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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

樹齢3000年

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一本の木道が、森の奥へ続いていた。
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緩やかに下り、大きなカーブを曲がると、突然目の前に巨大な一本木が聳え、そこにスポットライトが当たっているように見えた。
ニュージーランドで2番目に高い木「テ・マトゥア・ワイポウア(森の父)」。樹齢は3000年を越える国内で最も古いカウリ(ナンヨウスギ)だ。
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あまりに突然の、圧巻の出来事に、僕はしばらく動くことさえ出来ない。
ただ、目の前に立ち尽くしていると、巨木からはとても細やかで静謐な氣が出ていることに気付いた。
言葉で形容するなら、森に立つ「聖老人」のような感じ。
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普段は雨が多いワイポウアの森に、真上から光が射し込んだ。
新しく持参した秘密兵器のレンズを装着し、息を止めて、祈るように全てを一枚に封じ込めた。
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ニュージーランド北部に樹齢3000年以上の、世界屈指の巨木が立っている。
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深く濃い森の中に、静かに、力強く、輝きに満ちて。
              ノムラテツヤ拝
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姉妹木

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ニュージーランドと日本の屋久島。
一見関係ないように見えて、実は美しい御縁がある。
姉妹都市というもの存在するが、2006年、世界初の姉妹木が誕生した。
屋久島が誇る縄文杉と、ニュージーランドのタネ・マフタ(森の神)。
互いの環境を理解し、守り、特に世界太古の木々とその森を残していくための約束だ。
オークランドの町を出るとハリネズミを目撃。そのまま東海岸を北上し、途中で博物館でニュージーランドの森についてお勉強。まるで屋久島の伐採と同じように、ここでもトロッコに乗せられて、木々が運ばれ家具や製材に使われていた。
姉妹木の調印締結時に、この地のマオリ族酋長が突然歌い出した。
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空から降り注ぐ崇高なるもの
大地から湧き上がる神聖なもの
それはタネ(神)の世界の内よりいずるもの
この素晴らしい御縁を歓迎します
広大な素晴らしいワイポウアの森から
そして日本の地の先導者たちへ感謝の念を込めて

タネ・マフタ(ニュージーランド)
樹齢 2350年
幹回り 14.6m
樹高 48m
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縄文杉(日本)
樹齢 2170年
幹回り 16.2m
樹高 25.3m
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世界一の古木は、USAのブリスルコーンパイン「メトシェラ」で4846年。
縄文杉も一時は樹齢7000年と言われていたが、最新の調査で2100年~2200年ということが確認されている。
                ノムラテツヤ拝
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オークランド

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写真家という職業をさせて貰っていると、よく聞かれる質問がある。
「セカンドカメラは何を使われているんですか?」。
メインカメラは写真家がそれぞれ最高だと思っているカメラを各々手にする。セカンドカメラはメインカメラを補完するもの。
今まではリコーのGR(フィルム)、GXR、ソニーのRX-1と使ってきたが、今はソニーのRX100Ⅳを相棒にしている。
ニュージーランドで最も賑わうオークランドの町。そこを散策する時などは、このカメラひとつだけで間に合わせる。
宿の庭でカラーと蜂をマクロでパチリ。すぐ脇に広がるコックス野生保護区では出来るだけ近寄ってカラフルなオウムを撮影する。
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町まで歩く途中、街路樹の形に違和感を覚え、遠くから眺めた。あぁ、ニュージーランドはあるものを大切にする国なんだ。街路樹の枝が例え邪魔になっても、電線の通る部分だけを剪定するのだ。
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街へ出ると、南半球屈指の都会が広がっていた。
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海鮮の有名店へ入り、ベルギービールとムール貝を1キロほど。
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貝はウマイ。その理由を目の前で見せてくれた。
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だって、貝自体が小さな子持ちの蟹を食べているんだもの。どうりで滋味深いわけだ。
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オークランドの対岸へ。
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そこからの風景は、まるで西オーストラリアのパースみたい。森と海と町がバランス良く寄り添う都。
僕たちは知っている。DSC05801.jpg


