子の突然変異なのか、緑色なのだ。 もう数歩ゆくと、今度は完全な緑のニリンソウが。 ![]() 後で本で調べたところ、このミドリニリンソウは、北海道の藻岩山で初めて発見されたのだという。 自然界は、いつも目の前で、無限の変化を見せてくれる。 そしてその鍵を握るのが、遺伝子とそれを育む環境というところに、僕は打たれてしまう。 青いニリンソウ。それが、夕日岳の中に、ひっそりと咲いている。 ノムラテツヤ拝 ![]() ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタンをクリックお願い致します! ↓ ココをクリック! ![]() |
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