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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

リサイタル

イカスミ(c)

中澤きみ子さんとアルバート・ロトさんのデュオリサイタルに出かけた。
きみ子さんは、少し前にもスマップの番組で、世界で最も高いストラディバリウス「ダビンチ」を演奏していたバイオリニスト。
ダビンチのお値段は、何と16憶というから驚いてしまう。対してアルバート・ロトさんは、天才ピアニスト。
名古屋の宗次ホールでリサイタルが始まると、バイオリンから暖かな音が放たれた。
音符が、ダンスしているようだ。
ピアノと音と交わり、絡まる。威圧することなく、包み込むような感じ。
2人の音が初めて出逢い、挨拶する。
シューベルトの3部のソナチネが弾き終ると、今度はモーツァルトの幻想曲イ短調。
ピアノソロが始まり、汁がこぼれ落ちてきそうなほど、音が艶やかだった。
中澤さんは薄い水色、ロトさんは薄い黄色。2人のパステルカラーが、春の小川を想像させた。アンダンテ。ゆっくり、ゆっくり。心地よくなり、やがて眠くなる。
透明感ある澄んだ音を聞くと、春が想起される。カタクリの花がくるりとカベンをまき、そこに現れるギフチョウがヒラヒラと飛んでゆく。
ラストはアベマリア。
完全に二人は世界の中に入っていた。
観客の僕たちもその渦に巻き込まれる。
清らかな静謐な時間だった。
静かな入り、そして深海に沈んでゆくような出だし。
深海をゆっくり散歩してういるようだ。
神への感謝。
「今日、皆様のお陰で、弾かせて頂けることに感謝します」
中澤さんがMCで話された言葉が、頭の中でリフレインした。
深海から海面、そしてどんどん空へ引っ張られる。
音の鮮烈さと透明感。
クルクルと、旋回しながら音は登ってゆく。
やがて神様と一緒に、共に、ひとつになる。そして繋がってゆく。
より深く、より強く。
アンコールが鳴りやまない。
合計3曲アンコールに応えてくれたが、やはり印象的だったのが、ツィゴイネルワイゼンだ。
バイオリンから哀愁ある音が、響き渡り、音にいのちが宿る。
同じ音色は一瞬たりとしてない。だから生命に愛おしさを感じるのだろう。
サビは音と音のおいかけっこ。
生命は重なり、繋がり、やがて一つになってゆく。
ひらめ(c)

PS、中澤さんの旦那さんから人生の極意を教えてもらった。お金を大切に、どんなに苦しくても音楽と共にいなさい。そして人生死ぬまで恋をしなさい(中央左)。
                                ノムラテツヤ拝
みんなで(c)
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テーマ:食べ物の写真 - ジャンル:写真

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