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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

円形劇場

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旅をしていると、いつもその地の図書館が気になる。
デザイン都市のストックホルは、やはり世界屈指の機能美を讃えていた。
円形劇場のような場所に、ぐるりと三段の棚が張り巡らせ、そこに世界各国から集められた本がズラリと並んだ。
僕も、天国のようなその場所に立って、分厚い本を広げてみる。
あぁ~、幸せ。
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翌朝、早起きして散歩。
ガムラスタン(旧市街)を見渡せる場所からシャッターを押した。
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ここには世界的に有名なユースホステルがある。
ガムラスタンの対岸、そうこの船が、実はユースホステルになっているのだ。
岐阜ユースで生まれ育った僕としては、どうしても巡礼しておきたかった地。
朝のパリっとした空気感に、よく似合う光景だった。
               ノムラテツヤ拝
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地下鉄アート

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スウェーデンは絵に描いたようなデザイン都市だった。
観光地にあまり興味のない僕は、地下鉄へ。
海の底の岩盤をくり抜いて、全長100キロ以上の路線網が広がっているのだが、今から約40年前、2人の芸術家が駅の暗い壁に絵を書き始めた。やがてその運動は大きくなり、コンペで駅の壁画を決めることに。
今ではどの駅もそれぞれ趣向をこらし、一大美術館のようになっているのだ。
芸術、特にデザインは何のためにあるのか?
それはやっぱり、人を幸福にさせるためにある。少しの気遣いで、幸せになることは沢山あると思うから。
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殺風景だった壁には、虹の橋がかかり、植物たちが生え、ハッとするような深紅の洞窟と最新のエスカレーターの組み合わせもあった。
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自分の最寄駅が、こんな風だったら素敵だな。
            ノムラテツヤ拝
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住むように旅する

「2年間外国に住んで、2年間日本に住む」。
これを自分のライフスタイルにしてきたが、今回のアイスランドの旅を通して、もう一つの楽しみを見つけた。
「住むように旅する」。
Airbnb が世に出て、世界はよりオープンになった。
日本でいうところの民泊というものだが、世界では無視できないほど大きなマーケットになっている。
見知らぬ場所に行って、ホテルに泊まり、レストランで食事する。それよりも僕は、住むように民泊し、地元の市場で新鮮な食材を
見つけて台所で調理したい。ホテルよりも安い分だけ長く滞在し現地の人の話を聞きながら、定住者の視線を全身に浸み渡らせたい。今まではなかなか難しかったことが、現在はネットを使っていとも簡単に出来るようになった。
世界の流れを観察しながら、ライフスタイルは臨機応変に。常にワクワク、ドキドキする道を歩みたい。
PS,民泊した時に、ダイヤモンドカットした大きなガラスが飾られていた。それらを逆から覗いてみたら。
             ノムラテツヤ拝
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109ヶ国目

アイスランドからスウェーデンのストックホルムへ。
空港に降り立つと、茜色の夕日が出迎えてくれた。宿へ着く頃にはシットリと闇が広がり、1ヶ月ぶりの北斗七星の姿が。
白夜の世界から、夜に抱かれた瞬間、僕はアイスランドを離れたことを頭ではなく体で知った。
109ヶ国目のスウェーデン。
翌朝は一番で、近所を散歩した。
初めての国に来ると必ずすること、それは散歩。地図を持たずに、何も調べずに、風に流されるまま歩いてみる。
それは初体験者の特権。人生にたった一度しかないのだ。
北欧特有の光の柔らかさ、それに輝く木々や車、町全体がひかる感じにうっとりする。綺麗好きな国民なのだろう、清掃車が行ったり来たり。自転車で駆け抜けていく人、ウォーキング、ランニングに勤しむ人。カフェからローストの香りが漂い、凛とした風が頬をなでていく。街路樹のプラタナスや楓がトンネルを作り、赤や黄色のカラフルな家が立ち並ぶ。
ショーウィンドウに、可愛い犬の置物を発見。
僕は立ち止まり、ファインダーを静かに覗いた。
ガラスには、紺碧の青空と朝日を浴びたビルの姿が反射する。
それらを組み合わせて、シャッターを一枚だけ押した。
数日前、ある若者から相談を受けた。
「僕は個性的ではないので・・・・」。何度かそんな文字が綴られていた。
「個性」とは、一体何だろう?
あの人は個性的だね、個性が突出しているね、個性を大事にしなさい、と人は言う。
本当にそんな物は在るのだろうか?
僕は、持って生まれた個性は、ほとんど無いと思っている。
いかに多くの体験をし、掘り下げて学び、魅力的な人と出逢うか。
ある日、それらの経験を組み合わせて、別の新しい何かを作ると、あの人は斬新で個性的だねとなる。
「ダーウィンの進化論」も、突然閃いたわけではなく、いくつもの重要なパーツが事前に解明されていたのは有名な話だ。
だから「個性がある、ない」なんてことで悩むのはナンセンス。
自分のために、周りの大切な人のために、目の前の時間を丁寧に使っていけば、きっとその人にとって良い人生になっていくのだと思う。
さぁ、これからストックホルムの町へ繰り出します。
世界屈指のデザイン都市は、一体どんな世界を見せてくれるのかしら。
まっさらな気持ちで、見たいと思います。
              ノムラテツヤ拝
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同調

「ぶっつけ本番」
講演とかであれば、大好きだけれど、撮影となると、いかんせん苦手。
だって、撮りたい対象と波長が合わないまま終わってしまうから。
世界って不思議。
どの場所へ出掛けても、+の気、-の気の割合が違う。そしてそこの自然が持つ波長の振動も。
僕たち人間は、目の前の自然からいつも最高のエネルギーを与えてもらっている。
身の回りもものだと、ラジオを想像してもらえば分かりやすい。
80.00の東京FMは、79.9や80.1では砂嵐が混じって聴きにくい。80.0にした時だけ、ハッキリと声が耳へ届いてくる。それと同じように自然の力を、自身の体でどれだけ貰っているかは自分次第なのだ。
自然の中に身を置く。まずはここにいさせてもらえる事に感謝する。
体内の波長を+と-に大きく振幅させ、自然の波長に自分を近づけていく・・・・・。
僕は撮影という行為を通して、それらを実践しているのだと思う。
近づけるまでは簡単。でもそれからと同調するまでは、時間がかかる。
1日目はダメ、2日目もダメ。ようやく3日目くらいその時は訪れる。
自分という存在が消え、自然と自分の境目が無くなる。大自然の中へ吸い込まれていくような感覚だ。
その瞬間、僕の意識とは関係なく、シャッターが切れる。
「自然が僕の代わりにシャッターを押してくれる」
そんな風に出来上がった写真は、撮影者の僕という存在は消えている。
僕は透明人間となり、見てくれる人が、まるでその場所にいるような空気感が漂う写真となる。
これが、僕の理想の写真。
アイスランドで、何度かこんな僥倖を得た。
それは、写真家冥利に尽きる時間だった。
                 ノムラテツヤ拝
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