鹿の波長2017-07-17 Mon 18:50
![]() 知床峠に上がると、宇登呂方面に夕日が落ちていく。 撮影には最高の時間帯。ゆっくり下っていくと、黄金色に輝くエゾシカと出逢った。車から降りて、彼との距離を詰めていく。草を食んでいるときに動き、顔をあげたら止まる。その繰り返し。 鹿の波長と僕の波長が合ってきた。 もう目の前だ。こうなると、もうシカは殆ど逃げなくなる。 ![]() 興味津々にカメラをのぞき込み、クリクリの瞳に僕が映り込む。 羅臼岳を背景にも収め、宇登呂の見晴らし台から夕陽を狙った。 ![]() ![]() 雲間から線香花火のような夕日は現れ、雲に隠れた瞬間、夕日がニコッと笑った。 ![]() ![]() 「今日も素晴らしい一日を有難うございます」 夕日は消えることなく、水平線と溶け合った。 ノムラテツヤ拝 ![]() ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |
キツネの時間2017-07-17 Mon 18:47
![]() まるでサザエさん。 一匹のキツネが魚を加えて走っていく。 少し前から構えていると、目の前でピタリと足を止め、また何かにせかされるよう、僕の脇を抜けていった。 夏のキタキツネは換毛期のため、体はボロボロに見える。尻尾なんて、こんなに細くなっている。 車に乗り込み、キツネを追い越してしばらく行くと、テトラポットに3匹のキツネの姿。下りて近づいていくと、なんと子ぎつねだった。 ![]() 遠くから一枚、一枚と撮影していると、突然、子供たちが一斉に走り出した。そこにはさっき追い抜かしてきた、サザエさんがいた。 ![]() 彼らのお母さんだったのだ。子供のために一匹の魚を分け与え、こちらをちらりと見やる。僕はその姿を、ただ見つめた。 野生動物を撮影するとき、大切なのはその距離感。英語ではそれをナチュラル・ディスタンス(自然の距離)と呼ぶ。 動物の種類によって、同種でも個体によって、様々だけれど、心がけるのは、僕の距離に相手を巻き込むのではなく、相手の距離に寄り添うこと。相手が嫌がる距離になる一歩手前で、ジッと座り込む。 すると、どうだろう。 一匹の子ぎつねが、こちらに興味を示し、少しずつ間合いを詰めてくる。そして風上に立つ僕の匂いを確かめるように、鼻を高くあげた。 ![]() そして、ジッとこちらを見る。キツネと僕の人生が重なる瞬間。僕はこんなとき、無上の幸福を感じる。 ![]() 人生で出会える、こんな風に向き合える命は、どれだけいるのだろう? 間違いなく、この子ぎつねは、僕の大切な時間(瞬間)となった。 ノムラテツヤ拝 ![]() ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |
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