森の時計2015-12-29 Tue 16:30
![]() 「森の時計はゆっくり時を刻む」 倉本聰さん原案、脚本の伝説のドラマ「優しい時間」が放映されたのは、もう10年前のことだ。 寺尾聰主演で、二宮和也、長澤まさみ、大竹しのぶも出演していたっけ。 エリート商社マンだった寺尾聰が、妻の死を機に退職。富良野に移住して、喫茶店「森の時計」を開く。そこに集う物語なのだけれど、何か劇的なことが起こるわけではなく、淡々とその交流が描かれていくのだけれど、毎度、涙がこみあげてくる印象に残る名作品だった。 その舞台となった喫茶店が、新富良野プリンスホテル近くにある。 9年前に訪れた時は、さすがに観光客だらけで長蛇の列。入るのを断念したが、今回は真冬。静かで、優しい時間が待っていてくれた。 カウンターに座らせてもらうと、名物のコーヒーミルが10個ほど並んでいる。 ![]() 番組内でもそうだったように、ここはコーヒー豆を自分で挽いて飲ませてもらうのだ。ミルを時計回りにまわすと、車輪が軋むような、ギィーギィーという音が店内に響き渡る。やがてその音がジャージャーと滑らかになると、突然ふっと回す手が軽くなる。こうなると挽き終わり。 それらを店員の女性が、丁寧にゆっくり、ゆっくりと淹れてくれる。 ![]() ひと手間、ふた手間、そんな上質な時間が流れていく。 「どうぞ」 出された珈琲の表面には、純白の冬の森が。 まるで、優しい時間がそこに浮かんでいるようだった。 ノムラテツヤ拝 ![]() ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |
ヤマゲラ2015-12-29 Tue 15:15
![]() 白金温泉に身を浸す。 この一年間、健康でいてくれた体に感謝して。 露天は、見事な岩風呂作り。青空を見上げながら、ボーッと佇んでいると、頬に冷たい感触が。白樺の巨木から、フワリ、フワリと粉雪が舞い降りてきた。 目を凝らすと、そこにはキツツキのヤマゲラが。彼らが枝から枝へ飛び移るたびに雪のかけらが舞い落ち、僕の顔に当たるのだ。 それはなんと幸せなことだろう。 数秒前にはヤマゲラが触っていた雪を、僕も触れることができる。ちいさな命と時間と五感で繋がらせてもらえる。 ふふふ。あまりにも嬉しくって、思わず微笑んでしまう。 1羽、2羽、ぜんぶで3羽のヤマゲラが、幹をつつき、中にいる虫を探している。 雪が螺旋を描くように落下し、今度はピトッとおでこにひっついた。 ノムラテツヤ拝 ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |
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