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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

フィッツロイ

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早朝起きて、外へ出てみる。
カメラを高感度に上げて、ワンシャッター。液晶にフィッツロイの頂きが浮かび上がった。撮影の準備を整え、すぐにいつもの展望台へ。途中でのり先生とも会い、一緒に行くことに。
蒼い空にチャルテンの村明かりが煌めく。20年ほど前に来た時は数軒しかなかったのに、この発展ぶりと言ったらどうだろう? その理由は、すべてこの尖峰にあった。
「フィッツロイ」。
現地では「チャルテン」と呼ばれ、雲を吐く山を意味する。
全世界の雲は、ここから製造されていくのではないか?と思うほど、自由自在に山肌から雲を作り上げる様は、まさに芸術だ。
朝日が山頂に当たり、ゆっくりと下りてくる。荘厳で静かな黄金の刻。その時、背後から何か気配が。振り返ると、大きなコンドルが僕の頭上をかすめていく。反射的にカメラで追うと、見事に朝日のフィッツロイと重なり合う。焦らず、心を落ち着かせて、羽が大きく開いた瞬間、シャッターを押し込んだ。
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空には、ハート形の雲が浮かび、思わず顔がにやけてしまう。世界で一番好きな山を前に、僕は大きな幸福に包まれた。
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「有難うございます」と頭を下げると、フィッツロイはたちまち頂きに雲を作り、髪をかきあげた。
僕が20年もこの地に通い続ける理由が、ここにあった。
 ノムラテツヤ拝
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テーマ:スナップ写真 - ジャンル:写真

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