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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

夢の仕事

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船旅の醍醐味、それは世界中からエクスペディション(探検)のスペシャリストが集結し、自然や動物を愛する乗客が一同に集うこと。
ランチ時に話したのは、エクスペディションチームの一員のヨハン。コロンビア人だった。ヨハンは幼少の頃、クジラとジャガーの存在を知る。一目見て、彼らと生涯を通して、一緒に過ごしたいと思ったそうだ。
大学で獣医学を学び、動物の医者となり、世界中を放浪の旅に出かけた。そこで念願のクジラと出逢い、一緒に泳ぐという貴重な体験をした。
「クジラと共に生きられる仕事に就く」
そう確信した彼は、南米最南端のアルゼンチン・ウシュアイアで、極地専門の船会社「クォーク・エクスペディション社」と出逢い、幾度も雇ってもらえないかと掛け合った。しかし答えは「今は間に合っている、空きがない」と断られ続けた。
でもそんなことでは諦めない。極地に必要なダイビングやゾディアックの操縦技術、海にまつわることなら何でも我武者羅に学んだ。そんな努力の甲斐があってか、3年目にヨハンのボスから声がかかった。彼はそこで一所懸命働いて、自分をアピール。晴れて、正式メンバーの一員になったのだと嬉しそうに話してくれた。
「今は何処に住んでいるの?」
「この船が、僕の住居だよ」
真っすぐな視線でそう答える。
「南極、北極にはクジラが沢山いる。好きなことが出来るなら、他は何もいらない。好きなことをやる人生以外は考えてない」
その強い想いが、今を進む原動力になっていた。
大切なのは、自分の心に生まれる衝動の力に嘘をつかず、努力し続けること。嘘さえつかなければ、進むべき方向へ、心がノックしてくれる。
「もし極地以外に住むなら、将来住みたい場所はあるの?」
「スリランカかサモアかな」
「なぜ?」
「だって、世界で最もクジラと一緒に泳げるからさ」
やりたい道へ一直線。たゆまず精進し、準備する。そして時が来たら、確実にその夢の糸を掴むのだ。
『好きなこと、やりたいこと、を大切にする』
それはつまり、自分の心を大切にする事に他ならないのだから。
             ノムラテツヤ拝
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テーマ:スナップ写真 - ジャンル:写真

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