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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

サンダミアーノ

アッシジの早朝

フランチェスコは神の啓示を受け、廃墟と化した修道院を建てなおした。
その名は「サンダミアーノ教会」。
クリスマスの早朝、ここでミサが開かれるのだ。
朝6時半に起床し、7時に出発。
街から20分ほど坂を下ったところに、サンダミアーノはあるという。
少し迷いながらも、看板を手掛かりに、オリーブ林を抜ける。
深海のような深いブルーの空に、ペルージャの明かりが見えた。
7時半。
サンダミアーノ教会の前に到着。
サンダミアーノ教会

あたりを流れる風の音以外、何も聞こえない。
鳥もまだ寝ているようだった。
サンダミアーノのプレゼピオも、小さいながらも精緻だった。
キリスト誕生

壁画を一通り見渡してから、中へ。
岩窟をくりぬいたような内部に、まず目をみはった。
こんな地味な場所が、フランチェスコの活動拠点だったのだ。
40人も入れば、いっぱいになってしまう教会内。中へ入った時にはもう8割方席は埋まり、その全てが地元の人たちだった。
ミサの第二番を皆で歌うと、それに呼応するように神父がやってくる。
体中がびりびりするのは、なぜだろう。
高潔なエネルギーの中に、入ったときの感触とどこか似ていた。
ミサが始まってからも地元民は訪れ、たちまち外まで溢れてしまった。
年配の人ばかりで、若者がひとりもいないことが、ちょっと悲しい。
折角こんなエネルギーの場を感じないなんて、勿体ないなぁ~。
十字架に張り付けられたキリストの木版が壁に掛けられ、その下で聖書が語られる。
ハレルヤを大合唱。
みんなで感謝し、その念を宙へ飛ばす日。そして大切なものをより大切にする日がクリスマスなのだろう。
いつもよりも、心を込めて、丁寧に、優しく。
ハレルヤが終わると、神父が問いかける。
隣人に対して優しく・・・・
最後に、周囲の人と握手やハグをして、周りがいるから、自分が生かされていることをもう一度客観的に感謝する。
神父が、聖水につけた紙を一人一人の唇に付けてくれて、終了。
フランチェスコの活動拠点で、クリスマスを迎えられたことに、何かのご縁を感じずにはいられなかった。
PS,そのあと、フランチェスコを擁護したサンルフィーノ聖堂にも立ち寄った。この司祭がいなければ、フランチェスコはきっと開眼しなかったのだろう。全ての人は必要で、そして完璧な時に現れるのだ。
                              ノムラテツヤ拝
サンダミアーノの壁画
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テーマ:スナップ写真 - ジャンル:写真

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