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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

銀河の中へ

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夜中の2時、天の川が天頂にかかり始める。
無風。雨季よりも水が浅い分、360度、星に埋まった。三脚を立てて、Yくんに撮影時のテクニックとホワイトバランスの設定値を伝えた。
「僕、今までは◯社のカメラを使ってきましたが、ソニーに変えてから写真を撮るのが楽しくなりました」
そうそう、自分もそうだったので、その気持ちが痛いほど分かった。最新鋭のカメラは、もう人間の目を超えている。だからこそ撮影方法もガラっと変わる。大切なのは、今までの基本を学び、それらを疑い、今の撮影方法を身につけること。それがカメラを撮るのがより楽しくなるということなのだと思う。
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気温はマイナス6度、湖面にはきらめく南十字星と天の川が鏡のように反射し、それが早朝の4時まで続いた。なんと2時間の鏡面張りだ。
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午前4時10分、Yくんが「電池を代えに車へ戻ります」。それからだろうか?一陣の風が吹き抜けたと思ったら、一気にさざ波がたち、星々がたちまちかき消された。
あなたの夢を叶えます。自然は彼の夢のために頑張って無風にしてくれていたのだ。 粋な計らい、見えない心配りの力に手を合わせた。
「Yくん、あなたの夢は叶いましたか?」
朝日が出るまでしばし車で休憩。イサックが入れてくれたあつあつのココアを啜り、冷えた指先を温めた。
いつのまにかYくんは寝息を立て始めた
リアルな夢から空想の夢へバトンタッチ。
ドリームカムトゥルー。おめでとう。
ノムラテツヤ拝
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まぼろしのひかり

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「雨季に降った雨は95%干上がったよ」
ガイドのイサックの言葉を鵜のみにしていた。
夕方、ホテルから車で走ること15分で、僕たちは巨大な湖の真ん中にいた。
「実はまだ残ってるんだ」とイサックが僕らにウィンク。
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ガッカリしていたYくんは、一気にテンションが上がり、車を降りて夢うつつ。僕もあまりの嬉しさに「よっしゃぁ~」と腹の底から叫んだ。
まずは夕日をダブルで写し込む。
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広角、標準、望遠、マクロレンズを使って撮影。
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やがで夕日が落ちる頃、超望遠レンズで太陽の輪郭を撮影。もしやと思い、そのまま狙っていると、太陽の最期の欠片がオレンジ色から黄色、そして緑色に染まった。
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ウユニで初めて見るグリーンフラッシュ。隣で見ていたガイドのイサックが僕の肩に手を置いた。
「生まれて初めてこの目で見たよ」
生涯幸福になるという幸せの緑光が、ウユニ塩湖に現れた瞬間だった。
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日が落ちると藍色の時間が押し寄せる。この無限のグラデーションに、いつも心を鷲掴みにされる。
          ノムラテツヤ拝
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インカワシ

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お昼はピクニックランチ。
事前に頼んでおいた、キッシュと肉とキヌアのパスタ。塩湖上で食べるからか、美味しいんだな、これが。
雨季とは違い、塩湖も固まってきたため、今日はインカワシまで遠出する。約1時間、純白の大地を飛ばすと、蜃気楼の向こうに黒い影が見えてくる。
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秋田県とほぼ同じウユニ塩湖。その中央におへそのようにポツリと浮かぶのがインカワシ島。インカの宿の意味だ。ウユニ塩湖とインカの関係は、これまた面白いのだが、今日は割愛する。
インカワシ島を有名にしているもの、それがこのハシラサボテン。この島だけの固有種で、12月には黄色い透明感のある花を咲かせる。サボテンの根本で、ビスカーチャ(アンデスウサギ)が日向ぼっこ中。
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登山しながら、ハシラサボテンと宝石のような太陽を重ねた。
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一本で伸びるものがあれば、ミッキーマウスのようなサボテンもある。
頂上からは、雪のような塩湖を背景にサボテン。
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世界中探しても、この風景は無いだろうな。山を下りてからドローンで撮影。
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島の輪郭がよく分かり、あらためて塩湖の中心に立っていることを理解した。
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             ノムラテツヤ拝
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蒼き河

