晦日詣2015-12-31 Thu 16:58
![]() 北海道で年末年始を迎える。 今年は今までにないくらい突っ走った年だった。 福音館と中公新書でイースター島の本を2冊作り、講演は25回、ウユニ塩湖、北米の花園、アイスランド、ペルー北部、クロアチア、チリの花園2回、ハワイ2回、そして南アフリカへテレビのロケ。北海道も2回目だ。 何度か体調を壊しそうになりながらも踏ん張り、最後まで健康体を維持してくれた心と体と魂。今日大晦日は、僕を生かしてくれた大いなる神々に、感謝の念を捧げに行く日。 向かった先は、北海道神宮(ご祭神:大国魂神・大那牟遅神・少彦名神・明治天皇)。 初詣は凄い人が集まるのだろう。 「押し合うと危険です」の横断幕が下がっていた。 ![]() 初詣ではなく、大晦日に詣でることを、晦日詣(みそかもうで)と呼ぶ。 神社は、何かをお願いするところではなく、感謝の念を捧げて、置いてくる場所。その感謝の念が降り積もるからこそ、より聖地になっていくのだと思う。 ![]() 「今年も一年、無事に生かして貰い有難うございます。貴社の益々のご発展をお祈り申し上げます」 ぽわんと背中が熱くなった。振り返ると、雲間からやわらかな光が射し込んできた。 ノムラテツヤ拝 ![]() ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |
スノーダンス2015-12-31 Thu 09:52
![]() 青い池のライトアップに再び訪れた。 最初は2灯だと思っていた光源は全部で4灯もあり、大体5分くらいのサイクルでまた同じ光の組み合わせになることも、分かってきた。 この日は吹雪。 雪という白い筆が、闇のキャンパスに巨大な絵を描いていく。 うねり、ねじれ、揺れ落ちる。 スローシャッターで、その軌跡を映し込むと、まるで鳳凰が舞っているように見えた。 ![]() 吹雪の向こうに火の玉が・・・、それは、線香花火のようにぼんやり光る満月だった。 「ライトアップ、吹雪、その向こうにまんまるのお月様」 まるで自然界からのギフトのような光景に、寒さも忘れた。 ![]() 同じ場所を何度も撮影する楽しさを噛みしめる。 少しずつ、僕とこの池の波長が合ってきているのかな? 最初に訪れたときよりも、風景が優しく感じるのは気のせいだろうか? 僕の前で粉雪がクルクルと回った。 まるで、ダンスを踊っているかのように。 ノムラテツヤ拝 ![]() ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |
美瑛の木々2015-12-30 Wed 11:17
マイルドセブン、セブンスター、ケンとメリー、親子と哲学。
この全てにひとつの共通項がある。 美瑛が誇る、有名な木々の名前。写真家の巨匠・前田真三先生が愛した丘風景だ。 今回、僕が惹かれたのは、クリスマスツリーと呼ばれる一本木。 畑の中にポツンと佇む姿に一目惚れして、通い続けた。 吹雪の中、晴れた中、そして曇天の中。 風景は一つとして同じものはなく、瞬間、その刹那ごとに変化する。 光と影、雲と雪と太陽が極上の美を演出し、それらがひとつに組み合わさった瞬間、一枚の写真が生まれた。 一目惚れも良いけれど、何度も通うことで見えてくる風景が、僕は好き。 ノムラテツヤ拝 ![]() ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |
森の時計2015-12-29 Tue 16:30
![]() 「森の時計はゆっくり時を刻む」 倉本聰さん原案、脚本の伝説のドラマ「優しい時間」が放映されたのは、もう10年前のことだ。 寺尾聰主演で、二宮和也、長澤まさみ、大竹しのぶも出演していたっけ。 エリート商社マンだった寺尾聰が、妻の死を機に退職。富良野に移住して、喫茶店「森の時計」を開く。そこに集う物語なのだけれど、何か劇的なことが起こるわけではなく、淡々とその交流が描かれていくのだけれど、毎度、涙がこみあげてくる印象に残る名作品だった。 その舞台となった喫茶店が、新富良野プリンスホテル近くにある。 9年前に訪れた時は、さすがに観光客だらけで長蛇の列。入るのを断念したが、今回は真冬。静かで、優しい時間が待っていてくれた。 カウンターに座らせてもらうと、名物のコーヒーミルが10個ほど並んでいる。 ![]() 番組内でもそうだったように、ここはコーヒー豆を自分で挽いて飲ませてもらうのだ。ミルを時計回りにまわすと、車輪が軋むような、ギィーギィーという音が店内に響き渡る。やがてその音がジャージャーと滑らかになると、突然ふっと回す手が軽くなる。こうなると挽き終わり。 それらを店員の女性が、丁寧にゆっくり、ゆっくりと淹れてくれる。 ![]() ひと手間、ふた手間、そんな上質な時間が流れていく。 「どうぞ」 出された珈琲の表面には、純白の冬の森が。 まるで、優しい時間がそこに浮かんでいるようだった。 ノムラテツヤ拝 ![]() ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |
ヤマゲラ2015-12-29 Tue 15:15
![]() 白金温泉に身を浸す。 この一年間、健康でいてくれた体に感謝して。 露天は、見事な岩風呂作り。青空を見上げながら、ボーッと佇んでいると、頬に冷たい感触が。白樺の巨木から、フワリ、フワリと粉雪が舞い降りてきた。 目を凝らすと、そこにはキツツキのヤマゲラが。彼らが枝から枝へ飛び移るたびに雪のかけらが舞い落ち、僕の顔に当たるのだ。 それはなんと幸せなことだろう。 数秒前にはヤマゲラが触っていた雪を、僕も触れることができる。ちいさな命と時間と五感で繋がらせてもらえる。 ふふふ。あまりにも嬉しくって、思わず微笑んでしまう。 1羽、2羽、ぜんぶで3羽のヤマゲラが、幹をつつき、中にいる虫を探している。 雪が螺旋を描くように落下し、今度はピトッとおでこにひっついた。 ノムラテツヤ拝 ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |