アナケナ2016-03-31 Thu 12:57
![]() イースター島に初めて人がやって来た。 それは6世紀~9世紀頃と言われているが、未だハッキリしたことは分かっていない。 ただ伝承によれば、ホツマツア王とその一行は最初にこのアナケナビーチに降り立ったという。 島には、浜らしい浜はなく、上陸ポイントは限られる。きっと、島を一周して、楽に上がれるポイントを探したのだろう。 それから1世紀以上たち、現在ではイースター島で最も美しい場所として愛され、島民も海水浴に出掛ける。 今日も快晴。 ![]() 毎日、帰りの便が少しずつだけれど取れ、現在は10人までが予定通り帰国出来るようになった。でも、絶対に予定通り帰らねばならぬ人もまだまだいる。Sちゃんと連絡を取り合いながら、色々なシュミレーションを繰り返し、とにかく、明日までは今まで通り、空きが出たらコツコツと押さえていくということで、電話をきった。 アナケナのモアイは、長年砂に埋もれていたため、島で一番状態が良いモアイであり、背中の彫刻は必見だ。褌をぎゅっと締め、鳥人タンガタマヌの彫り物も見える。祭壇には昔のモアイの顔がハマリ、祭壇更新をしていたことも伺える。 ![]() 吹き抜ける海風が気持ち良い。 空を見上げると、太陽が七色に光り輝き、みんなの顔を照らした。 ノムラテツヤ拝 ![]() ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |
さくらのきせつ2016-03-31 Thu 11:32
![]() ご近所の桜が、少しずつ咲いてきた。 散歩に出かけて、一枚、一枚撮影する。 こんな風に今日も写真を撮らせてもらえることに感謝。 美しいものを、美しいって、言えることに手を合わせる。 風が吹いてきた。 今日も自然が気持ち良さそうに話してくる。 自分の内側に広がる自然、そして外側に広がる自然。 その呼応こそが、自然写真というものなんだと想う。 太陽が光芒を伸ばして煌めく。 僕たち地球で生かさせてもらう、すべての生命も同様に煌めいている。 ノムラテツヤ拝 ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |
悠久杉2016-03-30 Wed 10:45
![]() 写真を整理していたら、懐かしい一枚が出てきた。 今、あの杉はどんな風に森を守っているのだろう? どんな静謐な空気に包まれているのだろう? 目を瞑ると、いつでもあの頃に還れるような気がした。 今から15年前、僕は「テツヤ通信」にこう綴っている。 「縄文杉」。 この名前にどれだけの人がロマンを感じているのだろう? 昨日、この杉に抱かれてきた。屋久島には、人に見つかっているだけでも(名前が付いているだけでも)縄文杉が37本あり、その中でも特に巨木なものは、ビックエイトと呼ばれている。縄文杉、ウィルソン株、大王杉、翁杉、大和杉、紀元杉、万代杉、そして弥生杉の計8本。 一昨日、昨日、今日と山を駆けめぐり、その全ての杉と逢ってきた。今日まで出逢った屋久杉の総数は19本。ちょうど半分だ。 矢山流の測り方で、気を測定していくと、最大が20として大王杉(18)、紀元杉(17)、大和杉(16.5)の順となる。 愛する岐阜の飛弾地方にある巨木でも10そこそこなのだから、この3本は尋常ではない気を放出している。 では、「縄文杉」は? この問題は後回しにして、ちょっと前から話すとしよう。 島に着いたのは、2日前、僕は激安レンタカーを探していた。 ちょうど、運良く会社を見付け、聞いてみる。 「一日5000円が基本です」人の良い社長が言う。 それから値切って値切って、保険込みで一日3000円まで下げてもらう。そして僕は、今まで聞いた屋久島話の中で、心揺さぶられた話をさせてもらった。 「僕の古い友人なんですけれど、屋久島出身で写真家なんですね。彼曰く、縄文杉の裏山に、もう一つの縄文杉くらいの樹齢を誇る木が眠っている・・」と。さすが自称屋久島通と名乗るだけはある。