夢の夜2016-12-16 Fri 18:43
![]() チリの秘境プエルト・エデンで忘れられない夜を過ごしたことがある。 先住民リンチェとの体験を、僕はこう書いている。 家の前にくくりつけていた紐を外し、2人乗りのカヌーで闇の中へ漕ぎ出してみる。 オールで水面を弾くと、カヌーはゆっくりと海へ押し出された。プエルト・エデンの海は、鏡のように凪いでいる。星々が海へ映り、僕は銀河船に乗った。天の川をまたぎ、南十字星をくぐり、流れ星を仰ぎ見た。 オールを置き、しばらく流れに身を任せた。 静かだ。風も殆どなく、聞こえるのはリンチェと僕の呼吸音だけ。空へ手を伸ばせば、星が墜ちてきそうな近さ。海に手を入れると、星は輝きごと揺れた。 もう二度とこんな夢のような夜を体験することが無いだろう。それほど海におびただしいほどの星が完璧に海面に写り込み、まるで宇宙へ飛び出したようだった。 ニュージーランドのワイトモ。漆黒の洞窟で無数の土ボタル(Glow-worm)が壁を照らしていた。和名はヒカリキノコバエ。その幼虫がお尻から粘性の糸を垂らして、蜘蛛の巣のように獲物を狙う。幼虫も糸も青く光る。そこへゆっくりとボートで流れると、あのプエルト・エデンの体験を彷彿とさせた。 ![]() 僕は知らぬ間に泣いていた。 「地球は美しい」。 こんなに尊い地球に、生を頂けて、本当に有難くて仕方ない。 ![]() 僕は青い星、無数の地球が光る洞窟の中を、奥へ奥へ更に突き進んだ。 ノムラテツヤ拝 ![]() ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |
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