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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

哲学都市

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朝、パルテノン神殿に行くと、すごい人だかり。
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ドリーネ式の列柱や精巧な彫刻、エレクオンの女性たちなど教科書に出たまんまの建造物がデーンとある。
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でも、まだ修復中。
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サグラダファミリア並みに時間がかかっていることに素直に驚き、ギリシャという国の深みを考えさせられた。
陽が高くなるにつれ、汗が噴き出る。
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とても哲学するどころじゃない。
でも、昔の神殿は位の高い者しかいられなかったわけだから殆どの人は下から見上げ、この全面大理石の神殿にひれ伏し
ていたのだろう。
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人生で一度は見なければならぬ建造物として取っておいたパルテノンに41歳でようやく立てた。
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博物館も素晴らしかった。
夥しい彫刻群、残る色彩、精密な動物の金型など。そしてサモトラのニケではなく、カリマチョスのニケもいた。ニケとは勝利の女神のこと。
今も昔も人は偶像を作り、そこに力を封じ込めた。
変わらぬものが無いからこそ、不変に憧れたのだろう。
哲学はギリシャで開花した学問。
ソクラテス、プラトン、アリストテレス・・・。
それらの根幹は「生きるとは何か?」という永遠の命題だ。
アテネの語源は、守護神のアテナ。
守られる都で、路地裏で、ビールをあおりながらぼんやりと考えた。
やっぱり、今の僕には一つだけ、その答えが浮かんでくる。
生きるとは「ひとつ」になること。
周りの愛すべき人々と、まだ見ぬ魅力的な人々と、そして僕たちを生かしてくれるこの美しき地球と。
旅は大詰め。
本当はエーゲ海の島々をまわろうと思っていたが、やっぱり最大限楽しくワクワクする方向へ。
考え抜いた結果、ギリシャからイタリアに渡り、目的の島へ向かった。
               ノムラテツヤ拝
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Gマスター

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写真家にとってレンズは絵筆のようなもの。
絵描きが最適の筆を使うように、写真家も対象物に最適なレンズを使う。
20歳から写真家という職業に付き、今まで軽く100本のレンズは使用した。
一つひとつレンズによってもクセがあり、その持ち味を出せた時は快感だった。
ヨーロッパを旅して想ったこと、それは日本のカメラメーカーが世界を席巻していること。ニコン、キャノン、ソニーで90%を占める。残りのオリンパス、富士、リコーペンタックスなどが続くが、世界一と名高いドイツのライカは1%にも満たなかった。
世界の2大カメラメーカーはニコンとキャノン。お互いに切磋琢磨しながら、技術改新を続けてきた。
時代はフィルムからデジタルに移行するにつれ、写真はより手軽となる一方、カメラシステムの根幹が変わってきた。フィルム時代は特にレンズの出来が写真に強く影響したが、今は最も大切なものが変わった。
デジタルカメラの脳みそと言うべき「イメージセンサー」、そしてデジタルを演算処理をする高速プロセッサーだ。それらのシェア40%の会社が我が国が誇るソニー。でも、デジタル一眼の世界では、いつも劣等感を強いられていた。
「どうせ家電メーカーだろ、良いレンズなんて作れないくせに!」
世界中から有能な技術者が集まり、ソニーデジタルカメラチームが結成され10年。ようやく、2大メーカーに太刀打ち出来る位置まで上ってきた。
いや、最も大切な「イメージセンサー」部分に至っては、もう断トツ世界一。他の会社の3年ほど先を行っている。
そして肝心のレンズも、ソニーの今持てる技術を最大限集結させ、ここには書けないが、とんでもない方法でGマスターというシリーズを世に送り出した。
24-70mm、85mmのレンズ。その描写力は圧倒的で、クリアな描写なのに溶けるようなボケ味を映しだす。
僕が今まで使ったレンズで、ここまで高性能で革新的なレンズは無い。
そしてようやく今日、待ちに待った70-200mmのGマスターレンズと2倍のテレコンが発売され、手元に届いた。
カメラに付けて覗いてみると、一目で分かる。
未だ見たことのない初めての世界が、ファインダーの中で像を結んだ。
酷使するからね。これから一緒に世界中を巡るよ!
                ノムラテツヤ拝
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日本 | コメント:0 | トラックバック:0 |

120ヶ国目

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ドロミテ、アイガー、マッターホルン、そしてモンブラン。
夢のようなアルプス山脈横断の旅が終わり、ドイツのミュンヘンへ。
翌日、飛行機でヨーロッパ文化発祥の地へ飛んだ。
「ギリシャ」
これで120ヶ国目だ。
実を言うと、僕はこの120という数字をひとつの目安にしてきた。
僕の前を走ってくれているZさんは、現在135ヶ国ほど旅されているが、「100ヶ国までは誰でもいける。でも120ヶ国まで行けば大したもの」と常々言われていた。ようやくそこまでやって来た。あとは上へ向かって、ひたすら登っていくだけ。
初めてのエーゲ航空に乗ると、スッチーたちの制服に目を奪われた。
ちょっとエロティックな半袖コスチュームなのだ。
ものの2時間ほどでアテネ空港に着陸。
今までの国と違い、大地が茶色っぽく、焦げているみたい。
外へ出ると、26~27度くらいの気温。湿度が無いため、それほど暑さは感じなかった。
地下鉄で町中へ。久しぶりの車じゃない旅が始まった。
夜はもちろんフェッタチーズが乗ったグリークサラダから始め、スカンピ(海老)や蛸、ムール貝など舌鼓をうった。
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やっぱり、ヨーロッパで美味しいのは、南の方だとしみじみ。
翌日はアクロポリスのアゴダへ行き、精巧な列柱を見た。彫刻の美しさはさすがギリシャと見惚れる。
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昼は市場で海鮮をしこたま買った。
やっぱり、こんな美味しいものを前にすると、自分自身で料理したくなる。
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夕方から一気に晴れてきたので、パルテノン神殿を遠望できる丘へ向かった。
町の中心部の丘に建つパルテノン。
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太陽はゆっくりと下がり、最後は神殿をピンクに染めた。
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ギリシャでやることは決めている。
「哲学する」
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人生とは何か、なぜ私は生きているのだ?
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ソクラテス、プラトン、アリストテレス。彼らの生まれた地で、そんなことを考えてみたい。
              ノムラテツヤ拝
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