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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

20歳の写真展

先日久しぶりに主人と金華山へ。赤い鉄塔を見ながら、ここに昔、岐阜ユースホステルがあったね。翔太郎も優気も“ちびっこキャンプ”で何度も育てていただいたね。と、懐かしく思い出しました。
「イースター島を行く」に出てくるカルロスさんの言葉じゃないけど、岐阜ユースホステルで過ごした人たちの心には、村長さん、食堂のおばちゃんの笑顔と共にあの温かさは、いつまでも生き続けるでしょう。翔太郎も優気も飲めます。翔太郎は大学卒業後、2年間北京日本人学校に勤務。いろんな経験をしたようです。いまは岐阜市内小学校で元気いっぱいの3年生担任。優気は大学四年。彼も海外日本人学校希望。合格できれば、ですけどね。今日は東京の海外帰国子女支援財団の説明会に行くようです。
二人ともたくましく育ちました!!
お勉強は一生懸命してくれませんでしたが、サッカーだけは頑張りました。Jリーガーにはなれませんでしたが、一生子どもたちとボールは追っかけるかな。
私は実家の仕事を継いで、そろばん、習字、国語教室をしてます。日々、目が回っております。ありがたいことです。
哲也さん、身体をくれぐれも大切に。ご両親さまによろしくお伝えください。また会いに行きますから。

ここで書かれている村長さん、食堂のおばちゃんは、うちの父と母のこと。
岐阜ユースホステルのイベントに、翔太郎、優気は何度も参加してくれた。
人との出会いは必然だと言う。だったら、あの時に優気と逢ったことも決められていたことなのかな。
僕が二十歳の時、岐阜市内の小さな書店ギャラリーで南極の写真展を開いていた。
その日はたまたま会場に詰めていて、店内の本を一通り見てギャラリーへ戻った時のこと。一人の小さな少年が、イーゼルにのせたガラスで額装された案内写真をじっと見ていた。それらを触ろうと手をかけた瞬間、「ガシャーン」という音が店内に響いた。少年はどうして良いのか分からず、足元に散らばるガラスの破片を見つめていた。すぐに駆け寄ると、振り返った少年の瞳からは、今にも大きな涙粒が溢れんばかりだった。
「大丈夫、大丈夫、ごめんね。こんなところに置いてしまって」
イガグリ坊主のまあるい頭を撫でながら言った。
僕も今まで同じようなことを何度もやらかしてきた。そんな時は決まって人生が終わってしまったかのような絶望感に襲われたものだが、いつも誰か大人の優しい手があった。それが父だったり母だったり兄だったり姉だったり。
怒るよりも、もっと大切なことがある。危ないけれど、一緒にガラスの破片を拾うことの方が、よっぽど彼の心に深く刻まれるだろう。少年のお母さんがその音を聞きつけ、飛んできた。
「すみません、すみません、弁償しますから」
「こんな低い位置に案内板を置いた僕が悪いですから」とその申し出を断った。
それからだろうか、写真展やサイン会、講演会などに、その家族が駆けつけてくれるようになったのは。
「おれたち、今、サッカーを頑張ってるんだ」
真っ黒に日焼けした顔を輝かせながら、飛び付いてきた。
人生って本当に面白いものだと思う。
上記のメールを書いたのはお母さん、フェイスブックで繋がったときに、近況を教えてもらったのだ。
視線は無限にある。あのわんぱく坊主だった翔太郎が、北京の日本人学校に勤務し、今は立派に小学校で教鞭をとりながら、子供たちとサッカーボールを追いかけている。優気もお兄ちゃんを目指し、やがて子供たちから慕われる魅力的な先生になっていくのだろう。2人のお父さん、お母さんは、昔ユースホステルにあった場所を散策し、その時代を回想する。それぞれの人が様々な人と出逢い、磨き、磨かれ合う。人生を通して関わった人たちが、どんな人生を選択していくのか? それを一緒に見られることは、なんと幸せなことなのだろう、と思う。
もう2人とも成人になった。
今度帰郷したときには、御馳走するから、ぜひ一緒に呑みに行こう。
翔太郎と優気の今を、たくさん聞かせて下さいね!
PS,写真は滝つぼで撮影したまあるい虹。大地にいると半円ですが、ほんとうの形は円なのですね。
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日本 | コメント:4 | トラックバック:0 |

動き続けるもの

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瀧の上部に行くと、カモメのつがいが休んでいた。
まさに白糸というに相応しい瀧が大地に呑みこまれていく。
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水の精が、踊っているようにさえ見える。
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縦横無尽に弾け、遊び、吸い込まれる。
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山も海も、瀧も、見飽きることがない。
それは常に動いているという力を目の当たりにするからなのだろう。
              ノムラテツヤ拝
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