社長は、頷きながら、「あるよ」と一言。 「それを全面的に公開しないのは、やっぱり痛んでしまうのと、第二の縄文杉として知られるのが嫌だからですか?」 「オマエさんは山を良く登るのかね?」 「すこしは」 「ちょっと待ってな、電話かけてみるから。いると良いんだけどなぁ~」 「あぁ~もしもし、今ここに変なヤツが来ているんだけど、例の話を知ってるんだよ。写真家Y氏の紹介で」 10分後、やってきたのはヒゲモジャの仙人のような男。名を仮にKさんとしておこう。彼が唐突に聞く。 「で、オマエさんはその杉を見たいのか?」 「出来ることならば」 「なら、連れてってやる。ただ守ってもらうことがある。沢登りとかしなくてはならないから、もし一度でも諦めたらそこで引き返すこと。時間にして丸一日はかかるから」 完全にKさんの勢いに押され、僕は少しばかり後悔し始めていた。話を聞くと、沢登りだけではなく、ロッククライミング、ケイビングのような事までしなければならないらしい。 早朝4時、Kさんと共に、縄文杉までぶっぱなした。 「縄文杉は通常の人で往復9時間。オマエさんの早さに関係なく、ワシは5時間で行く、じゃないと間に合わない」 ロボットのように話すKさんが前を行く。ヘッドランプの明かりを頼りに、漆黒のトンネルを抜け、トロッコ道を歩くこと1時間半、ようやく登山口までやってきた。よっし、と一気に登る。目標である2時間半で、何とか縄文杉へ到着した。 「結構早いなぁ~オマエ。良いぞ、このぶんなら間に合うかもしれない」 縄文杉へ早速ふれる。んっ、矢山流で測ると、最大の20を示す。というか無限大の数字。でも何か前出の3つの屋久杉とは違う。触ってみると顕著なのだが、前出の屋久杉は気持ち良い、でも縄文杉は怖ろしいほど体が、魂が引っ張られる感じがする。どこか遠い深海へ引きずり込まれていくような・・・・。 風景には、気には「陰」と「陽」がある。 前の3本が「陽」なら、明らかに縄文杉は「陰」となる。がしかし、陽と陰はお互いに調和して初めて完全に空気に溶け合う。 「何モタモタしてる、早く行くぞ!」 Kさんがイライラしてる。怖い・・・・・ 「は、、はいっ!」 それからの道はきつかった。道は獣道となり、どんどん藪漕ぎして道を作ってゆく。あまりにも奥へ入ってゆくので、心配になってくる。一応、怖いので、ビニールテープのマークは付けてきているが、濃霧に包まれたら一発でおしまいだ。 沢登りではべっちょべちょになり、ロッククライミングではグッチョグチョ。もう体はボロボロ。でも不思議なことに息は切れないのだ。屋久島に来てから、ずーっとそう。屋久島と自分の体が合うのだろうか。 縄文杉から登ること、5時間。 Kさんが、突然立ち止まった。 「良くやった。これがその場所だ」 目の前には、縄文杉よりもでかいであろう、巨大杉が凛と立っていた。 なんなんだ、この静かなる迫力は。 「Kさん、この杉って名前無いんですよね」 コクッと首を傾ける。 「僕が名前付けても良いですか。悠久杉という感じですね」 「ほ~ん、じゃぁ、オレとオマエの中だけで悠久杉な」 悠久杉に初めて触れてみた。 生まれて初めて裸の女性を触るときくらい緊張した。 ゆっくり手をはわせると、手からゴーンと伝わる霊気。僕はその場に崩れ、号泣した。 縄文杉が陰、世界観で言えば「黄泉の国」。 悠久杉が陽、「天上界」への入り口となる。 つまり、2本で一体なのだ。 山を挟んでちょうど対称の位置で縄文杉と悠久杉が重なり、陽と陰が立ち上る。 そこに生まれる完璧なハーモニー。 その調和の気は何処へ行くのか? 一体何処から気は流れてくるのか? 悠久杉と縄文杉から教えてもらった聖地へ、僕は明後日、目指すことにした。 PS、Kさんのお陰で出逢わせてくれた悠久杉、これはやっぱりそっとしておきたい。人間に見つかったら、きっとまつり上げられてしまう。そしてこの場所に来ようと人が殺到し、きっと死人が沢山でるだろう。それほど危険な場所に立っている。神経を削りながらようやく下山。時計を見ると、夜の21時を少しまわっていた。合計17時間半の旅。今日は休息日。屋久島にコノヤロ的な雨が降り注いでいる。 ノムラテツヤ拝 ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |
