写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

奥宮

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昔から信じている宗教がある。
仏教、キリスト教、イスラム教、ヒンドゥー教、ジャイナ教・・・・・。
世界には様々な宗教があるけれど、僕は主に古神道を信じている。
分かりやすく言えば、アニミズムの世界観。巨石、巨木、山や海など自然の中の神が息づく思想だ。「八百万の神信仰」とも呼ばれる。
その根源は一体何処にあるのか?
2年前、その存在を教えてもらい、以降、僕の中で国内の行ってみたい場所ナンバー1となった。
博多講演の後、僕はレンタカーで一路、東へ向かった。
八百万の神信仰の故郷は八幡様。その総本山が大分の宇佐神宮だった。
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僕は何かに引かれるように、神宮から山々を巡り、そして9合目にある奥宮へ。
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拝殿に上がらせてもらうと、その先の石鳥居には有刺鉄線が張られていた。
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禁足地であり、これ以上は入ることが許されないという。
頂き付近には、3つの磐座があり、そこに女神が降り立ったことから、八百万の神信仰が始まったという。
石鳥居から離れ、僕は体の引かれるまま、左側に続く獣道を降りた。
そこには古い鳥居と、水場を祀る祠が。
背後の太陽を入れて、しばらく撮影していると、画面にピンク色の光が写り込む。
まるで赤いオーロラのように時に激しく、ときにたおやかに揺らめく。
「あれは何だったのだろう?」
ふと視線を鳥居の中へ写すと、そこには何かが立っているような気配が。そして画面よりも青紫がかった光が、肉眼でも見えたのだ。
鳥肌がぶわっと立ち、次の瞬間、嗚咽するように、涙が溢れ出てきた。
今まで感じたことのない、お湯のような涙が。
5分は泣いていただろうか?
もう一度、さっきと同じように鳥居へ視線を移すと、また光が現れる。
僕は静かにカメラのモードを写真から動画に切り替えた。
                  ノムラテツヤ拝
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地震の話

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こうちゃん、えいこちゃん、山ちゃん夫妻から、地震の話を沢山聞かせてもらった。
一度目の震災時は、こうちゃんは寝入ったばかりで、気づかずにスヤスヤと熟睡していた。
震度7で寝られるその胆力って・・・。
高級マンションの8Fにお住まいの山ちゃん夫婦は、2度の地震とも、その瞬間に死を覚悟し、怖くて互いに抱き合って寝た。それを横で聞くえいこちゃんが羨ましがる。可愛いなぁ。
イオンなどの大きなモールなどは、天井が崩壊して休業を余儀なくされる中、いち早く復興したのがコンビニエンスストアの存在。震災時に一番欲しかったのは、やはり水だった。
でもこうちゃん宅は、あれだけの大震災でも殆ど無傷だった。
「私たちは守られていたと。ありがたい」。そう手を合わす姿は、菩薩のよう。
被害にあった家族や親せき、近隣の人たちを自宅に受け入れ、子供たちで溢れかえった。
みんなで智慧を出し合って、水を切り詰める生活。
「そんな時、役立ったのが海外を旅したときの経験だったと。とくにモンゴルね」
洋式の便器にラップを張って、そこにウンコをする技を編み出したのも、えいこちゃん。
子供たちも面白がって、ラップが大活躍したという。
「てっちゃん、これがうちの守り神」
こうちゃんが手招きして見せてくれたのは、玄関の電灯にピトッと付いたヤモリ。ジイッと獲物を待つ姿に心が穏やかになった。
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現在は、各家の玄関に被害状況の書かれた色つきの紙が張られている。
緑は被害小、黄色は被害中、赤は被害大と色分けされて。
隈部家は奇跡的に地震保険に入っていたので、数日前にその査定に保険の人がやって来た。
所々、ひび割れしる壁や瓦などをチェックしていく中で、えいこちゃんが目の下あたりを指して。こう言った。
「ここも、地震後にヒビ割れたと・・・」
「奥さん、そこは化粧で何とか補修して下さい」
何ともユーモアに飛んだやり取りに、みんなで爆笑した。
帰り際、えいこちゃんからナンバープレートの秘密を教えてもらった。
こうちゃんが車を変えた時、「おれのナンバープレート良いだろ」とえいこちゃんに言う。
「8551」
えいこ、こういち。
「だから、わたしも5185にしたわ」
一つの物語になりそうな、隈部夫婦。
こうちゃんに熊本市内を見せてもらい、僕が予想していたよりも、崩壊していた。
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特に熊本城は、瓦が落ちただけでなく、全体的に武者返しの石垣が崩落していた。
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ゆっくりで良い。
熊本の魂でもある、日本屈指の名城を、もとの通りにひとつひとつ直していって欲しい。
大好きな熊本。
いつか、この町に住みたいと想う。
                   ノムラテツヤ拝
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隈本の夜

