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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

フィッツロイ劇場

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朝、バチッと目が覚める。
「おいで」
闇の中からそんな声が聞こえたような気がした。
深夜2時まで皆で飲んでいたけれど、不思議なほどお酒が残っていない。
横ではひろちゃんがスヤスヤと寝ている。
素早く着替え、カメラザックを背負った。
朝5時、いつもの撮影地へ向かう。
ここは友人のプロパティなので、一般の人は入れないが、その眺めは素晴らしい。
フィッツロイ、セロトーレが間近で一望でき、壮大さに息を飲む。
朝日が出る数分前、東の空が爆発するように燃えた。
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そしてその雲は、やがてフィッツロイの上空へ。
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頂に光が入ると、深紅のベールに包まれていく。
2年ぶりの朝焼けに、魂の底から震えた。
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瞬間、瞬間、変わっていく映画を見ているかのよう。
ここはまさに、フィッツロイの劇場だった。
               ノムラテツヤ拝
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極楽の宴

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20代の頃、僕は何度も飛騨へ向かった。
そこには、愛すべき王様と魅力的な3兄弟がいた。
逢ったその日に、家族の契りを交わし、僕は四男として迎えてもらった。
「秋神温泉」
この隠れ家のような場所に通うことで、多くのことを学ばせてもらった。
王様からは、どのようにして自分が面白いと思うことを、相手に分かりやすく熱く伝えるか。三兄弟からは自然界にどのように抱かれ、それらを楽しむかを教わった。
みんなで鮎を手掴みして焚き火を囲んでひたすら食べ続けた夏の日。ドキドキしながら雪山を登り、巨木の下に作られた冬眠中の熊を追った冬の日。
四男の僕は、いつも3兄弟に守られながら、秋神の自然に抱かれた。
そして15年前、初めてこの秋神温泉で「極楽隊」が結成された。
ペルーから阪根ひろちゃんが帰国するのを機に、秋深まる飛騨へ、日本全国から知人、友人たちが集合する。
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世界で最も極楽に近い秋神温泉旅館のキノコ料理に舌鼓をうち、皆で持ち寄る地元の名産品や銘酒を楽しんだ。
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地位や名刺で付き合うのではなく、それらをすべて脱ぎ去って、魂で打ち解けあう。そんな場になればと思って、毎年続けてきた。
2016年は、記念すべき15回目。
毎回気を付けているのは、決して同窓会にならないこと。常に新しい血が入ってくること。
自分が変化を続けていれば、周りも変わる。
今、この瞬間でご縁がある人たちが集い、そこで何かが生まれれば、とても嬉しい。
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想い返せば、僕は父の背中を追っていたのだと思う。
父は岐阜ユースホステルのペアレントとして、40年間も旅人を受け入れてきた。僕はそこで幼少から青年期を過ごし、旅の虜になっていった。
旅は、自分の想いと同調する人々を引き寄せ、一気に距離を縮められる。
だからこそ若い時は「旅」でしか自分の合う人とは出逢えないと思っていた。
でも、今ならその時の自分に、こう言える。
「どんな場所でも、必ず自分の合う人がいる。そのきっかけさえ掴めば、あとは芋づる式なのだよ」と。
父は、旅人たちがリラックスした状態で、交流できる場を日々作っていた。それらを子供の頃から見ていた僕は、きっと憧れていたんだろう。
僕もそんな場を作りたいと。
でも、14年続けてきて、それも違うのだと気づかされる。
場は作り上げるものではなく、きっかけによって自然と生まれていくもの。皆が集う場所とは、皆の想いの集合体。その想いが弾け、飛び、何処かで繋がる。それを御縁と呼ぶ。
今年もきっと素敵な人たちが集う宴になるのだろう。
15回目の極楽隊を、今から募集開始します。
定員は50名ジャスト。
期日は10月29日(土)~30日(日)。
場所は岐阜県高山市の秋神温泉旅館です。
もし来られそうな方、ご興味のある方は、ぜひ以下のアドレスまでご連絡頂ければ詳細をメールさせて頂きます。一緒に楽しみましょう!
fieldvill@gmail.com
それでは、始めます、よーいどんっ!
                ノムラテツヤ拝
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アーク

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カラファテからチャルテンへ向かう。
昔は未舗装だったため6時間かかった道も、今は昔、立派な舗装路で2時間半の距離だ。
1時間ほど走ると、遠くにフィッツロイ山が見えてきた。
僕が世界で一番好きな山だ。
「御無沙汰していました。お元気ですか?」
自然と手を合わせてしまう。
チャルテンへ到着後、村一番の人気レストランへ。
ここの店主たちと大いに盛り上がった。
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午後からは軽トレッキングに出掛けると、奇跡の光景が。
環水平アーク。太陽の周りに水滴のカーテンが出来、そこに光が当たることで七色に光り輝く現象だ。
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これほど見事なアークは、非常に珍しい。
みんなでキャッキャ言いながら、楽しく登る。
ふふふ、良い顔してるな。
                ノムラテツヤ拝
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オンザロック

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氷河トレッキングを終え、仲良くなったガイドに氷をもらった。
カラファテの町に帰り、早速オンザロック。
氷河上ではシャンパンだったので、今回はウィスキーとワイン。
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気の遠くなるような時間をかけて作られた氷が、プチッ、プチッと弾ける。味は、ため息しかない。
空を見上げると、コンドルが舞い、花の中をキツネが徘徊する。
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そうそう、これがパタゴニアの醍醐味だ。
明日は、愛するフィッツロイ山麓へ向かう。
               ノムラテツヤ拝
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アイストレック

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世界には2つだけ前進を続ける氷河がある。
その内のひとつ、ペリトモレノ氷河で、アイストレッキングをした。
アイゼンを付けて、いざ氷の世界へ。
太陽光線と氷河の起伏によって、育まれるブルーホール。
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氷河の中での太極拳。
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今日も天候に恵まれているため、ポカポカだ。
みんなで記念写真。
ザックに忍ばせたシャンパン2本をあけて乾杯だ!
「サルー(乾杯)!」
           ノムラテツヤ拝
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