洞窟の先へ2016-03-30 Wed 09:48
![]() 今回のイースター島は、どのツアーもやらないことをやる。 自分が長期住んでいた経験を元に、モアイ以外の美にも沢山触れるように予定を組んだ。 ハンガロア近くの7体のモアイ・アフアキビ。 この祭壇は南北に作られ、春分秋分の日の夕日の方向をモアイたちは見ている。 海岸部のモアイとは違い、内陸部のモアイは、農耕に使う暦のためにも使用していたのでは?というのが現在の通説だ。 そこから歩いて、洞窟へ。 島には200以上の溶岩洞窟がある。 その中でも、僕が最も愛する洞窟へ皆様をご招待。 真っ暗闇の洞窟を前に、みんなの顔がこわばるのが分かった。 ふふふ、だからこそ、旅って面白い。 自分自身であれば、決して足を踏み入れないところも、進んでいかねばならないのだから。 ヘッドランプの明かりをつけて、みんなで奥へ奥へ。 ![]() ある場所でランプの明かりを消すと、とろけるような闇が迫ってくる。そして壁から落ちる水滴が、水琴窟のように辺りを響かせる。 日常で闇が少なくなった。だからこそ、人は自然と離れてしまっているような錯覚を覚えるのだと思う。闇は怖いものではなく、優しいものでもある。 宇宙に抱かれている感覚も、闇によってより深く味わえる。 闇の奥に一条の光が。 そこに、僕が名付けた「生命の樹」がある。 ![]() 天上の崩れた場所から光が射し込み、それだけで、このアボガドの木は命を繋いだ。 41歳。どうして年齢が分かるのかは、自著「イースター島を行く(中公新書)」をご覧くださいませ。 みんな次々に感嘆の声を発する。 ![]() そして、その生命の樹に吸い寄せられていく。 ノムラテツヤ拝 ![]() ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |
ケントノココロ2016-03-29 Tue 14:02
「現在、宮崎で市原悦子さんと撮影しています。日本三大秘境、椎葉村というところが舞台で、とても素敵な作品になりそうです。去年、今年と映画を何本かやれたお陰で、待機作がいっぱいで楽しみです。また春にお逢い出来たら嬉しいです」林遣都。
2013年9月だから、もう2年半前になる。 南米チリの首都サンティアゴの空港で、初めて林遣都という俳優と出逢い、チリの花園番組で同じ時間を過ごした。 あの頃は、まだ自分の人生をぼんやりと考えていた遣都。 「自分の人生なんだから、どうせ同じ時間を過ごすのであれば、楽しまないと勿体ないよ」 最終日の夜、自分の部屋に遊びに来た彼に、そう言ったのを覚えている。 何かスイッチが入ったのかな。 あれから、彼の目の色が変わった。強く強く上を見上げる瞳。 ![]() 素晴らしいマネージャーとも出逢い、現在はNHKの大河ファンタジーの「精霊の守り人」のシュガ役も射止めた。 又吉直樹の著書「火花」の主役にも抜擢された。 これから放映される映画だけでも、「僕だけがいない街」、「花芯」、「グッドモーニングショー」、「にがくてあまい」、 そして今回の宮崎撮影中の「しゃぼん玉」と続く。 若い遣都が、自分の持ち時間を考え、目の前の仕事に邁進する。 その向こうに広がる世界も、ちゃんとイメージしながら。 なんだろう、この暖かで静かな嬉しさは。 自分が上の人たちから貰ったものを、下に繋げていく。 人生とは、そんな道管に過ぎないのかもしれない。 でも、なんて素晴らしいのだろう。 連綿と続いてきた「心」を受け止め、またご縁のあるところへ送っていけるのだから。 ![]() 遣都、「世界一の俳優」を目指せ! 僕も、君に負けないよう、全力で命を燃焼させます。 ノムラテツヤ拝 ![]() ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |