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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

アナケナ

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イースター島に初めて人がやって来た。
それは6世紀~9世紀頃と言われているが、未だハッキリしたことは分かっていない。
ただ伝承によれば、ホツマツア王とその一行は最初にこのアナケナビーチに降り立ったという。
島には、浜らしい浜はなく、上陸ポイントは限られる。きっと、島を一周して、楽に上がれるポイントを探したのだろう。
それから1世紀以上たち、現在ではイースター島で最も美しい場所として愛され、島民も海水浴に出掛ける。
今日も快晴。
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毎日、帰りの便が少しずつだけれど取れ、現在は10人までが予定通り帰国出来るようになった。でも、絶対に予定通り帰らねばならぬ人もまだまだいる。Sちゃんと連絡を取り合いながら、色々なシュミレーションを繰り返し、とにかく、明日までは今まで通り、空きが出たらコツコツと押さえていくということで、電話をきった。
アナケナのモアイは、長年砂に埋もれていたため、島で一番状態が良いモアイであり、背中の彫刻は必見だ。褌をぎゅっと締め、鳥人タンガタマヌの彫り物も見える。祭壇には昔のモアイの顔がハマリ、祭壇更新をしていたことも伺える。
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吹き抜ける海風が気持ち良い。
空を見上げると、太陽が七色に光り輝き、みんなの顔を照らした。
                 ノムラテツヤ拝
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さくらのきせつ

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ご近所の桜が、少しずつ咲いてきた。
散歩に出かけて、一枚、一枚撮影する。
こんな風に今日も写真を撮らせてもらえることに感謝。
美しいものを、美しいって、言えることに手を合わせる。
風が吹いてきた。
今日も自然が気持ち良さそうに話してくる。
自分の内側に広がる自然、そして外側に広がる自然。
その呼応こそが、自然写真というものなんだと想う。
太陽が光芒を伸ばして煌めく。
僕たち地球で生かさせてもらう、すべての生命も同様に煌めいている。
             ノムラテツヤ拝
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悠久杉

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写真を整理していたら、懐かしい一枚が出てきた。
今、あの杉はどんな風に森を守っているのだろう?
どんな静謐な空気に包まれているのだろう?
目を瞑ると、いつでもあの頃に還れるような気がした。
今から15年前、僕は「テツヤ通信」にこう綴っている。

「縄文杉」。
この名前にどれだけの人がロマンを感じているのだろう?
昨日、この杉に抱かれてきた。屋久島には、人に見つかっているだけでも(名前が付いているだけでも)縄文杉が37本あり、その中でも特に巨木なものは、ビックエイトと呼ばれている。縄文杉、ウィルソン株、大王杉、翁杉、大和杉、紀元杉、万代杉、そして弥生杉の計8本。
一昨日、昨日、今日と山を駆けめぐり、その全ての杉と逢ってきた。今日まで出逢った屋久杉の総数は19本。ちょうど半分だ。
矢山流の測り方で、気を測定していくと、最大が20として大王杉(18)、紀元杉(17)、大和杉(16.5)の順となる。
愛する岐阜の飛弾地方にある巨木でも10そこそこなのだから、この3本は尋常ではない気を放出している。
では、「縄文杉」は?
この問題は後回しにして、ちょっと前から話すとしよう。
島に着いたのは、2日前、僕は激安レンタカーを探していた。
ちょうど、運良く会社を見付け、聞いてみる。
「一日5000円が基本です」人の良い社長が言う。
それから値切って値切って、保険込みで一日3000円まで下げてもらう。そして僕は、今まで聞いた屋久島話の中で、心揺さぶられた話をさせてもらった。
「僕の古い友人なんですけれど、屋久島出身で写真家なんですね。彼曰く、縄文杉の裏山に、もう一つの縄文杉くらいの樹齢を誇る木が眠っている・・」と。さすが自称屋久島通と名乗るだけはある。社長は、頷きながら、「あるよ」と一言。
「それを全面的に公開しないのは、やっぱり痛んでしまうのと、第二の縄文杉として知られるのが嫌だからですか?」
「オマエさんは山を良く登るのかね?」
「すこしは」
「ちょっと待ってな、電話かけてみるから。いると良いんだけどなぁ~」
「あぁ~もしもし、今ここに変なヤツが来ているんだけど、例の話を知ってるんだよ。写真家Y氏の紹介で」
10分後、やってきたのはヒゲモジャの仙人のような男。名を仮にKさんとしておこう。彼が唐突に聞く。
「で、オマエさんはその杉を見たいのか?」
「出来ることならば」
「なら、連れてってやる。ただ守ってもらうことがある。沢登りとかしなくてはならないから、もし一度でも諦めたらそこで引き返すこと。時間にして丸一日はかかるから」
完全にKさんの勢いに押され、僕は少しばかり後悔し始めていた。話を聞くと、沢登りだけではなく、ロッククライミング、ケイビングのような事までしなければならないらしい。
早朝4時、Kさんと共に、縄文杉までぶっぱなした。
「縄文杉は通常の人で往復9時間。オマエさんの早さに関係なく、ワシは5時間で行く、じゃないと間に合わない」
ロボットのように話すKさんが前を行く。ヘッドランプの明かりを頼りに、漆黒のトンネルを抜け、トロッコ道を歩くこと1時間半、ようやく登山口までやってきた。よっし、と一気に登る。目標である2時間半で、何とか縄文杉へ到着した。
「結構早いなぁ~オマエ。良いぞ、このぶんなら間に合うかもしれない」
縄文杉へ早速ふれる。んっ、矢山流で測ると、最大の20を示す。というか無限大の数字。でも何か前出の3つの屋久杉とは違う。触ってみると顕著なのだが、前出の屋久杉は気持ち良い、でも縄文杉は怖ろしいほど体が、魂が引っ張られる感じがする。どこか遠い深海へ引きずり込まれていくような・・・・。
風景には、気には「陰」と「陽」がある。
前の3本が「陽」なら、明らかに縄文杉は「陰」となる。がしかし、陽と陰はお互いに調和して初めて完全に空気に溶け合う。
「何モタモタしてる、早く行くぞ!」
Kさんがイライラしてる。怖い・・・・・
「は、、はいっ!」
それからの道はきつかった。道は獣道となり、どんどん藪漕ぎして道を作ってゆく。あまりにも奥へ入ってゆくので、心配になってくる。一応、怖いので、ビニールテープのマークは付けてきているが、濃霧に包まれたら一発でおしまいだ。
沢登りではべっちょべちょになり、ロッククライミングではグッチョグチョ。もう体はボロボロ。でも不思議なことに息は切れないのだ。屋久島に来てから、ずーっとそう。屋久島と自分の体が合うのだろうか。
縄文杉から登ること、5時間。
Kさんが、突然立ち止まった。
「良くやった。これがその場所だ」
目の前には、縄文杉よりもでかいであろう、巨大杉が凛と立っていた。
なんなんだ、この静かなる迫力は。
「Kさん、この杉って名前無いんですよね」
コクッと首を傾ける。
「僕が名前付けても良いですか。悠久杉という感じですね」
「ほ~ん、じゃぁ、オレとオマエの中だけで悠久杉な」
悠久杉に初めて触れてみた。
生まれて初めて裸の女性を触るときくらい緊張した。
ゆっくり手をはわせると、手からゴーンと伝わる霊気。僕はその場に崩れ、号泣した。
縄文杉が陰、世界観で言えば「黄泉の国」。
悠久杉が陽、「天上界」への入り口となる。
つまり、2本で一体なのだ。
山を挟んでちょうど対称の位置で縄文杉と悠久杉が重なり、陽と陰が立ち上る。
そこに生まれる完璧なハーモニー。
その調和の気は何処へ行くのか?
一体何処から気は流れてくるのか? 
悠久杉と縄文杉から教えてもらった聖地へ、僕は明後日、目指すことにした。
PS、Kさんのお陰で出逢わせてくれた悠久杉、これはやっぱりそっとしておきたい。人間に見つかったら、きっとまつり上げられてしまう。そしてこの場所に来ようと人が殺到し、きっと死人が沢山でるだろう。それほど危険な場所に立っている。神経を削りながらようやく下山。時計を見ると、夜の21時を少しまわっていた。合計17時間半の旅。今日は休息日。屋久島にコノヤロ的な雨が降り注いでいる。
               ノムラテツヤ拝
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洞窟の先へ

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今回のイースター島は、どのツアーもやらないことをやる。
自分が長期住んでいた経験を元に、モアイ以外の美にも沢山触れるように予定を組んだ。
ハンガロア近くの7体のモアイ・アフアキビ。
この祭壇は南北に作られ、春分秋分の日の夕日の方向をモアイたちは見ている。
海岸部のモアイとは違い、内陸部のモアイは、農耕に使う暦のためにも使用していたのでは?というのが現在の通説だ。
そこから歩いて、洞窟へ。
島には200以上の溶岩洞窟がある。
その中でも、僕が最も愛する洞窟へ皆様をご招待。
真っ暗闇の洞窟を前に、みんなの顔がこわばるのが分かった。
ふふふ、だからこそ、旅って面白い。
自分自身であれば、決して足を踏み入れないところも、進んでいかねばならないのだから。
ヘッドランプの明かりをつけて、みんなで奥へ奥へ。
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ある場所でランプの明かりを消すと、とろけるような闇が迫ってくる。そして壁から落ちる水滴が、水琴窟のように辺りを響かせる。
日常で闇が少なくなった。だからこそ、人は自然と離れてしまっているような錯覚を覚えるのだと思う。闇は怖いものではなく、優しいものでもある。
宇宙に抱かれている感覚も、闇によってより深く味わえる。
闇の奥に一条の光が。
そこに、僕が名付けた「生命の樹」がある。
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天上の崩れた場所から光が射し込み、それだけで、このアボガドの木は命を繋いだ。
41歳。どうして年齢が分かるのかは、自著「イースター島を行く(中公新書)」をご覧くださいませ。
みんな次々に感嘆の声を発する。
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そして、その生命の樹に吸い寄せられていく。
                 ノムラテツヤ拝
イースタ島005
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ケントノココロ

「現在、宮崎で市原悦子さんと撮影しています。日本三大秘境、椎葉村というところが舞台で、とても素敵な作品になりそうです。去年、今年と映画を何本かやれたお陰で、待機作がいっぱいで楽しみです。また春にお逢い出来たら嬉しいです」林遣都。

2013年9月だから、もう2年半前になる。
南米チリの首都サンティアゴの空港で、初めて林遣都という俳優と出逢い、チリの花園番組で同じ時間を過ごした。
あの頃は、まだ自分の人生をぼんやりと考えていた遣都。
「自分の人生なんだから、どうせ同じ時間を過ごすのであれば、楽しまないと勿体ないよ」
最終日の夜、自分の部屋に遊びに来た彼に、そう言ったのを覚えている。
何かスイッチが入ったのかな。
あれから、彼の目の色が変わった。強く強く上を見上げる瞳。
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素晴らしいマネージャーとも出逢い、現在はNHKの大河ファンタジーの「精霊の守り人」のシュガ役も射止めた。
又吉直樹の著書「火花」の主役にも抜擢された。
これから放映される映画だけでも、「僕だけがいない街」、「花芯」、「グッドモーニングショー」、「にがくてあまい」、 そして今回の宮崎撮影中の「しゃぼん玉」と続く。
若い遣都が、自分の持ち時間を考え、目の前の仕事に邁進する。
その向こうに広がる世界も、ちゃんとイメージしながら。
なんだろう、この暖かで静かな嬉しさは。
自分が上の人たちから貰ったものを、下に繋げていく。
人生とは、そんな道管に過ぎないのかもしれない。
でも、なんて素晴らしいのだろう。
連綿と続いてきた「心」を受け止め、またご縁のあるところへ送っていけるのだから。
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遣都、「世界一の俳優」を目指せ!
僕も、君に負けないよう、全力で命を燃焼させます。
               ノムラテツヤ拝
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