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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

ホタルの夜

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湯河原が好きだ。
熱海と比べて、湯河原の方が落ち着き、何よりもこぢんまりしている。
そしてなだ屋という素晴らしい日本酒の店もあり、御近所の僕は何度も行く。
「今、ホタルが結構いてね」
店の女将に教えられ、夜、ホタルを見にでかけた。
湯河原の万葉公園の中にあり、浴衣を来た観光客や、着飾った地元民でにぎわっていた。
駐車場に泊めて、温泉街を歩く。
それだけで、旅情を感じてしまうから、人の心って不思議。
素敵な門構え、まさにゆばーばが出てきそうな旅館の脇を通り、会場へ。
出店が何軒もあり、ビールやたこやきをつついていた。
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温泉街の脇の滝はライトアップされ、怪しく浮かぶ。
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細い路地をどんどんゆくと、遂にホタル生息地へ。
照明もどんどん消され、やがてホタルのあの萌木の蛍光色が、ぽつぽつと森の中に見えてきた。
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ルシフェリンがルシフェラーゼに変化するときに、ホタルが光る。
飛んでいるのはオスだけ。メスの気をひくために。
オスの中にも指揮者がいて、あるとき、みんなで明滅を合わせる。
関東は明滅間隔が4秒、関西は2秒、その間の中部3秒。人間と一緒で関西の方が早口で目立ちたがりなのかも。
数万匹のホタルに囲まれ、吐き気がした夜。
ネギの中に、何匹もホタルを入れて、簡易懐中電灯を作ったこと。
ホタルにまつわる話は尽きない。
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父から教えてもらったこと、自分の中の大切な思い出など。
車のハザードをつけて、ホタルを集めたこともあったなぁ~。
そんな事を思い出しながら、源氏ボタルを見つめた。
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このホタルは、地元の小学生たちが育て、放流しているのだという。
ホタルのいのちは一週間。一瞬の生命の息吹きを感じたい。
                      ノムラテツヤ拝
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テーマ:自然の写真 - ジャンル:写真

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