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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

告知

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今週末は2つの大きなセミナー&講座があります。
一つは今年の6月に開催するブータンツアーのセミナーを、HISの敏腕プロデューサーの鮫島さん、NGO代表の田儀さんの3人でトークセッションさせてもらいます。新しい旅の風が吹くように頑張ります。会場はHISのお洒落なカフェです。
詳細)
http://peatix.com/event/226773/
もう一つは銀座4丁目にあるソニービル4Fで「究極の絶景」トーク
ショー(12時30分~13時30分)。その後は「野村哲也の絶景写真講座」
~太陽と星空・風景撮影の魅力~を語ります(14時~16時)。
誰でも参加されますので、銀ブラも兼ねていらして頂けたら幸いです。
詳細)
https://ers-sony.secure.force.com/Event/pageEventDetail?e=a245F000001UO0pQAG&p=%E9%8A%80%E5%BA%A7
どうぞ宜しくお願い致します。
        ノムラテツヤ拝
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大きな仕事

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全身全霊をかける、大きな仕事が決まった。
僕は100歳まで生きると決めているけれど、あと8年で折り返し地点。
現在120の国々を訪れているが、50歳到達までに世界193か国(国連加盟国)全踏破をぜひとも成し遂げたいと思っている。
「写真」という仕事はどうだろう?
15歳から撮り始め、22歳で写真家の道を選んだ。自分にとって理想の写真とは、自分自身がいなくなる写真。対象に真っ直ぐ全霊で集中していくと、ある時、自分自身がふっと消えそうになる。最初は怖くて戻ってきていたが、パタゴニアを撮影中、その怖い気持ちを手放した。
すると記憶は飛んでしまったが、大自然や野生動物の中に吸い込まれていく体験をした。そして気づくと、何枚かシャッターが押されていた。
その写真を見て、僕は確信した。これが僕の追い求める究極の写真だと。
そこには自分という個性は入らず、まっさらな無垢の世界が。まるで大自然の前に立っているような「透明感のある静謐な氣」が伝わった。
2年間外国、2年間日本という撮影スタイルで臨んできたのもそのため。撮影国にしっかりと足を付けて集中するため。でも最近、それらが少しずつ変わってきた。
初めての場所でも、自然がまるで手招きするように受け入れてくれる。そして集中すると自分が消え、「撮らさせてもらった」写真が生まれていく。
多分バランスが少しずつ良くなっているのだろう。だからこそ、僕は今、無性に撮影地の現場にいたい。撮らさせてもらえる時に、全身全霊をかけてこの美しい地球を撮影したい。
その想いが少しだけ天へ届いたのかな?
大きな仕事、ワクワクする仕事が、もうすぐ始動する。
                ノムラテツヤ拝
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生死の境

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講演、セミナー、原稿書き。
そして、また新たな講演の用意。
こんな時こそ、プライオリティを整理して、ひとつひとつ手を抜かずに。
今週木曜日の中日文化センター講座はアフリカ編。
昨日から昔の写真(スライドフィルム)を引っ張り出してきては、それらをデジタル化する。
18歳の時にアメリカ一周。19歳はアラスカとニュージーランド。そして20歳で生まれて初めてアフリカ大陸に足を踏み入れた。どうしてもこの目に見たかったケニア・タンザニアの旅だった。
僕がずっと知りたかったもの、それが死。生と死の境界線だった。
だから日々、動物たちの繰り広げられるダイナミックの生死の綾に僕の心は釘付けになった。
動物たちには、各々侵しがたい距離がある。英語で言うとナチュラルディスタンス(自然の距離)となるが、実際の生死の境目だ。
その距離よりも離れていれば、捕食者に襲われない。でも一歩でも内側に入ったら最後、その後には死が待っている。
ある日、ライオンが丘の上からジッと一頭のトムソンガゼルを見つめていた。あと数歩入れば、きっとライオンは走り始めただろう。でも、どうだろう。逃げるでもなく、ガゼルはその間合いをとったまま、ライオンの周りを優雅に歩いていく。
生まれて初めてみる、生と死の軽さだった。そこには生死だけで生きていない野生の世界があったのだ。
遠くサバンナをバックに、僕は望遠レンズを付けて、シャッターを切る。
フィルムの時代は、今のように写真の出来が現像するまで分からない。
露出は間違いなかったか? 手振れは起きてないか?
帰国して、手元にフィルムが来た時は、心臓が体の外から聞えてくるほどドキドキした。
そしてそのコマを発見して、僕は胸を撫で下ろした。
狙う者と狙われる者。そして狙われる者も生死の境を越えて遊ぶことが一枚に集約されていた。
その後の人生で、アフリカの動物たちを何枚撮影したことだろう。
でも、僕にとって、最初の旅で撮ったこの写真こそが、アフリカで最も心に残っている。
                 ノムラテツヤ拝
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