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早朝、ラパスからウユニへ飛ぶ。
所要時間はたったの45分。8年前に出来たこの航路のお陰で、ウユニは秘境から誰でも行ける場所になった。
夢を叶えるツアーのため、事前に写真が撮れる座席を押さえる。Yくんに座ってもらい、簡単な地形のレクチャーをして臨んだ。
30分ほど飛ぶと、遠くにウユニ塩湖の聖山「トゥヌパ山」が見えてくる。その前を流れる蒼き河。まるで氷河のようだが、水に色が付いているわけではなく空の青色を映しているのだ。
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着陸寸前には、河は更に大きくなっていった。
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掘っ立て小屋のようなウユニ空港に降り立ち、
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出口でプラカードを持つガイドと会うと、互いに声を上げた。2年前のツアーで、総ガイドを務めてくれたイサックとの再会だった。
僕のやりたいことを誰よりも理解する彼なら、きっとこの夢叶ツアーも上手くいくだろう。
ウユニの村郊外の列車の墓場を見てから、
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塩のホテルに荷を下ろした。
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さぁ、本番。Yくんの夢の時間が、これから始まる。
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            ノムラテツヤ拝
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α9

α9カメラグランプリ

御目出とうございます。
このたび、ソニーの最新機種α9が、カメラグランプリ2018大賞を受賞しました。
今日はカメラとは一体何なのか?から書き出してみようと思う。 
フィルムカメラの時はフィルムに光を透過させて現像液で色を定着させた。それに対してデジタルカメラはイメージセンサーで光を取り込み、画像エンジンで写真に処理していく。では、このイメージセンサーは何処で作っているのか?それ
が日本の雄・ソニーだった。
他にイメージセンサーを作っている会社はカメラメーカーだとキャノンしかない。でもその差は約2年、ソニーが進んでいるという。そう、勘の良い方ならもう分かるはず。
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キャノン以外のカメラメーカーの殆どが、ソニーのイメージセンサーを購入しているのだ。アイフォンも例外でなく、2016年のイメージセンサーの世界シェアは何と45%(2016年度)、半分を占めるほどに成長しているのだ。
その自社センサーを誰よりも知り尽くすソニーが、もしレンズとボディを作り上げたら「世界一のカメラメーカー」になれるのでは? それが10年前、ソニーがミノルタのカメラ部門を買い取った時からの野望だった。
ミノルタ時代からの名前αを引き継ぎ、レンズはカールツァイスから、ボディは2強のニコンやキャノンから学ぶことで、真骨頂のカメラが生まれていった。
フィルム時代から続いたカメラ内の鏡を無くしたミラーレスカメラ。ボディは小さくなり、異様に高感度が強くなったα7Sの発売(4年前)と同時に購入した。
隠すことはないので書くが、カメラの手ほどきをしてくれた父、兄の影響で、僕は写真を撮り始めた15歳からひたすらニコンを使ってきた。フィルムカメラはF4→F5→F6、デジタルになってからはD2→D3→D4まで使ってきた。堅牢なボディに無骨なレンズ、手堅い写りが、長年僕の仕事を支えてきてくれたのだ。
写真家にとってボディは絵具の色、レンズは筆だと常々思っている。ソニーは高感度にも耐えられる奇跡の色と極めて良質の筆を作り上げた。
旅の撮影はあっという間にソニーが主となり、やがてニコンは僕の部屋で眠るようになった。カメラは使ってもらってこそ価値がある。少しの迷いはあったけれど、手持ちのボディとレンズすべてを友人知人に売却した。
そして2017年、満を持して、一眼レフに引導を渡すα9が発売された。圧倒的な高感度、撮影時のブラックアウトフリー、秒20コマの高速撮影に加え、特筆すべきは、そのフォーカス追跡能力。瞳AFで常に瞳だけを追い続ける技術は、プロの技を軽々と抜き、これはプロのために作られたのではなくプロを殺すための武器なのでは?と疑うほどの出来栄えだった。動物もコンティニュアスAFで確実に追跡し、今までピンボケしていたカットも、確実に目にピントが当たるようになった。
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「まさにα9はAIを積んだカメラ」だと、発売時から現在までαアカデミーや店頭セミナーで幾度も話してきた。AIは未来ではなく、カメラ業界には、もう押し寄せているのだと。
これからは一眼レフカメラが消えて、ミラーレスカメラに取って代わっていく。理由はひとつ。α9はミラーレスの得意分野を更にブラッシュアップさせ、一眼レフの得意分野を全て凌駕したのだから。
2018年のカメラ大賞受賞、本当に御目出とうございます。でも、日々使っている者としては、当然の結果と受け止めています。
PS,写真はすべてα9で撮影。
ノムラテツヤ拝
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