本当に必要なものは、美味しい空気と水、そして仲の良い家族と友達だと。
帰り道、激しい雨が降り注いだ。20分後に止み、太陽光が射し込んだ。
雨粒を抱いた植物たちがキラキラと輝き、生命を真っ直ぐ爆発させる。
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と同時に、背後には、低く長い七色の虹が。
南半球で最も高い塔「スカイタワー(328m)」に七色の橋が架かった。
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            ノムラテツヤ拝
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雲の湾

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22年ぶりのニュージーランド。
その感覚はまさに屋久島のようだった。
オークランド空港の自動ドアが空き、空気が入ってくると、そこは南国のシダの香りに包まれていた。
雨が降っていたからか、しっとりしたものが僕の周りにやってくる。挨拶するようにくるくる、くるくると廻った。
レンタカーを借りて、ハイウェイを北上し、一路オークランドへ向かった。
今日の宿も民泊。
ヨーロッパから引き続き、住むように旅したいから。そして現地の人たちがどんな風に生きているのかを肌で知るため。
部屋からの緑の眺めに釘付けになる。
大木には地衣類が付き、ここが雨の多い都市だと実感する。
まるでアマゾンのような不可思議な鳥の鳴き声が辺りを包み、目を瞑ると、身体が自然の中へ溶けていく。
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買い出しに行くと、この20年の変化を嫌が上でも教えてもらうことに。あの頃はビールは美味しかったが、ワインは。
僕もそこまで興味も無かったけれど、ここまで美味しくはなかった。その筆頭が「クラウディーベイ(雲の湾)」。
シャルドネも美味しいけれど、やっぱりソービニオンブランが好き。
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出てきた頃の衝撃をなんと現したらいいのだろう?
どこも突出させず、ひたすらバランスを追及したまあるい味。ソービニオンブランなのに尖った部分を一切見せないワインだった。それらがやがて世界に認められるにつれ、どんどん値段が吊り上り、今では通常4000円(日本)。本場では安売りして2200円~2300円くらい。
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もちろん購入して飲んでみると、やっぱりバランス重視のワイン。何にでも合うので、アボガドシーチキンサラダは勿論、鶏の丸焼きなんかでも喧嘩しない。
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シャワーを浴びて、その感覚にもしやと思い水道から水を掬ってみる。一口含むと、恐ろしいほどの軟水。外へ出ると雨上がりの空気はすこぶる美味しく、まあるかった。
僕はクラウディーベイの故郷にいる。
その意味を教えてもらった時間だった。
              ノムラテツヤ拝
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ニュージーランド

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11月史上初、成田は積雪していた。
紅葉する銀杏の黄葉、それらにボタ雪が白いベールをかけていく。
外に出ると、ブルルッ。強烈な寒気にやっぱり震える。
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さぁ、今日は出国日。
成田第一ターミナルでチェックインをして、今はANAのラウンジ。
使用機体はエアーニュージーランド、行き先はオークランドだ。
初めてニュージーランドを訪れたのは、19歳の時。もう22年も時間が立っていた。
あの頃見た、絵画のような自然。それは何処を見てもため息が出てしまう光景だった。人情も厚く、僕が少しでも困った顔をしてい
ると、すぐに「大丈夫かい?」と声がけしてくれたキウイ(ニュージーランド人の愛称)たち。
時代が進むにつれ、体験の積み重ねや心の在りようが変化するにつれ、どんな旅になっていくのかしら?
まるで初めての国ように、ドキドキワクワクしている。
今回は子供たちの写真絵本作成のために、取材も兼ねての撮影行。その舞台がポリネシア全般となる。
世界中で自分にしか作れないものを大切に作り上げる幸せ。
撮影期間は3週間。ゆっくりと今のニュージーランドと関わり合ってきたい。
大自然、マオリの文化、そしてそれらを作り上げてきた国の大切にしてきた空気感、それらを全身で測りたいと想う。
夕方になるにつれ、真っ白い雪はみぞれ、そして雨に。
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ラウンジでいつものかき揚げうどんとカレーを食べて、さぁ、出発だ。
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皆さま、行ってきま~す!
                ノムラテツヤ拝
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