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愛して止まない御夫婦がいる。
博多のセミナーが終わってすぐ、僕は水色の九州新幹線に飛び乗った。
あっという間、ものの40分で熊本駅へ。
地震の影響をものともせず、復興のために駅はとても混み合っていた。
「てっちゃん!」
改札口でその端正な顔を見た瞬間、全身の力がふわりと抜けた。
「久しぶり!」
「地震大変でしたね。でもお元気そうで何よりです」
「今日、仕事、忙しかったんだけれどなぁ~」
公認会計士のこうちゃんは、かなりのイケメン。そして底抜けに優しい。
10分くらいで家へ着くと、高級料亭のような素敵な門構えの邸宅があった。
こうちゃんの名字は「隈部」。
熊本の語源は隈本。加藤清正が、もっと強いイメージが良いと、隈→熊に変更したという。つまり隈という字が付いている人は、名家でもあるのだ。
玄関をあけると、これまた美人の奥様えいこちゃんが飛び込んでくる。
ほんと、絵に描いたような美男美女の夫婦。
「てっちゃんのために、色々用意したと」
熊本弁が耳に優しい。そして地震復興も続く中で、信じられないような大酒宴が始まった。
「最初はやっぱり、アレとね!」
震災時、えいこちゃんとLINEでやり取りし、逐一状況を教えてもらっていた。テレビから流れる情報との乖離に、毎度驚かされた。
「あの地震の時、てっちゃんと一緒に呑もうって、抱いて寝て守ったと」
えいこちゃんが出してくれたのは桐の木箱に入れられた一本のシャンパン。
ラベルには「Crystal」と書かれていた。それも10年物の逸品。
「これって、あのクリスタルですよね?」
「そうよ、〇万円するって言ってたと」
シャンパン好きだけれど、実はクリスタルって飲んだことがない。生まれて初めてのクリスタルと熊本で出逢えるとは。
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今夜の酒宴は親友の山ちゃん御夫妻も参戦。こちらも美男美女夫婦。
かんぱーい!
味はビンテージらしく樽香が効いて、後味がいつまでも津波のように続いた。
天草などで採れる新鮮な魚介類から、カラシレンコンやからすみ、黒豆など。料理上手なえいこちゃんの手料理がズラリと並ぶ。
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そして、一際目を引くのが、世界最高の馬肉。長野、山梨なども有名だけれど、熊本の馬肉は2段くらいレベルが違うと思う。そして幻のたてがみ。コリコリとした食感で脂がとろけた。
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シャンパンから熊本の「花の香」という日本酒へ。これがまたイケル。
なんでも獺祭で修業してきた杜氏が作っているらしい。
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「これからが本番と」
えいこちゃんが、プラチナ色の肉?魚?を持ってくる。
「これって、まさか?」
「やっぱり熊本って言えば、ハモよ、ハモ」
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「関西の大阪や京都じゃなく?」
「天草で取れたものが今、あっちに言ってると。さ、ハモシャブ、ハモシ
ャブ」。
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梅肉をつけて頂きます。この新鮮なハモ特有の分厚い味を、上品な出汁が更に豊潤にした。
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そして一通り食べると、今度は肉へ。
「やっぱり、わたしは肉と」とえいこちゃんが満面の笑み。
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ラストは雑炊で締め。
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熊本の夜は、まるで天国への一本道。
永遠に続けばいいのに。心からそう想った。
              ノムラテツヤ拝
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玄海の夜

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旅の中で、誰かが待っていてくれる。
なんて幸せなんだと思う。
機体は玄界灘をぐるりと旋回し、ゆっくりと博多の町へ滑り込んでいく。
荷物を受け取り、外へ出ると「野村哲也さま ウェルカム」のボードと共にKさんが最高の笑顔で待っていてくれた。
イースター島ツアーで知り合ったKさん。有難いことに博多の町を案内してくれると言う。まず最初は、博多祇園山笠の櫛田神社へ。夕陽が射し込み、その荘厳さに手を合わせた。
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Kさんと散策しながら、県民ならではの福岡と博多の裏話を聞かせてもらう。福岡は武家、博多は商人。川を挟んで分けられた。市の名前もわずか1票さで福岡市が勝ったというから驚きだ。確かに福岡市博多区だもんなぁ。
そして天神にあるアクロス福岡へ。まるでピラミッドの断面を見ているような形状で、見事な屋上緑化。ビル自体が森のようになっていた。
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夕陽に照らされる町には、やたらと異国の人たちがいた。もしかしたら日本で一番外国人率が高いかも?と思うほどに多い。そして目鼻立ちがハッキリとして南国美人も颯爽と歩いていた。
夕食はKさんとKさんの旦那さん、弟さんの4人で。
店は「桧がき」さん。
「んもうっ。博多に住みたい!!!」と思うほど、蛸、貝、きびなごなど玄海の幸が並んだ。
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たっぷり敷かれた海苔の茶碗蒸しも絶品。
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鮎の塩焼き、イカ、ウニ、マグロ、ごま鯖、アナゴと怒涛のように続いた。
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地元の日本酒と共に、会話も熱が入り、弟さんの話に大爆笑。
「昔、おかあちゃんが占い師のところに行って、俺のことを聞いたらしい」
「そしたら?」
「イエスキリストの生まれ変わりだって」
だからこんなに話上手なんだ。
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そして俯瞰的な視線から繰り広げられる世界観に酔いしれました。
現地の友がいる。
それは人生を限りなく豊かにしてくれる。
                   ノムラテツヤ拝
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旅をすること

「What Am I Doing Here ?」
敬愛する旅行作家、ブルース・チャトウィンが好んで使った言葉。
正確に訳すと「僕はここでいったい何をしているのか?」。
旅と共に生き、その博学さと目の付け所から高みを目指し、やがて旅と共に散った知の巨人。
「どうして人は旅をするのか?」
チャトウィンの原動力は、その探求にこそあった。
「あそこには、もっと良い狩場が、もっと農耕に適した場所が、もっと豊かな島が・・・」
古代から人間は、今よりもより豊かな場所を求めて移動し続けてきた。
でも、理由は本当にそれだけだろうか?
僕は違うと思う。
場所を移動することは、すなわち「心」も移動させること。
動くことで心はドキドキ、ワクワク、時にオロオロしたりする。
だからこそ、人は一つの場所にずっといると、どこか別の場所へ行きたくなってしまうのだ。
いわばDNAに刻まれた「魂の渇望」。
「僕はいったい何処へ向かうのか?」
若い頃、随分と思い悩んだことがある。
でも思い悩めば思い悩むほどその答えは出ない。考え抜いて、考え抜いて、その先に手放す時がやって来る。考えることが日常化して、普段になった瞬間、答えはポロリと落ちてくる。
折角この世に生まれた生命。であれば、僕は命を賭けて地球を遊び切りたい。
支えてくれる周りの人たちが幸せになるように動き、2年ごとに世界をガラリと変えて、正面からぶつかっていきたい。
この世に住んでいる人たちが、どんな楽しい今を過ごしているのか? どんな悲しみに暮れているのか、共に感じて寄り添いたいと想う。
「世界196ヶ国に、足を踏み入れる」
20歳~41歳の現在までで107ヶ国。計算上ではあと20年で196ヶ国に到達できるけれど、治安的に難しい場所も出てくるだろう。ただ、今まで世界の辺境・秘境ばかりを旅してきたので、メジャーなヨーロッパ、中欧などは殆ど足を踏み入れていない。それらを越せれば150ヶ国が見えてくる。
「どうして人は旅をするのか?」
それは初体験を積み重ねて経験にし、その経験の先にある初体験を求めたい。
外からの変化を全身で受け止め、内から湧き出る変化を浸み渡らせ、それらをバランスよく統合させたい。僕の幸せの形は、きっとそんなところにあるような気がする。
今日から、新たな国内&海外3週間旅が始まる。
時空のトンネルの先には、どんな世界が広がっているのか?
しっかり目を見開いて、細胞の全てで感じたいと思う。
                      ノムラテツヤ拝
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