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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

大切な旅

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人生の中で大切な旅がある。
初めて見る世界、誰かと出逢う世界、そして過去を振り返る世界。
昨年10月に撮影ロケに入ったチリは、色々なことを思い出させてくれる旅だった。
林遣都。
皆さんは知っている、またはファンの方も多いだろう。
ちょうど今、木曜日の午後8時から銀二貫(NHK)という番組に主役を張っている俳優だ。
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でも、普段からテレビを見ない、または芸能界にまったく興味のない自分にとって、若い俳優さんを知る機会は限りなく少ない。
チリの首都、サンティアゴ空港で彼と最初に逢った時も、線の細い青年だとしか思わなかった。
テレビロケが始まる。それぞれの人が、自分の役目をひとつずつ果たしていく。
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俳優は演じ、ディレクター、プロデューサは出来上がりを想像しながらカメラマン、音声に指示を出す。それらを僕たちはサポートする。皆さんが仕事しやすいように。出来るだけ笑顔の空間が増えるように。
コピアポという町に滞在した夜、遣都から飲みにいきましょうよ、と誘いを受けた。
近くのバーでワインを傾ける。
この仕事は~じゃなかったのか?、今日の~は気に入らない。口から出るのは愚痴が多い。
何かをみんなで作り上げる時、僕が一番大切にしていることがある。それは“流れ”。みんなが幸せになる大きな流れ。これさえあれば、多少のことがあっても、たいてい成功する。というか流れていないと、必ず失敗する。流れを断ち切るもの、それが愚痴や不満だ。だからまずはその想いを聞く。ちょうど遣都と逢った時、彼は色々悩み、苦しんでいた。仕事もプライベートも、どこかに違和感を感じていたのは、やはり自分で自分の流れを止めていたからなのだと思う。
「オレの代わりなんて、いくらでもいるんですよ・・・」
遣都は、だいぶ酔っぱらってから、そんな言葉を吐き捨てた。
俳優業がどれだけ大変か、僕は知らない。でも、どんな仕事でも、もしそんな気持ちで接したら、相手を悲しませることになるし、何よりも仕事そのものに対して失礼だと思う。
なぜ不満なのか、どこがそう想ってしまう思考の元凶なのか? それらを時間をかけてひも解きながら、言い方、例え方を変えて、何度も伝えた。
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遣都は、その夜以降、愚痴を言わなくなった。
若者は凄いと思う。
その後、1日、1日、目に見えて成長していくのだから。
                       ノムラテツヤ拝
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テーマ:スナップ写真 - ジャンル:写真

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