船津屋2009-06-09 Tue 07:00
![]() 講演を無事に終え、夜は桑名屈指の名店「船津屋」へ。 風格と気品漂う玄関で靴を脱ぎ、仲居さんに2階へ通してもらう。 「どうぞおあがり下さい」 目の前には、目を疑うような大部屋に、3つの座布団がちょこんと置かれていた。 ![]() なんてリッチな空間だろう。今夜の舞台にちょっと緊張しながら、腰をおろした。 ピンク色の着物をまとった仲居さんが言う。 ![]() 「昨日は満員でしたけれど、今日は貸し切りです。どうぞゆっくり楽しみ下さいませ」 桑名のお酒、青雲の大吟醸をYさんが、醸造酒を店が用意してくれる。 ![]() 飲み比べてみると、大吟醸はもちろん芳香さ、醸造酒はまるで水のような清らかさだ。 「これは、ばくろ酒と言ってね、みんな知らぬ間に酔って、暴露話をしちゃうのよ」 途中から入ってこられた小手川裕子似の美人女将が、手を口の前で押さえ笑う。 船津屋は、七里の渡しから近く、海が間近なので、その名が付いた。 まず最初に出てきたのは、ジュンサイだ。 ![]() 「つかみ所の無い人のことを、ジュンサイな人って言うんですって」 美人女将が、一品ずつ興味深く説明してくれる。 2品目がほおずきの中にサーモンチーズが。うまっ。 ![]() 「この味をどうしても出したくて、Yパンが真似をした味なの」 空豆も、絶妙。深い深い後味が、ズーンと広がった。 ![]() アボガド豆腐の上に甘エビが。これも一緒に食べると、今まで食べたことの無い味がしみた。 エビはぷるんぷるん。 ![]() そして、運命のお吸い物が出された。 冬瓜とミョウガが入り、一つの貝の中に2つのはまぐりが。 ![]() 白湯と魚介スープが混じり合い、なんとも豊満。 この海のスープの中に、えび麺を入れたらどんなに美味しいことだろう。 そしてお刺身には、シャコのルイベなんか出てきちゃうから、泣けてしまう。 ![]() 感嘆しながら食べ終わると、今度はハマグリ寿司が竹の葉に包まれてきた。 ハマグリの表面は照り、何かがシャリに浸みていた。 ![]() 「これって?」 「ハマグリ用のツメを塗ったハマグリ寿司です」 ハマグリの有名な産地は千葉と日向。でも汽水域で取れる良質なハマグリは今も昔も桑名が断トツと言われていた。 「蛤(ハマグリ)って、私は本当に素晴らしいと思うの。だって、この汁にしたときの、味の引き出し方っていったら」 女将は遠くを見つめ、僕も、その先を見つめた。 ノムラテツヤ拝 ![]() ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタンをクリックお願い致します! ↓ ココをクリック! ![]() |
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