撮影秘話2017-07-27 Thu 10:47
![]() 今年の初めにハワイ島を訪れた時、現地に住む親友が、僕に会うなり言った。 「のむらくん、死ぬかもしれないけれど、好きそうな現地ツアーがあるよ」 話を聞くと、数日前に大きな岩が崩落し、そこから溶岩が海へ勢いよく流れ落ちているという。 そこにボートで近づくというんだから、確かに死にそうだ。 何かを判断するとき、僕は一つだけ大切にしていることがある。 「どちらの方がワクワクするか?」 もちろん答えは明白だった。 夜明け、僕たちはボートに乗り込み、20キロ先の崩落現場まで船を走らせた。 闇の中、オレンジ色の光がどんどん近くなり、海から上がる蒸気が見えてきた。 残り200mを切ったところで、カメラの異変に気付いた。 ソニーのカメラα7RⅡに、70-200mmGMレンズで撮影しようと用意していたら、何故か電源を入れてもAFが駆動しない。マニュアルで取るにしても、まだあまりに暗いのでリスクがある。 100mをきった。 仕方ない。もう一本のレンズ、24-70mmGMレンズに切り替えた。 20mを切ると、溶岩の滝が地球の血管のように見えてくる。そして海面からは爆発的に煙が上がった。 レンズが突然見えなくなる。慌てて前面を見ると、熱くてレンズが曇ってしまっていた。 拭いてシャッター、また拭いては撮影の繰り返し。 溶岩滝にあまりに近づき過ぎて、火傷しそうになる。もう10mをきっているだろうか。 有毒ガスで涙がとめどなく溢れる中、ふっと闇の海面を輝かせる溶岩の反射に気づいた。 船から身を乗り出し、手を下に伸ばせるだけ伸ばす。背面の液晶を見ながらピントを合わせ、海面すれすれからシャッターをきった。 海面の赤い光、そして水蒸気が奇跡的に止んだ一瞬、稲妻のような滝が海面へ飛び込んでいった。 「写真は自分が撮るものではなく、撮らせてもらうもの」 まさしく写真の神様が撮らせてくれた一枚だった。 もし最初に70-200mmの望遠レンズが壊れてくれなかったら、僕はこの引いた写真は撮ることが出来なかった。もし70㎜域で撮っていたとしても、重くて手ぶれしていただろう。 この時の撮影の模様(動画+文章)は、下記で見ることができる。 http://www.sony.jp/ichigan/a-universe/news/122/ 僕の力ではなく、何か大きなるものに撮らせてもらった写真だからこそ、最期まで面倒をみたい。 折角、世界一のナショジオフォトコンテストPEOPLES-CHOICEにエントリーして貰えたのだから、日本代表として、日の目を見させてあげたい。 http://travel.nationalgeographic.com/photographer-of-the-year-2017/gallery/peoples-choice-all/15 だからこその一票を、どうぞ、どうぞ宜しくお願いします。 ノムラテツヤ拝 ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |
飛翔2017-07-27 Thu 07:07
![]() 溶岩滝は2位1325票、ハチドリが1位1556票。 http://travel.nationalgeographic.com/photographer-of-the-year-2017/gallery/peoples-choice-all/15 強いなぁ、1位のミドリハチドリさんは。 人気の秘密はやはり構図にある。僕たち仏教国の人はあまり気づかないが、世界の人たちは、ハチドリの体と羽で十字を構成し、上部の花が血。つまりイエス・キリスト、聖杯ならぬ聖鳥に見えるのだと思う。 ペルーのアマゾン地帯で逢ったハチドリも綺麗だったな。 ハチのような「ブーン」という羽音をたて、毎秒約55回以上羽ばたくことで空中で見事なホバリング。 花の蜜まで最短で飛び、また一瞬で飛び去っていく。青、紺、コバルトブルーの配色。大きさはたったの8センチしかなかった。 今日も日本中、世界中からの投票で、このハチドリに近づきたい。どうぞ宜しくお願い致します。 ノムラテツヤ拝 ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |
| ホーム |
|