地震の話2016-05-25 Wed 18:18
![]() こうちゃん、えいこちゃん、山ちゃん夫妻から、地震の話を沢山聞かせてもらった。 一度目の震災時は、こうちゃんは寝入ったばかりで、気づかずにスヤスヤと熟睡していた。 震度7で寝られるその胆力って・・・。 高級マンションの8Fにお住まいの山ちゃん夫婦は、2度の地震とも、その瞬間に死を覚悟し、怖くて互いに抱き合って寝た。それを横で聞くえいこちゃんが羨ましがる。可愛いなぁ。 イオンなどの大きなモールなどは、天井が崩壊して休業を余儀なくされる中、いち早く復興したのがコンビニエンスストアの存在。震災時に一番欲しかったのは、やはり水だった。 でもこうちゃん宅は、あれだけの大震災でも殆ど無傷だった。 「私たちは守られていたと。ありがたい」。そう手を合わす姿は、菩薩のよう。 被害にあった家族や親せき、近隣の人たちを自宅に受け入れ、子供たちで溢れかえった。 みんなで智慧を出し合って、水を切り詰める生活。 「そんな時、役立ったのが海外を旅したときの経験だったと。とくにモンゴルね」 洋式の便器にラップを張って、そこにウンコをする技を編み出したのも、えいこちゃん。 子供たちも面白がって、ラップが大活躍したという。 「てっちゃん、これがうちの守り神」 こうちゃんが手招きして見せてくれたのは、玄関の電灯にピトッと付いたヤモリ。ジイッと獲物を待つ姿に心が穏やかになった。 ![]() 現在は、各家の玄関に被害状況の書かれた色つきの紙が張られている。 緑は被害小、黄色は被害中、赤は被害大と色分けされて。 隈部家は奇跡的に地震保険に入っていたので、数日前にその査定に保険の人がやって来た。 所々、ひび割れしる壁や瓦などをチェックしていく中で、えいこちゃんが目の下あたりを指して。こう言った。 「ここも、地震後にヒビ割れたと・・・」 「奥さん、そこは化粧で何とか補修して下さい」 何ともユーモアに飛んだやり取りに、みんなで爆笑した。 帰り際、えいこちゃんからナンバープレートの秘密を教えてもらった。 こうちゃんが車を変えた時、「おれのナンバープレート良いだろ」とえいこちゃんに言う。 「8551」 えいこ、こういち。 「だから、わたしも5185にしたわ」 一つの物語になりそうな、隈部夫婦。 こうちゃんに熊本市内を見せてもらい、僕が予想していたよりも、崩壊していた。 ![]() ![]() 特に熊本城は、瓦が落ちただけでなく、全体的に武者返しの石垣が崩落していた。 ![]() ゆっくりで良い。 熊本の魂でもある、日本屈指の名城を、もとの通りにひとつひとつ直していって欲しい。 大好きな熊本。 いつか、この町に住みたいと想う。 ノムラテツヤ拝 ![]() ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |
隈本の夜2016-05-25 Wed 17:41
![]() 愛して止まない御夫婦がいる。 博多のセミナーが終わってすぐ、僕は水色の九州新幹線に飛び乗った。 あっという間、ものの40分で熊本駅へ。 地震の影響をものともせず、復興のために駅はとても混み合っていた。 「てっちゃん!」 改札口でその端正な顔を見た瞬間、全身の力がふわりと抜けた。 「久しぶり!」 「地震大変でしたね。でもお元気そうで何よりです」 「今日、仕事、忙しかったんだけれどなぁ~」 公認会計士のこうちゃんは、かなりのイケメン。そして底抜けに優しい。 10分くらいで家へ着くと、高級料亭のような素敵な門構えの邸宅があった。 こうちゃんの名字は「隈部」。 熊本の語源は隈本。加藤清正が、もっと強いイメージが良いと、隈→熊に変更したという。つまり隈という字が付いている人は、名家でもあるのだ。 玄関をあけると、これまた美人の奥様えいこちゃんが飛び込んでくる。 ほんと、絵に描いたような美男美女の夫婦。 「てっちゃんのために、色々用意したと」 熊本弁が耳に優しい。そして地震復興も続く中で、信じられないような大酒宴が始まった。 「最初はやっぱり、アレとね!」 震災時、えいこちゃんとLINEでやり取りし、逐一状況を教えてもらっていた。テレビから流れる情報との乖離に、毎度驚かされた。 「あの地震の時、てっちゃんと一緒に呑もうって、抱いて寝て守ったと」 えいこちゃんが出してくれたのは桐の木箱に入れられた一本のシャンパン。 ラベルには「Crystal」と書かれていた。それも10年物の逸品。 「これって、あのクリスタルですよね?」 「そうよ、〇万円するって言ってたと」 シャンパン好きだけれど、実はクリスタルって飲んだことがない。生まれて初めてのクリスタルと熊本で出逢えるとは。 ![]() 今夜の酒宴は親友の山ちゃん御夫妻も参戦。こちらも美男美女夫婦。 かんぱーい! 味はビンテージらしく樽香が効いて、後味がいつまでも津波のように続いた。 天草などで採れる新鮮な魚介類から、カラシレンコンやからすみ、黒豆など。料理上手なえいこちゃんの手料理がズラリと並ぶ。 ![]() ![]() ![]() そして、一際目を引くのが、世界最高の馬肉。長野、山梨なども有名だけれど、熊本の馬肉は2段くらいレベルが違うと思う。そして幻のたてがみ。コリコリとした食感で脂がとろけた。 ![]() シャンパンから熊本の「花の香」という日本酒へ。これがまたイケル。 なんでも獺祭で修業してきた杜氏が作っているらしい。 ![]() 「これからが本番と」 えいこちゃんが、プラチナ色の肉?魚?を持ってくる。 「これって、まさか?」 「やっぱり熊本って言えば、ハモよ、ハモ」 ![]() 「関西の大阪や京都じゃなく?」 「天草で取れたものが今、あっちに言ってると。さ、ハモシャブ、ハモシ ャブ」。 ![]() 梅肉をつけて頂きます。この新鮮なハモ特有の分厚い味を、上品な出汁が更に豊潤にした。 ![]() そして一通り食べると、今度は肉へ。 「やっぱり、わたしは肉と」とえいこちゃんが満面の笑み。 ![]() ラストは雑炊で締め。 ![]() 熊本の夜は、まるで天国への一本道。 永遠に続けばいいのに。心からそう想った。 ノムラテツヤ拝 ![]() ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |
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