曜変天目茶碗2015-08-10 Mon 06:00
![]() 8年前、僕はイースター島にいた。 阪根ひろちゃんと一緒に、ラノカウ火山の縁に立って、海風を受けていた。 よく晴れた一日。 「こりゃぁ、まさに自然が作り上げた曜変天目茶碗だな」 「なんですか、それ?」 「日本人なんだから、それくらい勉強しておきなさい」 これが、僕と曜変天目茶碗との出会いだった。 帰国してから、写真だけは見た。 でも、現物を見る機会は、なかなか訪れなかった。 2015年夏、東京。 なんと大阪の藤田美術館収蔵の、曜変天目茶碗が、東京ミッドタウンの サントリー美術館にやって来るという。 早速出かけ、その器を直に見つめた。 中国の南宋の時代に作られた、曜変天目茶碗。 漆黒の器の中には深い瑠璃色の斑紋が散らばっていた。 ![]() まるで宇宙に連なる 惑星、または地球の中に生きる生命の集合体のようにも見える。角度を変え ると虹色に光彩が輝き、星雲や天の川のような流れも見えてくる。 ![]() 現在は日本だけに3点ほど残り、いずれも国宝に指定されている。 器の外側を見ると、まさに宇宙。寒気がするほど鮮烈な美しさだった。 サントリーホールのライティングもまた美しい。 藤田美術館の人が、「うちで見るよりも綺麗」と評したのが分かる。 あのラノカウ火山での話から、ようやく体感することが出来た曜変天目茶碗。 そしてイースター島の本を作ったことで知った島の別名「マタキテランギ」。 その意味は「天を見つめる目」だった。 人間の根幹は、やはりどこかで繋がり、重なり合っているのだと思う。 ノムラテツヤ拝 ![]() ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |
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