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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

盛岡のソウルフード

じゃじゃ麺メニュー

じゃじゃ麺フリークのハガタイチ君と、我ら蕎麦グループのヒラフネ君の麺談義はディープそのものだった。
2人とも無類のじゃじゃ好き。
まずはこのじゃじゃから整理しないとイケナイ。
肉みそと中華めんを合わせた「ジャージャー麺」なる食べ物は、どこの中華料理屋にいっても必ずある。けれど、盛岡のはジャージャーとは言ってはいけない。
じゃじゃ麺。
ヒラフネ君の言葉を借りれば、「麺すらいらない。地元の人たちはじゃじゃとだけ言います。じゃじゃ」
このじゃじゃを作ったのはじゃじゃ麺専門店・白龍(パイロン)の店主だった。
「パイロンのは麺が8ミリ、ゆで時間が17分と決まってるんですよ」とヒラフネくん。
何でそんなこと知ってるん?と突っ込もうとすると、蕎麦グループの一人が「そうそう、8ミリ、17分は基本よね」と乗ってくる。
盛岡。どこか変じゃない?と首を傾げながら、僕らの車はパイロンよりもいけてるじゃじゃ麺屋「ちーたん」へ。
まず驚くのは、こんな畑の中にぽつんとある掘立小屋みたいな店なのに、駐車場は満車。
軽く20台は止まっていた。
そして入口には、待っている人たちが行列を作っていた。
「どうも、いらっしゃい」
駐車していたドアが開くと、じゃじゃ信奉家のハガタイチ君が降りてきた。
「今日は野村さんをアテンドすると思うと、あんまり眠れず、早朝に起きちゃいました。でも、店は予約してあるので、安心して下さい」
行列の脇を通りながら、店内の居間へ通される。我らじゃじゃ隊は総勢9名ほどになっていた。
「じゃじゃの大中小ありますが、中で良いですよね?」と、タイチくんに勝手に決められる。うむ、すべてお任せします。
注文してから、17分後、僕の元へじゃじゃが到着した。
麺の上にはキュウリとネギ、そして肉みそ、それにショウガと紅ショウガ。
じゃじゃ麺

机上にはおいしい食べ方と書かれた紙がのっているいるにも関わらず「僕が食べ方をレクチャーしますので、みなさん御一緒に」とタイチくん。
食べ方

肉みその上に黄色い生姜を乗せてから、酢を四回転、ラー油を二回転入れる。まわす速さは普通。早くもなく、遅くもなく。
そしてとにかく混ぜる、混ぜる、混ぜる。
「この時、味噌が飛んで服に付くことがありますが、我々の中では返り味噌を浴びると言われ、じゃじゃの誇りでもあります」
う~ん、完全に狂ってる。
麺がムラなく色づいてきたら、タイチ君がOKサインを出してくれる。
じゃじゃ混ぜあわせる

どう見ても美味しそうじゃない。なんだか何かの糞のようにさえ見えてしまう。
「さぁ、さぁ、あとはこんな風に」
ずずずっ、と食べるタイチ君に続き、僕も一気に口に運んだ。
「んっ、んっ、あぁ~、あぁ、これは美味しいわ」
「よっしゃ」とタイチくん。
味噌と生姜、ラー油と酢だけなのに、まるで化学反応してまったく別物になったかのような味だった。複雑な辛味、甘味、酸味、五味の全てが絡みついてくるのだ。
「今日からタイチくんをじゃじゃマスター。じゃじゃ丸と名付けるよ」
「有難う、気に行ってもらえて嬉しいよ」
僕はもうちょっと酢が多くてもいいから、と酢に手を伸ばすと「じゃじゃは、自分の味を極める楽しさがあるのです」とじゃじゃ丸。
コシははっきりってまったく無い。というよりも、あまりにソフトでうどんではない感じ。
「麺を少し残したところで、ちょっとストップして下さい」とじゃじゃ丸。
麺を少し残して

机の上にあった生卵をパリンと割って、皿の中に落とした。
たまご投入

そして手際よく、混ぜてゆく。
じゃじゃマスター「じゃじゃ丸」渾身の笑顔だった。
じゃじゃ丸

卵をいい感じにといたところで、「お願いします」と店員さんにそれらを渡した。
そして1分後、出てきたのがコレ。
チータン

店の名前にもなっている「チータン」だ。ようは、じゃじゃの玉子スープ。
「ここからが大切ですが、紅しょうがをこうやって箸でつかんでもらって、お皿のふちから中へ中へ、這わせていきます。そして底にこべりついたじゃじゃ味噌をこそげ落とすんです」
紅しょうがでお掃除

「紅しょうがの使い道は?」
「これだけです」
一同、あまりのマニアックぶりに、唸るだけだった。完全にマニア林蔵。
スープははっきり言って、普通。さっきの衝撃はなかった。
じゃじゃ:「最近はスープにしないで、そのまま玉子をかけて食べる人が多くなってるよね」
ヒラフネ:「じゃじゃカルボナーラって言ってね」
じゃじゃ:「たまごをひとつじゃなく2つ使う人も出てきた」
ヒラフネ:「僕は3つ使った人を見ましたよ」
じゃじゃ&ヒラフネ:「うーん」
二人のやりとりを見ながら、僕はこの盛岡に息づくソウルフード「じゃじゃ麺」を見直していた。
盛岡は冷麺、わんこそば、じゃじゃ麺と三大麺どころ。
わんこは量が勝負だから置いたとして、冷麺は韓国の、じゃじゃは中国を本場に独自の進化を遂げた。そして「自分のお好みの味を作って食べて下さい」といかにも受動的なのだ。
そこに盛岡のソウルが潜んでいるような気がした。
ちーたんの店前で、記念撮影。
じゃじゃ丸の左腕の横、僕のお腹あたりに七色に光る物体が映った。
これはもしや、じゃじゃの神様か?
記念撮影

PS,じゃじゃ店にあるにんにくは何故か蒼い。着色はしていないという。
                                   ノムラテツヤ拝
蒼いにんにく
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テーマ:食べ物の写真 - ジャンル:写真

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