雲の南2017-12-31 Sun 11:17
![]() 雲南(うんなん)、現地での発音はゆんなん。 何て素敵な響きなんだろう。 世界中を見渡せば、雲南省に当たる場所がいくつか思い当る。 ペルー最後の秘境チャチャポーヤスの意味は「雲の上に住む人」を指し、ニュージーランド北部にも「雲の民」が高地に住んでいる。日本だと雲上人、またはかすみを食べる仙人が、それに当たるのか。 上海から飛び立ち2時間ほどで、眼下に龍の腹のような鱗雲が広がった。最終着陸態勢に入ると、さっきまでの平坦な大地から黒い山が一気に盛り上がり、雲上に龍の背のように突き抜けた。 ![]() 僕が中国で最も好きな場所、それが四川省と雲南省。たおやかでおおらかで、雲のような、しなやかな人々が暮らす場所。 田畑に寄りそうようにして建つマッチ箱のような家々を横目に、昆明空港へ着陸した。 12年前、僕はここへ親友2人とやって来た。 ![]() あの時の思い出が、フラッシュバックのように急に蘇ってきた。将来の夢だけが溢れんばかりにあったあの頃、思い描いた未来の自分に僕は近づけているかな? 周りを少しでも幸せにしているかな? 夕日が空港を橙色に輝かせる。 将来の自分像は高ければ高い方が良い。今の自分が笑ってしまうくらいが僕にとってはちょうどいい。 あと10年後の自分を、この旅の中で思い描いてみたいと思う。 ノムラテツヤ拝 ![]() ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |
中国のネット事情2017-12-30 Sat 09:00
![]() 上海に降り立ち、長蛇の列の入国審査。 ターンテーブルで荷物を受け取り、国内線ターミナルへ移動。 3時間の待ち時間があるので、エアーチャイナのラウンジで軽く昼食を食べた。饅頭、芋、辣ラーメン、それに青島ビールに長城ワイン。 ラウンジのパスワードを打ち込み、ネットに接続すると、やはりgoogle、Gmail、LINE、Facebookなどが接続出来ない。「黄金の盾」と呼ばれる中国ネット規制システムだ。 少し前まではVPNという抜け道を使って、中国国外のIPアドレスを経由させて見るという裏技も存在したが、それも政府の更なる政策によって不可能となった。 では、抜け道はないのか? 答えは「ある」。 他国のSIMを使って、ローミングをかけること。例えば日本でドコモを使っている人が中国を訪れ、ローミングで繋げると中国の規制が届かない。でも、値段がべらぼうに高くなってしまうのがネックだ。今回自分が選んだのは、香港から格安のSIMを取り寄せて、シムフリーiphoneで使うこと。カードを入れて再起動しても、最初は圏外になっていたが、5分ほどで開通のメッセージが届き、中国移動(チャイナモバイル)の電波を掴むようになった。ドキドキしながらLINEやFacebookを試したら、見事に繋がった。 上海から更に小さな機体で、雲南省の昆明へ。12年ぶりの再訪となる。 ノムラテツヤ拝 ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |
富士フライト2017-12-29 Fri 22:19
![]() 朝の成田空港。 チェックインをしてANAラウンジへ向かうと、まだ誰もいなかった。さすがにビールは飲む気にならないが、いつものかき揚げうどんとカレー、それに白ワインで朝食だ。 ![]() 成田空港から、まずは上海へ向かう。 飛びあがった機体は関東平野でグルリと旋回し、遠くに紺碧の空の下、白く聳える富士が輝いた。機体は日本で一番高い山を目指し、進路をとる。 ![]() もしかして・・・。真夏では何度かあるが、雲一つない日に富士と対面するなんて何年ぶりだろう? おでこを窓に押し付けて眼下を見ると、川崎、横浜、御殿場と風景は流れ、やがて富士の稜線が見えてきた。 近い。 爆発するような想いを押さえながら、少しずつ現れる富士の雄姿を待ち構えた。山頂の奥には南アルプスと北アルプスの雪化粧。 ![]() 更に機体は富士に寄り、宝永火口や登山道が手を伸ばせば届きそうなほど。火口も朝陽を浴びていた。 昨日まで見上げていた富士が、今は高度1万メートルから見下ろしている。今まで何度も機内から撮影してきたが、今日ほど美しさを感じた日は無い。 ![]() 「有難うございます」。 手を振ると、富士もニッコリと笑った氣がした。 穂高、槍、常念、蝶、大天井、鹿島槍、白馬、雨飾。北アルプスの名峰が背骨のように聳え、その脇に宝剣岳、木曽駒、御嶽、乗鞍と続いた。 世界も美しいですが、日本も狂おしいほどの美を備えていますね。 さぁ、日本晴れの故郷を離れ、お隣の中国へ向かおう。 ノムラテツヤ拝 ![]() ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |
究極の店2017-12-29 Fri 14:58
![]() 入った瞬間、大将にギロッと睨まれる。 「この店は日本酒の専門店ですが、宜しいですか?」 「は、はい・・・。日本酒、大好きなので・・・」 ぶっきらぼうに見えた大将の話を聞く内に、師匠はなんと日本一の蕎麦翁・高橋名人だという。その腕を持ってして、酒のアテを作らせれば、不味いわけがない。 出汁で丁寧に仕込まれた枝豆や、胡麻味噌なんかをチビリチビリとヤリながら、 ![]() ![]() ![]() 京都の玉川「アイスブレーカー」をロックで頂く。そして、今度は同じものを熱燗で。その味の差と、美味さの多様性にため息が。こんな風にアテンドできる大将って素敵だわ。 ![]() ![]() ラストの蕎麦が、またしても衝撃の逸品。 田舎蕎麦を頼んだら「うちのは太くてとても固いですが大丈夫ですか?」と挑戦的な目で聞かれるので、黙って頷くと、10分後に出てきたザルを見て「ハニワ顔」になった。 まるでウドンのような極太の蕎麦。それも角がピーンと立っている。食べると、んもう、まるで蕎麦の曼陀羅。蕎麦粉のおやきを噛んでいるよう。切れ味の良い蕎麦ツユで頂くのも良いけれど、岩塩だとより蕎麦の持つ風味と甘味が感じられた。 成田の町に究極の日本酒&蕎麦屋「T」がある。さぁ、成田空港へ向かおう。 ノムラテツヤ拝 ![]() ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |
冬一番2017-12-28 Thu 16:29
![]() 戸塚から成田エクスプレスに乗った。 毎年恒例の年末をまたぐ旅の始まりだ。 ![]() それにしても、昨日の夕方と今朝の富士山はこの冬一番の美しさだった。 日本海側に寒波が襲来したが、関東地方は雲一つない快晴。キーンと張り詰めた空気感の中、まさに富士劇場と言うべき圧巻の光景が広がった。 ![]() 横浜に住み始めて10ケ月、ここまで富士が近くに見えた日は無かった。視線を合わせていると、その静謐な氣に後ずさりしてしまうほど。 ![]() ダイヤモンドのような太陽と富士の競演、飛行機と夕焼けの合作、そして今朝の紅富士と地上100mからの空撮。横浜は初霜。車のフロントガラスに氷の華が咲き、どこを狙ってもキラキラと光り輝いた。 ![]() ![]() もうすぐ成田。一泊して、明日の早朝出発する。 ノムラテツヤ拝 ![]() ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |