富士山の夕焼け2009-07-13 Mon 07:00
![]() 感動した。 最近、天気がコロコロと変わり、富士もなかなか顔を出さない。森を散歩中、一瞬だけ頂きが見えることもあったが、あとは雲の中に隠れていた。昨日の朝も空は快晴。急いでカメラザックを担いで富士へ向かうが、残念ながら厚い雲をまとっている。難しいなぁ~と、首をかしげながら戻ってきた。 そして、その時間(とき)は訪れた。 夕食を作っていると、森が黄金色に染まっている。窓から顔を出すと、夕日が光り輝いていた。もしやと思い、家の前から富士を見ると、バッチリ顔を出している。カメラザック、三脚を担いで、撮影ポイントへ向かった。 夕方のはんなりした色に染まった富士、それに青空を見て、まずは一枚目のシャッターを切る。そして手を合わせる。「ようやく見せてくれましたね、有難うございます」 雪はほとんど溶け、中腹あたりも新緑に覆われてきていた。 ![]() しばらく見ないうちに、どんどん変化してゆく富士。そんな姿に自分も変化しているか?と自問自答する。 「変わる部分と、変わらぬ部分、大切なのはそのバランスだ」 やがて雲が風にあおられるように湧き上がり、そこに夕方の黄金光が差し込むと、神々しい姿になってくる。 ![]() パタゴニアから帰ってきて、実をいうと我を失う、武者震いするような体験があまり無い。住んでいる場所も、家も、素敵なんだけれど、でもあの圧倒的な体の芯を貫くような深い感動、その後に押し寄せる、ボーっとする時間が少ないような気がする。 富士の残照は消え、僕は三脚をしまおうとした。そして帰り道、振り返ると、また雲が赤くなりつつある。色があせたのは、夕日が雲にかかっていただけなのだ。 僕は、すぐさま走り、元のポイントへ。 日本は夕日が落ちるのがパタゴニアに比べて速い。どんどん雲色が変化し、染まる。 ![]() さっきの僕の言葉を富士が聞き入れてくれたように、そこからは見事のショーとなった。 透明感ある紅色が、雲をひとつ、またひとつと染め上げ、富士の西側に光のリボンを作る。まるで富士山がそのリボンをストールにしているように、風になびいてゆく。 ![]() 富士周辺にピリピリした空気感が張りつめ、僕は日本でもパタゴニアでも同じ事を知る。 どこにも感動がある。小さな感動から、圧倒的な感動まで。 自然は全て繋がっている。心もみんなと繋がっている。 空は重厚さを増し、真紅の雲は、そう伝えてくれた。 富士で初めての圧倒的な夕日。 僕は、こんな夕日と、あと何度出逢うことができるのだろう? 自然の計らいに感謝して、僕は頭を下げた。 ノムラテツヤ拝 ![]() ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタンをクリックお願い致します! ↓ ココをクリック! ![]() |
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