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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

北極へ

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成田から春のコペンハーゲンへ。そこからノルウェーのオスロ経由でロングイヤービーエンへ飛んだ。
昔から恋焦がれていた場所がある。22歳、23歳、38歳と計3度南極の大地を踏んでいるが、北極には一度も足を踏み入れたことが無かった。43歳で、ようやくその地へ向かうことが出来る幸せ。
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最近は誰かの喜ぶ顔を見るアテンド旅が多かったけれど、純粋に自分自身の喜びのための海外撮影は久しぶり。ノルウェー領のスバールバル島ロングイヤービーエン港から6月2日に乗船し、6月14日まで2週間の船旅。野生動物の聖地と形容される北緯80度のスピッツベルゲン島をくまなく巡る。ネットは通じないので、FacebookやBlogなどは全く更新できないが、だからこそ大自然にどっぷりと浸かってきます。
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世界中から写真家たちが集まり、野生動物撮影に集中するフォトグラフィーツアー。写真家たちとの交流は勿論、どんな面白いことを考えているのかを吸収したいと思っている。
          ノムラテツヤ拝
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是山居

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今から6年前、衝撃を受けた番組があった。
NHKのプロフェッショナル、主役は早乙女哲哉氏だ。
東京の門前仲町に店を構え、天ぷらを揚げるその姿は、まるで修行僧。お客が何か質問しても、一切答えない。
それは、天ぷらの油の音を聞き、色を見て、ギリギリまで攻めているゆえのこと。
天ぷらという食文化の成熟に多大な影響を与えた伝説的職人であり、人々からは神様と形容される。
その真剣なまなざしと、天ぷらという世界に生涯を捧げる姿に、惹きつけられた。
今年の3月ウユニ塩湖をアテンドしている時、ひろちゃんが「はぁ、日本に帰国したら、美味しい天ぷらを食べたいなぁ~」と呟いた。
それを聞いたあっちゃん、ようこさん夫妻が、「では僕たちが招待します。てっちゃん、店を決めてね!」と即答された。
天ぷら屋を調べると、横浜の近くに勢いのある名店があるという情報を友人からもらい、電話をかけるが3ケ月間の予約は全て埋まっている。もう一つ教えてもらった東京の店にかけると、ちょうどキャンセルが出たとかで、何とか予約を取ることが出来た。
店のホームページを見ると、どこかで見た顔が。スクロールしていくと、やはりあの天ぷらの神様・早乙女哲哉氏だった。
あの圧巻の世界を、体感できるのか・・・。
当日、ドキドキしながら向かうと、見事に迷った。
店の名は「是山居(ぜざんきょ)」。
細道の先に、陶器と緑に囲まれた建物がある。ぐるりと回ると、憧れた是山居の看板が現れた。
付き出しは、枝豆、にこごり、豆腐の柚子味噌付。
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枝豆の先は切られ、まるで茶豆のような味、にこごりも丁寧に時間をかけた本物の技、そして豆腐と柚子のハーモニー。感動しているところで、まずは車海老。サクッという食感は勿論だけれど、何より甘い。これが早乙女氏の流儀。素材の味が最も引き立つ温度。海老であれば、それは45度~47度の間だという。
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まるで海老自体が喜びながら口へ飛び込んでくるようだ。
王道のキスの天ぷらを経て、イカ。
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歯を当てると、生のような切れ方。イカの刺身の周りに天ぷら粉が付いている感じなのだ。目を瞑り、再度噛むと、シャリッ、シャリッと脳へ音が響き渡った。
そしてピーマンの天ぷらが?と思ったら、それはシソ。
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中にはたっぷりのバフンウニが詰まっていた。その芳醇な味。一気にエンドルフィンが溢れ、頭がボーっとしてくる。外側は焼いた香ばしさが、内側はとろりと溶けた。
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そして、黒いお盆に若鮎が泳いでいく。
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なんたる雅な逸品。若鮎らしい引き締まった身と内臓の苦みが重なった。
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シラウオ、アナゴ、アスパラと、そのどれもが中の温度が変えられ、甘みがふんだんに引き出された。
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ラストはかき揚げ丼で〆。
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帰り際、早乙女大将と話す機会を得た。
雲丹の味に感動した旨を伝えると、秘話を披露してくれた。
「あれは最初、海苔で巻いたんだけれど、どうしても一緒に食べると海苔が最後に残ってしまう。10種類以上試行錯誤して、ようやくシソに行き着いたんだ。15歳で修業を始め、古稀を迎える今年まで一日も休んだことはない」
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東京、門前仲町に天ぷらの神様がいる。食材の力を最大限引き出す技は、人生観が変わる超絶の味。命を賭ける仕事を体感させて頂き、心より感謝します。
        ノムラテツヤ拝
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