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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

ねぶたとねぷた

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PM8時38分発の普通列車で五所川原駅を出発。
たちねぷたを見て、今度は弘前のおうぎねぷたを見にゆくのだ。
駅からでも、杭や炎の勇姿がビルの間に見え隠れしている。
列車は祭りの余波で満員。車内クーラーも効かず、窓を開けると夜風が体へタッチした。
祭りから離れ、一歩外に出ると、闇の深さに驚いてしまう。
トローンと深い。
都会では決して育まれることのない、本来の闇。
電灯の光が、オレンジ色に輝き、その下を仄かに照らしている。
祭りから、祭りへ。
その列車風景が、心の休息を与えてくれた。
リセット、リセット。 もう一度、祭りの始まりへ。
PM9時24分、弘前駅着。
駅を出ると、まず太鼓の音が響いてくる。
五所川原でもあったけど、あれよりもお腹に響いてくる。
そしてかけ声も違う。
大将が「ヤーヤーヤー」と叫び、他が「ドードドー」
そして「ヤーヤドー」と落ち着く。
ねぷた歌から、転訛したかけ声が、弘前駅前を包み込んでいた。
後から後から、おうぎ型のねぷたが曳かれてゆく。
表は勇壮な武者、裏が妖艶な美女のおうぎねぷた。
静と動が混じり合い、また別の味がある。
「日本に残したい音100選」にも選ばれている弘前ねぷた。
太鼓や囃子が綺麗に空気と溶け合っていた。
交差点では、ねぷたをグルグルとまわし、惜しみない拍手が贈られる。
夜7時から始まった弘前ねぷたは11時過ぎまで続き、祭りの夜が終わった。
翌朝は、弘前から場所を変えて青森市内へ。
本場のねぶたが午後1時から開かれるので、何としても体験せねば。
昼は青森市内の市場へ。陸奥湾からとれる新鮮な魚を見て、食堂へ。
ウニ&ほっき貝のどんぶりと、イカの姿刺身でお腹ぽんぽん。
ビール片手に、午後のねぶたを見に行った。
「ラッセーラー ラッセーラー」
昨日の弘前よりも更に大きな声、そして太鼓音が響き、町中全部が祭りと化している。
飛びはねながら、ラッセーラーを歌う。
祭人たちは何かに乗り移られたように、動物のようにしなやかに、跳ねる。
地元の人が、老若男女入り乱れ、1つの想いに繋げてゆく。
日本の祭りの根底、それはただ一つ。
神様に喜んでもらえるように・・・・
北の国とは思えぬ気温と直射日光、人々に光る汗がまぶしかった。
酒をあおり、頬を赤らめ、一つの想いへ。
太鼓、笛、お酒。これは神様と自分たちとを繋ぐ道。
酔って踊って太鼓を叩くと、神様と自分の距離がなくなるのだろう。
自分が神様になり、神様が自分になる。
つかの間の幸福にひたり、祭りは結集されてゆく。
日陰で腰を下ろし、ねぶたを鑑賞させてもらうと、太鼓の音が腹の底に響いてくる。
でも、人間って不思議。少しだけ意識を変えると、太鼓の音は消え、そよ風が頬を揺らす音が聞こえてくる。
そして両者の音が重なり、一体化する。
人と神の間には、きっと風がある。 何となくそんな気がした。
目の前を巨大灯籠が過ぎてゆく。
一週間続いた東北の祭りが、今日、終焉を迎える。
                            ノムラテツヤ拝
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テーマ:スナップ写真 - ジャンル:写真

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