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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

義侠のこころ

義侠の利き酒コップ

午後2時から、大好きな「義侠」さんに出かけた。
日本広しと言えども、レベルはトップランクの酒蔵だ。
駐車場に車を止めると、山田社長が出てこられた。
久しぶりに再会に、どうしても顔が緩んでしまう。この社長の味覚と飽くなき信念が今の義侠のブランドを作り上げているのだ。
黒板

「今日も蔵、見たいんだろ?」
「はい、ぜひ見せて頂ければ」と、蒼の二重丸の書かれたコップで、利き酒のやり方を教わった。
「どうも、今日はどれくらい時間があるんですか?」
社長室のドアの向こうから、杉村杜氏が顔を出した。
「一時間くらい」
「では、ゆっくり見られますね」
席を立ち、僕は蔵の中、義侠の心臓部へと入らせてもらう。
まずは、米を磨くところから。
杉村杜氏

研磨には研石を使い、朝から晩まで米をとぐ。
酒米の山田錦は水分が35%、精米は水分がかなり飛んでしまうので、研いだ後の数日間は空気中の水分を吸わせるために、寝かせておく。
磨き終わった米

精米したものを、今度は洗う。洗米は、純白。触ると小麦粉のようにサラサラだ。
純白の洗米

隣の蔵から、甘い香りがする。
「僕はもう慣れちゃったから、あまり感じないですけれど」と何とも羨ましい。まさに麹菌が発酵している匂いだった。
室へ案内され、種麹から盛りにしてゆく作業手順を教えてもらう。
むろ

ハゼや総ハゼなど、知らない言葉も混じって、聞いているだけでワクワクしてくる。
室から出たところで、麹を食べてみる。なんだか栗みたいにホクホクしていた。
表面積を広げるために、山型にし、三回に分けて仕込んでゆく。
発酵中

そして核心部へ。
大きなタンクが14個ほど並んでいる。
タンク

その中に、一日おきのお酒が詰め込まれていた。
まず一日目は、こんなにタンクの底の方で発酵している段階。
1日目

二日目は、少しふくらみ、筋が見えてくる。
2日目

中仕込みという手順を経て、三日目は更に上がり、泡の弾ける音とかが活発に聞こえる。
3日目

四日目、五日目で、泡の形もきめが細やかになってくる。
4日目

そして止め仕込みと呼ばれる段階で、カニ型の泡が出てくる。
5日目

こうなると、日本酒の真骨頂だ。
6日目

米が溶けて糖化する。発酵してアルコールが出る。
つまり、糖化と発酵が同時に起こっているのだ。
真剣勝負

泡の質も違い、液状~水あわ、岩あわ、高あわ、そして泡が無くなった時期に、今度はしぼり段階に入ってゆく。
今作っているのは、年末に出すお酒。
一番早く糖化が進んでいるものでも、高あわの状態までだった。
炭酸ガス

「飲んでみます?」
「高あわのタンクから汲まれたものは白い液体」
試飲させてもらう

飲んでびっくりした。今まで飲んだどのどぶろくよりも細やかで、味に厚みがある。
どれどれ

「まぁ、僕たちはプロですからね」
ドブロクのような味が、口からなかなか取れなかった。
ここから絞って、お酒と酒粕に分けるのだ。
素晴らしい。
これを持って帰りたいと思い、たかあわのタンクを覗きこんだら、炭酸ガスが鼻腔に飛び込み、一瞬クラッと来た。
「こういうので、事故が起こるんですよ。ふらっと来て、タンクの中に落ちて、そのままとか」
「でも、どぶろくの中で死んでゆくってのも、なかなかしびれますね」
「ふふふ、そうですねぇ~」
一通り、杉村杜氏に蔵を見せてもらってから、ラストに社長のコレクションをこっそりと見せてもらった。
社長は、数十年前から義侠の古酒を作っている。冷蔵庫のような巨大倉庫には年代ものの、お宝がずらりと並べられていた。
東海大地震がもしやってきても、この義侠の蔵だけはつぶれないことを切に願う。
いやぁ、素晴らしいものを見せてもらった・・・・・
                                   ノムラテツヤ拝
義侠さんで購入
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