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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

北欧の夏

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北欧の夏。
予想以上に美しく、何処へ出掛けるでもなく、光のシャワーが降り注ぐ。そして地面に光が降り積もって、人々まで輝かせる。
またいつか、この国には戻ってくるような、そんな気がする。
今日で北欧は最後。
批判を恐れずに独断と偏見で書けば、僕の北欧感想はこんな感じだ。
一般に北欧はデンマーク、ノルウェー、スウェーデンの3ヶ国を指すが、その周りのフィンランド、アイスランドも入れようと思う。
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デンマーク)
言わずとしれた北欧で最も洗練された王国。美男美女も沢山いて、みんな坊ちゃん、嬢ちゃん系が多い。醤油顔好きにはたま
らない場所。
フィンランド)
さすがスオミの国。純白系の女性が町を闊歩する一方、なぜか美男は少ない。男性も女性も、恥ずかしがり屋なところがあり、
たまにハニカム姿がたまらない。
ノルウェー)
恐ろしいほどの美女遭遇率。バイキング軍団がそこ、ここに。目が合うと、ニッコリ笑い、愛嬌たっぷり。旅をしていて、とても気持ちの良い場所。
スウェーデン)
北欧(スカンジナビア)の雄としてのプライド、気品を植え付けられてきたのか、少し斜めを向くようにツンとしている。少し太めの人が多く、全体的に笑顔や愛嬌は少ない。
アイスランド)
肌は北欧中で最も白く、妖精のような人が沢山いる。性格は実直、シャイで静かだが、こちらから話しかければ、寒気がするほどの美しい氷の微笑で応えてくれる。
バイキングの王国も、こうやって自分の足で踏み入れてみると、千差万別。そしていつも想うのは、現地民の性格や性質は、そ
の大地の自然と必ず似通うこと。だって、その大地の恵みを頂き、人間は生かされているのだから。
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自分をてっとり早く変えたければ、簡単。
大地を変えること。今とは別の場所で異なった食べ物を体内に取り込み、違う性格の人々と交遊する。
それぞれ体内には、どんなものも映す水で7割満たされている。それらが目の前のものと映し合うことで、自然に確実に変わっていく。
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「若い時に旅をさせろ!」と昔から言うが、その意味は3つある。
一つ目は阪根ひろちゃんが言うように、自分が無知で白痴で、何も出来ないと知ること。
2つ目と3つ目は、最近より強く想うこと。
・自分がいつでも好きな時に変われるということ。
・自分の立つ場所は、ここだけじゃなく、世界中どこでも良いのだと知ること。
それらを体感するために、若い時に旅をする。または心が若い内に旅をすべきなのだろう。出来れば一人旅で。
オスロの街中から乗ったバスはトンネルを抜け、新緑の中を国際空港へ向かってひた走る。
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「僕たちは、何時でも、何処でも、選択することが出来る」
陽が照ると光の粒が降り注ぎ、雪のように積もっていく。
              ノムラテツヤ拝
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ムンクの叫び

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オスロの国立美術館。
その19番部屋に、ムンクの絵がズラリと飾られていた。
凄い行列になっているところが勿論「叫び」。
僕はその絵に近づいて、横から見てみた。
美術の教科書に出ていた誰もが知るムンクの叫び。
でも教科書では絶対分からないのが、どれだけの色を重ねて厚みを作っているかということ。そしてそこから発せられる
エネルギー。
グルグル、グルグル。絵の周りはそんな気に満ちていた。
ムンクの言葉を信じれば、この絵の誕生秘話はこうだ。
"わたしは2人の友人と道を歩いていた。太陽は沈みかけていて、突然、空が血の赤に変わった。わたしはふと憂鬱を感じて立ち止まった。青黒いフィヨルドや町並みが炎の舌と血に覆いかぶさるようで、ひどく体がだるい。友人は歩き続けたが、わたしはそこに立ち尽くしたまま不安に震え、自然の発する果てしない叫びを聴いた"
つまり、叫んでいるのは、ムンクではなく、まわりに自然。本人はその声を聴いているという設定なのだ。
絵を前にして、ジックリとその中へ入っていく。自分の気と絵から放たれる気を合わせていく。
鬱や精神疾患のような、気が僕の体に入りこんでくる。
その答えを、僕は次のムンク美術館で知ることになるが、その前に、国立博物館で最も感動した絵、それがマドンナだ。
一目見た瞬間に、額から飛び出してくる存在感に圧倒された。
そして、まるでセックスしているような女性の声が波紋のようにこだましてきた。上部から月の光が射し込んでいるような色合いに、身体は妊娠している。
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マドンナだから、通常はマリア様のことを指す。でもこの絵はムンクの愛おしい人だったのかしら?
色の厚みを見ると、まさにムンクの愛のように、何度も何度も重ねられていた。
ムンクのことを何も知らない僕はその足で、ムンク美術館へ。
ここで、幼少時の母の死、そして青年期の父の死。本人は精神疾患にかかっていたことを知った。
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ポートレートが何枚も展示されているが、時代と共にどんどん暗く、赤や黒が多くなっていく。最後は、地獄の業火に焼かれたポートレートで締められていた。
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マドンナの版画版もあった。周りには白い骸骨のようなものと精子が泳ぐ姿。
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精神的に飛んでいたムンクは、それらを周りではなく、絵の中にぶつけて偉大なる成功をおさめた。
ムンクの叫びの舞台となったエーケベルグの丘へ。
少しずつ陽が傾き、オスロの静謐な夜景が浮かび上がった。
              ノムラテツヤ拝
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