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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

米のちから

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味覚の秋。
日本中の友から、銀杏やら魚介やら旬の食材が届く日々。
有難いなぁ~と頂いていたら、今年は敬愛するAさんからお米が5キロ送られてきた。
実は僕は殆どお米を食べない。その代わりに日本酒を頂くので、食卓はいつもおかずが中心となる。以前Aさんとそんな話をしていた時に「僕のお米は特別だから是非食べてみてよ!」と言われていた。
新潟にタクジという友人がいる。彼は田植えをして、天日干しをして、それらを朝、自分で炊いて皆にふるまうという活動をしていた。今まで僕が食べたお米ランキングは、あの時の新潟牧村での朝御飯がナンバーワン。
Aさんから送られてきたのは、薄いピンクの袋に入った「えちご福徳米」。生産地は、新潟十日町市の村山。品種はコシヒカリだった。
まずは米を計量カップで掬ってみる。通常よりも小粒。でもその透明感に引き寄せられるものがあった。
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軽く握るようにして研ぎ、新米なので水分を少な目で炊く。
さて何を合わせよう?
まずは卵焼き、焼きサンマ、明太子で。
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30分後、出来上がりの米は、全米粒がピンと直立していた。茶碗によそうと、雪の結晶のよう煌めいた。
一口食べると、コメの甘い香りが鼻に抜け、噛めば噛むほどミルクのようになっていく。これは滋味深い。
卵焼き、サンマ、明太子、御飯。
そうか、御飯もしっかりおかずの一品になることを、生まれて初めて知った。
盛岡の友人でこんなことを言う女性がいる。
「わたしの好きなものランキングは、1位米、2位米、3位米」。
彼女の気持ちが少し分かったような気がした。
締めは玉子かけごはんに、納豆で。
悶絶するのを抑えきれず、Aさんにメールするとすぐに返信が。
「良かったです。実はこのお米、十日町の山の中腹、地元で大切に作られた場所にある小さな田んぼで、山の湧き水のみで育てた少量しか収穫出来ないものです。お米自体は普通のコシヒカリよりも小粒なのは、そんな理由からです。私は各地域でこんなお米を育ててもらって、地域の人と繋いで地域で消費する仕事を目指しています。自然農法なので味は素朴(私が子供の頃食べた味)ですが、その力強さがてっちゃんに伝わって良かった。私に回ってきた分を全てご縁ある人に配って、自分の試食は無いので私は味見できませんが・・・(笑)」
コツコツと手を抜かずに、真面目に邁進する。
その先にしか、本物は人を感動させるものは出来ないのだろうな。
日々の積み重ねを止めた時、人はあっという間に魅力を失っていくのかもしれない。
越後の新米、最高でした。
次回はこれで、贅沢にポルチーニ茸のリゾットを作ってみようかな。
         ノムラテツヤ拝
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帰国

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ワルシャワでショパンの博物館に寄ってから帰国。
家へ戻ると、新しいソニーカメラが届いていた。
外を見やると、まばゆいばかりの太陽光が降り注いでいる。
こんな日にこそやらなければ。新しいカメラを手にした時、必ずしなければならないことがある。カメラの設定をするのは勿論、他のカメラと同じ見え方に調整しないといけない。
まず最初にカメラのファインダーと液晶がまったく同じになるように。それが出来たら色出しが難しいとされる太陽光と青空、赤色、黄色という原色が、自分の目で見た通りになるまで、ホワイトバランスの中のさらに詳細を段階的に設定していく。
これを怠ると、肝心な瞬間に、完璧に合わせられないので、不安で仕方なくなる。
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近所の家と太陽、山茶花やツタ紅葉、そして真紅のもみじで合わせた。
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まだまだパーフェクトではないけれど、少しずつ自分の見た通りの色彩に合わせていきたい。
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ようこそ、ニューカメラさん。仲良くして下さいね。
        ノムラテツヤ拝
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ワルシャワ

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ワルシャワの街を歩くと、初冬の光にうっとりした。
北国特有の柔らかで、真っすぐな光。
町全体が陰影を帯び、はんなりと浮かび上がる。
旧市街はカラフルな建造物が並び、モロッコのヘナのような模様が壁面に記される。
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面白いな、お国が変われば、風習も、雰囲気も違ってくる。
家の前に置かれた骨太の犬の彫刻は、今にも動き出しそう。
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よっぽど犬好きな人が作ったんだろうな。顔はもちろん、指先にまで愛情が感じられた。
レンブラントやフェルメールの絵にある、透明感のある光は、きっと初冬の光。
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街並みを照らし、人の心をも温かくした。
          ノムラテツヤ拝
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ヨーロッパ | コメント:0 | トラックバック:0 |

123ケ国目

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オランダから123ケ国目「ポーランド」のワルシャワへ。
僕が世界193ケ国を目指し始めたのは、百戦錬磨のZ先輩がいてくれたから。最初にお会いした時は110ケ国、現在は122ケ国渡航している憧れの先輩だ。
まだ80ケ国しか訪れていなかった僕に、Z先輩はこう諭した。
「100ケ国以上の国に行ける人は世界を見渡してもそう多くはいない。だからこそ、自分が行きたい、そして行けると思ったら、遠慮せずにより多くの世界を見てこい。それが哲也の財産になるから。早く俺を追い越せ!後に生まれた者の宿命だぞ。上の世代を追い越していくのは」
ようやく42歳で先輩に追いつき、1ケ国分だけ追い越した。
今年は残り1ケ月の間に、アジア最後の国と憧れていた国の2ケ国を訪れるから、計125ケ国となる。
新しい国はいつも僕をワクワク・ドキドキさせる。それと同じように大好きな国は、リピートすることで視線を深化させていきたい。チリ40回、アルゼンチン33回、アメリカ30回(ハワイ・アラスカ含む)、そしてペルーは28回訪れているが、来年も1つ、2つと伸ばしていきたい。
機体は最終着陸態勢に入った。
さぁ、123ケ国目「ポーランド」を体験しよう。
ノムラテツヤ拝
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ちんなぶれ

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「ちんなぶれ」
ポーランド航空の美人フライトアテンダントがそう出迎えてくれた。
「ちんなぶれ」って、あんた。
振り返って、その卑猥な響きの意味を聞くと、ポーランド語の「こんにちは」だった。
世界には、そんな風な恥ずかしくなる逸話が多くある。例えば、「こんにちは」という日本語も、異国で話すと驚かれる。場所はペルーの山岳地帯、インカ帝国が使っていた言葉「ケチュア語」圏では、日本の女の子が「こんにちは!」と声をかけると、地元の男性群は、目を見開いた後、はにかみながら下を向く。「こんにちわい」、これがケチュア語では「抱いて」の意味になるから。
言葉って面白い。色々な言葉を自身に入れておけば、ある日突然点と点が線となって繋がり、笑い話になっていく。
スペイン語で言えば、アホはニンニク、バカは雌牛。加賀マリコは「オカマがうんこする」、そして日本が誇る三菱のパジェロは「ひとりH」となる。だからスペイン語圏では、パジェロはモンテーロ(山)という名前に変えて売られている。
PS,写真はベルギー、オランダで飲んだ、最も美味しかったビールIPAです。
ノムラテツヤ拝
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